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【わかさ出版監修】夜間頻尿の原因は足のむくみ!?対策は夕方の「ふくらはぎカイロ」を

解説 カラダネ編集部

泌尿器科の医師を中心に構成される日本排尿機能学会の調べでは、昼間の頻尿で悩む人は日本に3300万人いるとされます。
しかし、夜間頻尿はそれを上回る4500万人が悩んでいるとされ、高齢化に伴う国民病という専門家もいるようです。
ちなみに夜間頻尿や昼間の頻尿、尿漏れ全般でいうと、40代以上の3人に1人、60代以上の3人に2人が悩んでいるそうです。

夜間頻尿の原因や対策について、複数の医師・専門家に話を聞きました。すると、近年になって新しいことが続々とわかってきました。
夜寝る前に水を飲むことだけが原因ではないというのです。いったい、どのような原因があるのでしょう。

最初に申し上げますが、頻尿を自覚したら泌尿器科で診てもらうことが重要です。専門医の治療方針に従ったうえで、記事で紹介する「ふくらはぎカイロ」も試してみてください。



夜間頻尿は睡眠不足だけでなく、転倒による骨折、高血圧や脳卒中、心臓病のリスクも

夜間頻尿とは、いったい夜に何回トイレに行くことを指すのでしょうか。実のところ、この点は明確には決まっていないようです。
たとえ1回でも2回でもトイレに起きて、それを悩みに感じるなら、それは夜間頻尿と呼べるわけです。

夜間頻尿はなんと4500万人が悩んでいる!

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夜間頻尿は、夜中に起きてトイレに行くつらさだけが問題ではありません。実は、転んで骨折する人が多く、今大きな社会問題にもなっているのです。
神田医新クリニック理事長の横山博美先生に話しを聞きました。

「夜中、暗がりの中をトイレに行こうとして転倒し、骨折する事故が激増しています。そして、夜間の転倒骨折は、トイレ回数が多い人ほど要注意です。

なぜなら、夜間のトイレ回数が1回以下の人より2回以上の人たちは、なんと約2倍も骨折しやすいと東北大学病院泌尿器科の調査で報告されているからです。

また、夜中に起きると睡眠不足になりやすく高血圧なども招きます。自律神経の乱れも引き起こします。すると、脳卒中や心臓病の発作を起こす危険も高まるのです」(横山先生)

夜間頻尿を招く意外な原因は、なんと「ふくらはぎのむくみ」

夜間頻尿の原因は、さまざまです。膀胱が活発に働く過活動膀胱をはじめ、単純に水の飲みすぎで起こる人もいます。ところが、最近になって夜間頻尿を招く別の原因が見つかり、注目を集めています。

それは、なんと「ふくらはぎのむくみ」です。横山先生は次のように話します。
「ふくらはぎは、第二の心臓ともいわれ、足を動かしたさいにポンプのように縮んだり緩んだりをくり返しながら、重力に逆らって下半身の血液を心臓へと戻す役割をしています。
しかし、昼間にあまり足を動かさないでいると、ふくらはぎも刺激されないために下半身の血液が心臓に戻らず、それが夕方にふくらはぎのむくみとなって現れます。

夜間頻尿の原因がふくらはぎにある?

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そして、夜中の睡眠中、それまでふくらはぎにたまっていた血液が、体が横になったことで心臓へと徐々に戻りだします。

すると、心臓は血液量が増えたと感知し、その血液量が血圧を上げると判断して、血液量を正常化するためのホルモンを合成し、分泌します。
実は、このホルモンが腎臓に働きかけて尿の量を増やし、夜間頻尿の原因になると考えられるのです」(横山先生)

むくみの原因は立ちっぱなしや座りっぱなし、足の冷え

では、ふくらはぎがむくみやすいのはいったいどのような人なのでしょう。
横山先生は次のように話します。

「ふくらはぎは下半身にあるため、ふくらはぎにたまった血液は、重力の影響もあって上半身にある心臓には戻りにくく、誰もがむくみやすいといえます。
中でも、一日じゅう立ちっぱなしの人やイスに座りっぱなしの人など、足を動かす機会が少ない人は、ふくらはぎがむくみやすくなります。

さらに、薄着で下半身が冷えやすい人もふくらはぎのむくみを招きやすいでしょう。
自力対策として、夜間頻尿で悩む人は今日から昼間に足をこまめに動かしてみてください。また、下半身を冷やさないように長い靴下を履くことも大切です」(横山先生)
s_Fotolia_130602680_Subscription_Monthly_M.jpg夜間頻尿の人は昼間の足のケアが大切

