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肌年齢マイナス20歳超!「舌回し」でしわ・髪ツヤを改善した60代歯科医師の体験記
宝田恭子
美肌や健康維持のために、「舌回し」をすすめている専門家の方はたくさんいます。
そうした中、実際に舌回しを実践して、その素晴らしい働きを体現されているのが、宝田歯科院長の宝田恭子先生です。
舌回しのほかに、美容にいいとされる数々の体操を実践する宝田先生に、舌回しのメリットについてお聞きしました。
今回、カラダネ読者のみなさまだけに、日本歯科大学教授の小出馨先生がすすめる「舌回し」を動画で特別にご紹介しています。下記の記事をクリックして、ぜひご覧ください。
唾液には消化の促進や抗菌作用が期待できる
私は歯科医師として、口腔ケアや美容のために、さまざまな体操を考案して患者さんに指導しています。
美容のための体操は、顔筋を鍛えるものが多いのですが、それとともに重視しているのが唾液を出す体操です。
唾液は、「舌を唇の内側に沿って、歯ぐきをなぞるように動かす」というやり方(舌回し)で行えば、口腔内にある小唾液腺が刺激され、たくさん出すことができます。
唾液には、食べ物の消化を助ける作用や、虫歯や歯周病の原因となる菌の繁殖を予防する抗菌作用などが期待できます。
唾液増やしは肌の若返りにつながる!?
しかし、唾液の働きはそれだけではありません。
少し専門的な話になりますが、唾液には成長ホルモンの一つであるパロチンや、上皮成長因子(EGF)などが多く含まれているのです。
パロチンは皮膚や血管などの新陳代謝(古いものと新しいものの入れ替わり)を活発にして、発育や成長を促すことで全身を若返らせるのに役立ちます。
さらに、カルシウムの代謝(体内で行われる化学反応)や骨・歯の再石灰化を助ける働きもあるので、歯や骨、軟骨などの強化も期待できます。
EGFは皮膚や粘膜などの細胞の新陳代謝を促すホルモンなので、肌のトラブルを改善して美肌づくりに役立ちます。
唾液の大半は口腔内に分泌されますが、一部は血液中に取りこまれています。
よって、唾液が十分に分泌されれば、パロチンやEGFが全身に行きわたり、肌の新陳代謝が高まってしわ・シミ・くすみの予防・改善はもちろん、骨や筋肉、髪、爪など体中の若返りも期待できます。
今までの学説によると、唾液の分泌量は年を重ねるにつれて減っていくといわれてきました。
しかし、近年、唾液の分泌を促す動きを行うことにより、年齢を問わず、唾液は必要量を補うことができるとわかったのです。
ですから、舌回しを行って唾液量を意識的に増やすことは、若返りにおいて大切なことなのです。
ほおのたるみやほうれい線も予防・改善
実際、私は自分で考案したさまざまな顔の体操とともに、唾液の分泌を促す舌回しを10年間以上続けています。
私はすでに、還暦(60歳)を過ぎていますが、おかげさまでいつも口の中が潤って、口腔の乾燥に悩むことはありません。
化粧品売り場で肌の水分や油分の診断をしてもらったときには、30代の人の肌といわれたこともあります。
舌回しをはじめとする、さまざまな顔の体操を続けていることが、皮膚にもいい影響を与えてくれているのだと思います。
また、私は歯科医師ですから、多くの時間をうつむいた姿勢で神経を集中させて治療をしています。
こうした姿勢はほおがたるみ、ほうれい線なども出やすいので、姿勢を正してしっかりと体操を続けるようにしています。
体操はすぐに結果が出るものではありませんが、続ければ成果が出てきます。口腔内の健康のためにも若顔づくりのためにも、舌回しをおすすめします。
記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。
写真/©カラダネ
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