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自律神経チェックリスト[乱れタイプ別]整え方を専門医がアドバイス
末武信宏
自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があります。2種類のはたらき方のバランスが崩れることを、自律神経の乱れといい、乱れ方により招く病気や症状もさまざまです。
そこで実際に乱れがあるかどうか、当記事の自律神経チェックリストでチェックしてみてください。もちろん、記事でのチェックは目安にしてください。
自律神経に乱れがある可能性がある人は、心療内科や神経内科など専門医の診察を受け、治療をしてもらうことが大前提です。
愛知県でさかえクリニックの院長をされており、自律神経の専門家である末武信宏先生にお話を聞きました。
自律神経チェックテスト10項目
1〜10の選択肢で自分に1番合うものを1つ選んで、AとBの点数をそれぞれ合計してください。
1.睡眠チェック
□床に就いたらだいたいすぐに眠れる……A 1点/B 1点
□夜にしっかり眠っても、昼間はなんとなく眠い……A 1点
□なかなか寝付けない……B 1点
□寝付きが悪く、寝ても途中で目が覚める……A−1点/B−1点
2.仕事・家事・勉強のチェック
□やりがいを感じ、結果に結びつけられると思っている……A 1点/B 1点
□おっくうになって眠くなったり、やる気が起きなかったりする……A 1点
□できなかったときのことを考えると不安なので集中して取り組む……B 1点
□やれないことに対して不安を感じるが体がついていかない……A−1点/B−1点
3.食欲のチェック
□すぐにおなかが減って、おなかが鳴る……A 1点
□仕事などに集中しているとおなかがすかない……B 1点
□食欲がない、もしくはお腹がすいていないのに食べてしまう……A−1点/B−1点
4.食後のチェック
□胃もたれはほとんどしない……A 1点/B 1点
□食べてもすぐにお腹が減る……A 1点
□食後によく胃もたれする……B 1点
□食事の前後に胃が痛くなることが多い……A−1点/B−1点
5.課題や問題のチェック
□すぐにどうすればいいか考えがまとまり、実行できる……A 1点/B 1点
□いつのまにかほかのことに注意が向いて、考えがまとまらない……A 1点
□息をつめて考え込んだり、考えすぎて不安になったりする……B 1点
□考えようとしても集中できず、やる気も起こらない……A−1点/B−1点
6.睡眠や疲労のチェック
□疲れても眠ればリセットできる……A 1点/B 1点
□すぐに眠くなりよく眠れるが、昼間にややだるい……A 1点
□疲れが抜けにくいが、仕事になればがんばれる……B 1点
□何をするにもおっくうなほど、常に疲れを感じている……A−1点/B−1点
7.メンタルのチェック
□仕事中は気が張っているが、家では切り換えられる……A 1点/B 1点
□特にストレスは感じていないが、ボーッとしている時間が多い……A 1点
□1日を通して心がほぐれない……B 1点
□強い不安感や恐怖感があったり、考えることが嫌でよく眠りたくなる……A−1点/B−1点
8.手足の冷えのチェック
□年間を通して冷えは感じない……A 1点/B 1点
□冷えは感じず、ポカポカして眠くなることが多い……A 1点
□風呂上がりでも少したつと手足が冷える……B 1点
□眠れないほど手足が冷たく、顔色が悪い……A−1点/B−1点
9.体重のチェック
□体重は、長い間変動していない……A 1点/B 1点
□ついつい食べすぎて太りやすい……A 1点
□ストレスがあると体重が増えやすい……B 1点
□ここ1年で体重が5キロ以上増減した……A−1点/B−1点
10.今の状態のチェック
□活気に満ちあふれ、心身ともに幸せだと感じている……A 1点/B 1点
□大きなトラブルもなく、どちらかといえば幸せだ……A 1点
□日々、刺激を受けることで充実していると感じている……B 1点
□漠然とした不安を感じる、憂うつ感が抜けない……A−1点/B−1点
診断結果で自立神経バランス4タイプがわかる
●タイプ1
A、Bともに8点以上……交感神経/副交感神経ともに働きが強い
●タイプ2
Aが7点以下、Bが8点以上……交感神経の働きが強く、副交感神経は弱い(交感神経優位)
●タイプ3
Bが7点以下、Aが8点以上……副交感神経の働きが強く、交感神経は弱い(副交感神経優位)
●タイプ4
A、Bともに7点以下……交感神経、副交感神経ともに働きが弱い
さあ、あなたはどのタイプに当てはまったでしょうか?それぞれのタイプについては次から解説していきます。
なお、自律神経チェックリストは、行ったそのときどきの自律神経の状態を示しています。毎日行えば自律神経のバランスがどう変動するかわかってきて、うまくコントロールできるようになってくるでしょう。