夜間頻尿は「ふくらはぎカイロ」で自力対策。改善した人もいる

そして、夜間頻尿で悩む人にぜひ試していただきたい、とっておきの自力対策があります。それは、ふくらはぎに使い捨てカイロを貼る、「ふくらはぎカイロ」です。
考案者のせき接骨院院長、関博和先生に話しを聞きました。

「私は、治療院を開業しており、これまで延べ30万人の患者さんを治療してきました。
患者さんの多くは、腰やひざ、首などに痛みを抱えている人ですが、最近は夜間頻尿の人も多く訪れます。そうした人の共通点は、ふくらはぎが冷えてむくんでいることです。
そこで私は、ふくらはぎを温める指導をしたところ、多くの人の夜間頻尿が改善したのです。

ふくらはぎを温めるさい、レッグウォーマーやサポーターなどを着用するのもいいのですが、最も簡単ですぐに改善を感じることができる人が多いのが、ふくらはぎに使い捨てカイロを貼る「ふくらはぎカイロ」でした。
ふくらはぎにカイロを貼ると温熱作用に加えて、ツボも刺激されます。実は、ふくらはぎには冷えを改善する重要なツボがあるのです。もちろん、むくみの改善に役立つのはいうまでもありません」(関先生)

ふくらはぎカイロのやり方〜「三陰交」「懸鐘」のツボを温め、夕方に貼って寝るまでに尿を出す〜

関先生が考案したふくらはぎカイロのやり方は、実に簡単です。

  1. ふくらはぎが隠れる長さの靴下を履く。
  2. ふくらはぎに、靴下の上からミニ判の使い捨てカイロを片足に2枚ずつ、両足で計4枚貼って温める。

実に簡単でしょう。
このとき重要なのは、使い捨てカイロを貼る位置です。関先生は以下のように話します。
「ふくらはぎのツボの中でも、冷え対策にうってつけなのが、山陰交(さんいんこう)と懸鐘(けんしょう)という2つのツボ。

夜間頻尿の人におすすめのツボの位置(右図が三陰交、左図が懸鐘)

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山陰交は内くるぶしから手の指4本分上、懸鐘は外くるぶしから手の指4本分上にあります。

この2つのツボを中心にして、ふくらはぎに使い捨てカイロを貼れば、効率よく冷えもむくみも改善できる人がおおぜいいます」(関先生)
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「上の写真のように、カイロを内側と外側のくるぶしの上に貼ってください。
ふくらはぎカイロを行う時間帯は、ふくらはぎがむくみやすくなる夕方に行うのがベストです。
夕方やれば、下半身にたまった水分を寝る前までに尿として排出でき、夜間頻尿が防げる人がおおぜいいます。

カイロは、夕方から就寝するまで貼りっぱなしでもかまいませんが、貼ったまま寝るのは控えてください。長時間貼りつづると、低音やけどを起こす危険も大きいからです。
ふくらはぎカイロを行っているときは、1時間に1度は肌の状態をチェックし、熱すぎたりかゆみを感じたりしたら、すぐに中止してください」(関先生)

【体験談】夜中5回もトイレに行く夜間頻尿がふくらはぎカイロで翌日改善できた

実際に、夜間頻尿でふくらはぎカイロを試した人の話しを、関先生にお聞きしました。(以下は、健康情報誌『夢21』で2015年に紹介されたものをウェブ用に再編集したものです。)

「私の接骨院は、長野県岡谷市という寒さが厳しい地域にあります。そのため、冬は体が冷えやすいために体調不良を訴える人がおおぜいいます。
88歳になる山本聡子さん(仮名)もその1人でした。

山本さんは以前、夜10時に就寝して朝7時に起きるまで、4~5回は起きてトイレに行っていたそうです。そのために睡眠不足になりがちで、日中は強い眠気に襲われているということでした」(関先生)

関先生は、夜間頻尿の改善のため、山本さんにふくらはぎカイロをやるようにすすめました。ミニ判の使い捨てカイロの貼り方を指導し、夕方行うように話をしたそうです。

「すると一週間後、山本さんはにこやかな表情で私の接骨院を訪れてくれました。
話しを聞くと、ふくらはぎカイロを夕方から就寝前まで試したところ、その翌日から夜中にトイレに行く回数が1~2回に減ったというのです。

そして、ふくらはぎカイロを試してから数カ月が過ぎた現在では、夜中一度もトイレに起きずに熟睡できる日も増えているそうです。とても喜んでいただきました」(関先生)

関先生の指導で、山本さんのように夜間頻尿が改善した人は、ほかにも何人もいるといいます。
自力療法として簡単にできますので、夜間頻尿の方は今日からぜひ試してみてはいかがでしょうか。
尿漏れ扉2.jpg夜中のトイレ回数が多い人は、下記の関連記事もご参考ください。


記事にあるセルフケアは安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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※記事の執筆ドクターが特定商品の購入等を推薦するものではありません。

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