モヤモヤ血管が原因の腰痛が消え長く歩けた!五十肩も治り腕も上がった!カテーテル治療と10秒指圧の実例|カラダネ

カラダネ(わかさ出版)
医師や専門家とあなたをつなぐ、
健康・食・くらしのセルフケアが見つかる情報サイト

モヤモヤ血管が原因の腰痛が消え長く歩けた!五十肩も治り腕も上がった!カテーテル治療と10秒指圧の実例

解説 奥野クリニック院長
奥野祐次

長引く痛みの深部には、モヤモヤした血管ができている可能性があります。この血管、病的血管新生とも呼ばれ、NHKの「きょうの健康」では新生血管などと呼ばれています。

本記事では、モヤモヤ血管が原因の腰痛や肩こりなどを自力で改善させる「10秒指圧(押圧)」について、実際に試した人の実例を奥野医師に紹介してもらいました。
腰痛や肩こりの10秒指圧のやり方については、下記の記事をご覧ください。

腰痛というと、背骨の変形が原因とされることが多いですが、実はそれだけとは言えないかもしれません。
ぜひこの記事の実例の方を参考に、みなさんも試してみませんか?
とはいえ、これは体験された方の感想ですので、誰にも同じことが起きるわけではない点はご理解ください。


なお、モヤモヤ血管についてどこよりもくわしく解説されている奥野祐次先生の最新刊書籍
『長引く痛みを治したいなら「モヤモヤ血管」を押しなさい』
が全国の書店、Amazon、楽天ブックスなどで絶賛発売中です(クリックすると販売ページにジャンプします)

●Amazon
●楽天ブックス



整形外科のレントゲン写真ではモヤモヤ血管は見つからない

長引く痛みやこりは、その背後にモヤモヤ血管が原因になっている可能性があります。モヤモヤ血管が患部にできると、炎症が起こって痛みやこりを招くのです。
ここではモヤモヤ血管を減らす病院での注射やカテーテル治療に加え、自宅で10秒指圧も行って痛みを改善させた人の例を紹介します。

千葉県に住む宇野泰代さん(仮名・50歳・主婦)が私の勤務する病院を訪れたのは、2013(平成25)年の冬のことでした。
くわしく事情を聞くと、7年前から右側の足腰に痛みが出はじめたとのこと。腰から太ももの裏側にかけて、重だるい痛みが続いていたそうです。

それでも普段の生活には大きな支障がなかったため、医療機関は受診せずに過ごしていた宇野さん。ところが、病院を訪れる2カ月前から痛みが強くなってきたというのです。
100メートル程度歩くと足腰がズキズキ痛み出し、台所仕事などで長時間立っているときも痛んでいたとか。

特につらいのが朝起きるときで、布団から立ち上がると腰から足にかけて激痛に襲われるそうです。毎朝に痛みが起こるので、布団の上で体を動かしほぐしてから恐る恐る立ち上がっていると話していました。

宇野さんは、近所の整形外科を受診しました。レントゲン検査の結果で坐骨神経痛と診断されましたが、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアではないとのことでした。
原因がはっきりしないまま痛み止めの薬と湿布を処方されたものの、症状はよくならなかったといいます。

宇野さんのような例は、私が見聞きするだけでも相当数あります。整形外科ではレントゲン写真で主に骨の変形を診ることが多く、骨の変形以外に原因がある場合は見つけられないことも多いのです。
もちろんモヤモヤ血管が痛みの原因なら、通常のレントゲン写真で見つけられることはほぼないといえます。

モヤモヤ血管を減らす治療と10秒指圧で腰痛が和らいだ

私が宇野さんの状態を確認すると右側の腰の後方にある椎間関節に炎症が認められ、その周囲に多くのモヤモヤ血管があると推測されました。
試しに宇野さんにイスに座ってもらって痛む場所を確かめたところ、やはり椎間関節のところが痛むといい、指で押さえると足まで響く感じがすると話していました。

私は、モヤモヤ血管ができている場所に血管を退縮させる働きがある薬剤を注射で打ちました。宇野さんは、その時点で痛みが半分ぐらいに和らいだとのことでした。

さらに私は宇野さんには自宅で毎日、腰の10秒指圧を行うように指導しました。宇野さんは、自宅でイスに座りながら、モヤモヤ血管のある場所(つまり痛む場所)を1日3回、親指で押すようにしたそうです。

