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【動画あり】手首のツボ押し・ゆらしなど自律神経を整える医大実証エクサ。交感神経優位の状態を正すセルフ整体
末武信宏
自律神経の乱れを整える運動療法は、医療機関でも研究が進められているそうです。
本記事は自律神経を自分自身で整えるのに役立つセルフケア法を紹介します。
自律神経にくわしい医師、末武信宏先生に解説をしていただきました。手軽に簡単にできるので、試してみてはいかがでしょう。
自律神経が乱れている可能性がある方は、心療内科や神経科、内科、精神科などの病院で専門医に診てもらうことが重要です。そのうえで記事にあるセルフケアを試してみてください。
自律神経への影響を確かめた、世界でも珍しい体操
私たち現代人は、精神的・身体的ストレスにいつもさらされています。
その結果、自律神経のバランスが大きく乱れて、特に交感神経優位の状態に陥っている人が非常に多く見受けられます。
自律神経というと、これまでは自分で「こう働かせよう」と考えても、思いどおりに働かせられるものではないと考えられてきました。
ところが最近では、自律神経に対するこうしたとらえ方は変わってきています。
というのも自律神経は、やり方によってはその働きやバランスを操ることができ、特に現代人で衰えがちな副交感神経も、自分の意志で優位な状態に導けることがわかってきたからです。
交感神経が優位な状態を正して、副交感神経が優位な状態を積極的に作り出す方法はいくつかあります。
中でも私が強くすすめるのが、「自律神経を整える」という目的に特化して、医学的根拠をもとに考案された体操「セル・エクササイズ(以下、セルエクサとする)」です。
セルエクサは大きな負荷が伴わず、女性でも中高年でも無理なく続けられる体操です。
セルエクサは、一見するとストレッチに似た多種多様な体操で構成されていますが、ストレッチのように筋肉にアプローチする体操ではありません。
動きの一つ一つは、実際に行ったあとに専用の機器で自律神経や血流の状態を測定し、「副交感神経の数値が上がる」「血流がよくなる」といった作用が大学での研究と臨床実験で実証された動作だけを厳選しています。
自律神経に及ぼす影響を科学的に確かめた体操は、世界でもこのセルエクサが初めてではないでしょうか。
実際、この体操は、自律神経を整えることが必要とされるスポーツ選手らにも広く活用されています。
スポーツ選手はここ一番の場面で最高のパフォーマンスを発揮し、一方で効率的に心身の疲れを改善させる必要があります。それには自律神経の乱れを整えて、コンディションを保つことが不可欠なのです。
そこで、セルエクサの中でも日常的に取り組みやすい「手首ゆらし整体」を紹介することにしましょう。
たった4種類。まずは実践してみるのが一番!
手首ゆらし整体は、4種類の動作で構成されています。それぞれを紹介しましょう。
❶外関のツボ押し
外関は、手の甲側の手首の上(手首をそらした時にできるシワ)からひじに向かって指幅3本分にあるツボ(上の左図)。
イスに座って、背筋を伸ばし、反対側の手の親指で、ゆっくり息を吐きながら5秒間押す(上の右図)。
反対側の手首も同様に押す。
❷手首ゆらし
イスに座って、左手の親指と小指で、右手首の両わきを軽く挟んで支える。右手はピンポン玉が入る程度の空間をあけて軽く握る。右前腕の力を抜いて、右手首を曲げたりそらしたりしながらブラブラと30秒間揺らす。反対側の手も同様に行う。
❸手首ロック首回し
①イスに座って背すじを伸ばし胸を張る。両腕を前方に伸ばし、手首を交差させる。
②①の姿勢のまま、首を右回り、左回りに交互にゆっくりと回す。
右回り、左回りに各1回ずつ回すのを1往復として、3往復行う。首は早く回しすぎると首の骨に負担がかかって傷めるおそれもあるため細心の注意を払う。
❹手首ロック上体回し
①まずは手の動かし方を覚える。両足を肩幅に広げて立つ。両腕を上方に伸ばし、頭上で手首を交差させる。両手首はしっかり離れないように固定する。
その状態で、手の握り開き(グーパー)を1秒間に2回のペースで行う。グーのときは力を込めずにやさしく握る。
②両手をゆっくりグーパーさせながら、状態を右回りにゆっくり大きく1回転する。左回りでも同様に行う。そのとき、ひじは極力ピンと伸ばすこと。
参考までに動画をご覧ください。
❶〜❹をすべて行うのを1セットとして、朝昼晩に各1セットずつ行うのが基本となります。すべて行っても1分半程度で終わります(やりすぎは禁物です)。
この時間帯に行うのは、朝や昼は交感神経が優位になりすぎるのを防ぎ、夜は体が休息に向けて副交感神経が優位になっていくのを促すためです。
具体的には、朝は起床後や朝食前に、昼は昼食前、あるいは昼の家事や仕事などが一段落したとき、夜は入浴後や就寝前に行うといいでしょう。
セルエクサの数ある動きの中でも、手首にかかわる動きを取り上げているのは、手首が仕事中や外出時などとりわけ交感神経が優位になりやすい場面でも、手軽にアプローチできる部位だからです。
特に外関のツボ押しや手首ゆらしは、強いストレスを感じた直後でもその場ですぐに行えます。
また、交感神経が優位になると手指など末端の血流が悪化しやすくなりますが、手指に送られる血流の関所ともいえる手首に刺激を加えれば手指の血流も促されます。
そうすれば、血流促進にかかわる副交感神経を優位に導く手助けができると考えられます。
手首ロック首回しや手首ロック上体回しでは両腕を伸ばして手首を交差させる姿勢を取ります。
これは、体の末端を固定することで、筋肉の一部にだけ負担をかけずに筋肉全体を均等に伸ばす作用が得られるためです。
体の一部にだけ負担がかかる体操は、それがストレスとなって交感神経を優位に導く可能性がありますが、手首ゆらし整体ではそうした心配はありません。
以上、手首ゆらし整体について述べてきましたが、とにかくまず実践してみるのが一番です。
そうすれば、衰えがちな副交感神経がその場で活性化し、ストレスでこわばった心がほぐれ、リラックス作用を得られるのがわかるはずです。
記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。
写真/© Fotolia ©カラダネ
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