タイプ1:交感神経/副交感神経ともに強い人が自律神経を整えるには
タイプ1はバランスがよく充実している状態
タイプ1のあなたは、理想的な自律神経のバランスをお持ちです。一流のアスリートが試合や競技で高いパフォーマンスを発揮しているときが、まさにこの状態になります。
交感神経と副交感神経が高いレベルで安定しバランスよく働いていると、体のコンディションがよくなって気力がみなぎり、ひらめき力も高まります。仕事も家事も効率よくこなせて日常生活が充実してくるはずです。
8秒で息を吐く【ヨガ式深呼吸】で副交感神経の働きをキープ
この状態を維持するには、副交感神経の働きが弱まらないように心がけることが大切です。そこで、深呼吸を意識して行ってみましょう。
ストレスを感じる場面で大きく伸びをしながら4秒かけて鼻から息を吸い、8秒かけて同じく鼻から息を吐くヨガ式の深呼吸を一日に何度か行うと、副交感神経の働きを正常なまま維持するのに役立ちます。
タイプ2:交感神経優位の人が乱れを整えるには
強いストレスがバランスを崩す
私たち現代人に最も多いタイプです。
そもそも交感神経は生涯を通じてあまり変化しないのに対して、副交感神経は年齢とともに弱まっていく特徴があります。男性は30歳、女性は40歳を過ぎたころから急降下するといわれています。
そこに人間関係や仕事のストレスが重なって、さらに働きが衰えてしまうのです。心身を休めるのが良い対策ですが、タイプ2の人は休むことに罪悪感を覚える人が多いようです。
超簡単ツボ押し・セルフ整体で乱れを解消
交感神経優位の人は、意識的に時間を決めて休むようにしてください。また、心理的ストレスを軽くするために自分へのごほうびをときどきあげるのもいいでしょう。
そして、自律神経を整えるために開発された体操「セルエクサ」の中でも特に簡単な「手首ゆらし整体」がおすすめ。
4つある動作のうちのひとつ「外関のツボ押し」は、手の甲側の手首の上(手首をそらした時にできるシワ)からひじに向かって指幅3本分にあるツボ(外関)を刺激します。
イスに座って、背筋を伸ばし、反対側の手の親指で、ゆっくり息を吐きながら5秒間押だけです(反対も同様)。
「手首ゆらし」は、さらに簡単です。
イスに座って、左手の親指と小指で、右手首の両わきを軽く挟んで支えます。右手はピンポン玉が入る程度の空間をあけて軽く握ってください。右前腕の力を抜いて、右手首を曲げたりそらしたりしながらブラブラと30秒間ゆらせばOK(左手も同様)。
タイプ3:副交感神経優位の人が乱れを整えるには
ウツやアレルギーなどに注意
副交感神経は強くなりすぎると何をするにも無気力になり、ひどいときはウツ状態になる恐れがあります。
さらに、病気から体を守る免疫力が強くなりすぎて花粉症やぜんそく、アトピーなどのアレルギー病を招いたり太りやすくなったりします。
ウォーキングなど活動的な習慣で少しずつ改善
このタイプの人は交感神経を活発にするために、朝起きたらカーテンをあけて太陽の光を浴びる習慣をつけましょう。
ウォーキングなどの軽い運動を行ったり軽快な音楽を聞いたりするのも、交感神経のスイッチを入れて自律神経を整えるのに役立ちます。
タイプ4:交感神経/副交感神経ともに弱い人が自律神経を整えるには
不調が続き、疲れやすい
このタイプの人は、体調不良で気分も沈みがち。交感神経と副交感神経の両方のレベルが低いと、呼吸も血流も、内臓の機能も著しく低下していると考えられます。
疲れやすく、やる気も出ないで、グッタリした状態に陥りがちです。
自分が心地いいことに時間を割いてリラックス
深呼吸やウォーキング、音楽など自分自身が気持ちよく感じたものを続けていきましょう。ほか、入浴やアロマオイルなどが、一般的に自律神経を整えるのによいと言われています。
不調が続くなら病院で自律神経チェックを
耳たぶや指先から自律神経の状態がわかる
もう一つ、ぜひ知っておいていただきたい病院の自律神経計測システムについてお話ししましょう。自律神経の乱れは、強すぎるストレスが最大原因です。
とはいえストレスは目に見えないため、強さを自分で測ることができません。しかしながら、最近になってストレスの有無や強さをより科学的に見極めて、病気の予防や改善に役立てる検査が開発されています。
一例として、私のクリニックでは最新の自律神経機能計測システムを導入しています。
患者さんの耳たぶや指先などに脈波(脈拍に伴う血管の変化)センサーを装着し、心拍変動を計測するやり方で、パソコンのモニターに自律神経の状態がグラフ表示されるものです。
このシステムによって自律神経の状態がよりよくわかり、患者さん自身も理解しやすくなって、治療効率がかなり向上しました。
記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。
写真/© Fotolia ©カラダネ
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