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ほうれい線の原因②200種ある顔のリンパの流れが滞り、老廃物が蓄積してほうれい線が深刻化
小出 馨
ほうれい線を予防・改善するために、実に多くの化粧品が開発され、さまざまな治療法やエステなどが多数のメディアで紹介されています。
しかし、どれもそれなりにお金や時間がかかるものばかり。もっとも、人や物に頼る前に、まずは自身の力でほうれい線の予防・改善を試みてみませんか?
ほうれい線を自力で予防・改善する一番の近道は、ほうれい線ができる原因を知ること。日本歯科大学教授の小出馨先生にお聞きしました。
ほうれい線の原因①については、一番下の関連記事をご覧ください。
年齢を重ねるほど、リンパの流れが悪くなる
ほうれい線が深刻化する二つめの原因、それは「リンパの流れが滞ること」です。
リンパの流れが滞ると、水分や老廃物がたまって、むくみやシミ、クマを招いたり、新陳代謝(古いものと新しいものの入れ替わり)の停滞による肌細胞の衰えを引き起こしたりします。
その結果、肌の老化が早まり、ほうれい線が深く濃く刻まれるようになります。
そもそも、リンパとはどういったものなのか、よくわからないという人も多いはずです。
私たちの体内では、血管のほかにリンパ管が静脈に寄り添うようにして全身を巡っています。そこを流れるリンパの量は、成人で約0.4リットル。
この0.4リットルの液体が、静脈で吸収できなかった老廃物などを吸収し、リンパ節という器官に運んできれいに処理してから静脈へ戻す働きをしています。
このリンパ節は、リンパ管のところどころにあるソラマメ状の小さな器官です。
リンパは血液と違って、とてもゆっくりと流れています。リンパの流れには、血液における心臓のような、原動力となるポンプの機能を果たすものがないからです。
リンパは、周囲にある筋肉の動きに促されて流れているだけなのです。
そのため、リンパの流れる速度は、血液と比べると極めて遅く、滞りやすいという特徴があります。
特に、年齢を重ねて筋肉の衰えている人は、リンパの流れが滞りがちになります。
血液が流れる速度は、大動脈では1秒間に30〜50センチですが、リンパの流れる速度は1秒間にわずか0.4〜0.5ミリ。大動脈を流れる血液の約1000分の1程度の速度なのです。
自力でリンパの流れを促すのに、手で行うマッサージは不十分
このように遅々としたリンパの流れを促すには、多くの筋肉を動かさなければなりません。
リンパの流れを促す方法として、従来からよく行われているのが肌の上から行うマッサージです。
こうしたマッサージは、リンパ節や顔の筋肉を部分的に刺激するのにはおすすめですが、これらを全体的に、そして効率的に刺激するのには物足りないといえます。
ましてや、首から上には、全身のリンパ節(約800個)のうちの約200個、つまり、25%が集中しています。
首から上の代表的なリンパ節は、浅・深耳下腺リンパ節、浅頸リンパ節、下顎リンパ節など。こうしたリンパ節が、全身を巡回して老廃物を回収したリンパを浄化しているのです。
これらを皮膚表面からのマッサージだけで刺激するのは、大変な作業となるでしょう。現実的ではありません。
顔全体や首を含めた約70種類の筋肉を効率よく動かして鍛えられる方法を選び実践することが、ほうれい線を予防・改善する一番の近道といえるでしょう。
実は、顔全体や首を含めた約70種類の筋肉をくまなく動かすことのできる方法があります。
私が長年の研究と治療経験をもとに自信を持ってすすめる、「舌回し」。
下の関連記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。
この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。
写真/© Fotolia ©カラダネ
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