すると2週間後には、宇野さんの痛みは日常生活ではほとんど気にならないくらいまで軽くなりました。そこで、2回めの注射を行ったところ坐骨神経痛はほぼ消えたため私の治療は終了しました。

現在の宇野さんは長時間歩いても足腰が痛むこともなくなり、朝起きたときも布団からスッと立ち上がれると喜んでいます。
今でも宇野さんは坐骨神経痛の再発予防のため、腰の10秒指圧を毎日続けているそうです。

頸椎症と診断された人もモヤモヤ血管を減らす治療で改善

首の痛みや肩こりが改善した人の例も多々あります。
東京都に住む木下和江さん(仮名・72歳)は、2年前から首の痛みに悩まされるようになりました。首の後ろの右側に重だるい痛みが起こり、首を右に回すのがつらくなったといいます。
右側にいる人から話しかけられると、体ごと右に回して話を聞かねばならずとても困っていたそうです。

木下さんは近所の整形外科で検査を受けたそうです。その結果、左右の頸椎(首の部分にある背骨)の変形が見つかり、頸椎症と診断されました。
医師からは湿布薬を処方されましたが、首の痛みは一向に改善しなかったそうです。
その後、ほかの整形外科も受診しましたが症状の改善は見られなかったとか。

そうしたとき、木下さんが私の勤務する病院を訪れました。私が状態を確認したところ、右の頸椎の横にある横突起という突起から椎間関節にかけてモヤモヤ血管がたくさんできており、炎症を起こしていました。
small blood vessel モヤモヤ血管 sサイズ.jpg
絡まった糸のような細い血管がモヤモヤ血管。モヤモヤっと見える

私は、木下さんの首にモヤモヤ血管を退縮させるステロイド製剤の注射を打ちました。すると、木下さんの首の痛みはだいぶ和らぎ、首を少し回すこともできるようになり、本人は安心したようでした。

それに加え、木下さんには首のモヤモヤ血管を減らす10秒指圧のやり方を指導し、自宅で行ってもらうことにしました。すると1カ月後には木下さんの首のモヤモヤ血管は大幅に減少し、首の痛みも改善していたのです。首を右側へ回すことも問題なくできるようになっていました。

五十肩がモヤモヤ血管を減らすカテーテル治療で改善した

千葉県に住む主婦の倉澤知子さん(仮名・51歳)の場合、2年前から右肩の痛みに悩まされるようになりました。

最初の異変は電車に乗っていたときのこと。つり革をつかもうとしたら肩がつらくて腕が上がらなかったそうです。
small blood vessel 記事sサイズ .jpgそれからまもなく、片手でフライパンを持てない、エプロンのひもを後ろで結べない、着替えに時間がかかるといった問題が次々に起こったといいます。

倉澤さんは半年前に知人の紹介で私の診察する病院を訪れました。いわば五十肩の症状でした。
五十肩は、正式には「肩関節周囲炎」という病名で、文字どおり肩関節の炎症が原因で痛みが現れます。この病気の原因はよくわからないとされる場合があります。

私は、これまでの経験から肩関節周囲炎の中には肩周辺にできたモヤモヤ血管が原因で痛みを招いている人が多いと考えています。モヤモヤ血管も五十肩の症状を招きます。

倉澤さんもまさにそうで、私はモヤモヤ血管を減らすカテーテル治療を行いました。
さらに肩の10秒指圧のやり方を指導し自宅で毎日行ってもらうことにしました。倉澤さんは右肩にある腱板疎部、上腕二頭筋腱長頭をそれぞれ1日3回、指3本(人さし指・中指・薬指)で押したそうです。 

その後、倉澤さんは通院しながら自宅で肩の10秒指圧を毎日欠かさず行いました。すると、初診から1カ月後には、右腕を後ろへスムーズに回せて、エプロンのひもをらくに結べるようになりました。
腰、首、肩の痛みやこりは、まずは整形外科の専門医に診てもらうことも重要です。何か重大な病気が隠れている可能性もあるからです。
そのうえで、やり方を守ってセルフケアを試してみてください。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

関連記事

出典:『長引く痛みを治したいなら「モヤモヤ血管」を押しなさい』

s_モヤモヤ血管_表1.jpgひざ痛、腰痛、肩こりなど、長引くつらい痛みを自分で治すための決定版ガイド。
「モヤモヤ血管=新生血管」を探して患部を15秒押すだけ。
部位別・症状別に、豊富なイラストとともにわかりやすく解説します。

この記事が気に入ったらいいね!しよう