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【眼科医考案】白内障予防の歩き方〜目の毛細血管の血流を促せば視界クッキリ〜

解説 回生眼科院長
山口康三

白内障予防で重要なことに、運動の習慣化があるといいます。健康的な生活を送るには、運動習慣が重要なことはいうまでもありませんが、眼科医の話では白内障の発症予防にも進行予防にも役立つというのです。

では、どのような運動習慣が白内障の予防におすすめなのでしょうか。眼科専門医の山口康三先生に話を聞きました。

みなさんも、年齢を重ねたら必ず専門医に白内障の有無を調べてもらってください。そして、白内障とわかったら治療を受けたうえでセルフケアの一環として、記事の白内障予防歩きを試してみてください。


30年以上の診療経験の中で考案!3000人が改善!

白内障を早くから発症する人には共通点があります。それは、目の血流が悪いこと。
目は体内で最も進化した部位といわれ、脳の出先器官でもあり、毛細血管が密集している極めて精巧で繊細な器官です。流れている血液の量は、単位面積あたりでは脳の血流量の23倍にもなるとされます。

血流が悪いと全身にさまざまな病気を招くのはいうまでもありません。目にも不調が現れるのは当然のことです。実際、白内障になった患者さんの眼底の毛細血管を観察すると、血液はドロドロしていて血流が著しく悪い場合が少なくありません。

私は30年以上に及ぶ診療経験により、生活習慣を改善し、目の毛細血管の血流を徹底的によくすることこそが白内障など目の病気の改善に役立つと感じています。

実際、患者さんには目の血流を促す指導をしたところ、3000人以上が白内障をはじめとする目の病気が改善しています。具体的には、私は患者さんに食事や運動、睡眠など生活全般にわたって細かい指導を行いますが、実行してもらうと多くの人の症状は快方に向かい、劇的によくなる場合も少なくありません。

そして、その生活指導の中でも特に役立つと考えているのが、「目の濁り取り歩き」です。

目の毛細血管の血流がアップし視神経も活性化!

目の濁り取り歩きの基本は、1日に1万3000歩をゆっくり歩くというもの。最初は、その歩数が歩けなくても、1万3000歩を目標にして毎日少しずつ歩数を増やしてください。

Cataract-improvement movement.jpg毎日よく歩くと、衰えていた目の毛細血管が活性化して血流がどんどん増えると考えられます。すると、目のあらゆる部位に酸素や栄養が行き渡ってたまっていた老廃物が排出されて、視神経や網膜の細胞も活性化します。

1日1万3000歩というと大変に思う人もいるかもしれませんが、続けると慣れますので大丈夫です。ゆっくり歩いてください。
また、白内障は紫外線を極力浴びないことが重要ですので、目の濁り取り歩きをするさいは、日陰を歩いたり、帽子やサングラスをしたりするなど紫外線対策を万全にしてください。

あまり歩けない人は、イスに座って行う目の濁り取り足踏みがおすすめ

目の濁り取り歩きのやり方について解説していきます。
私自身は、早朝と昼食後、夕食前の3回に分けて4300歩程度ずつ歩く方法をおすすめしています。

歩数だけを聞くと多く感じるかもしれませんが、例えば歩幅が70センチの人の場合、単純計算すると、1回につき約3キロをゆっくり歩くだけで達成できるのです。
もっとも、体が興奮して寝つきが悪くなるのを防ぐために夕食後はさけましょう。

また、目標が高すぎると続かないので、難しければ1日1万歩が目標でもいいと思います。それでも目標歩数が達成できない人、腰痛やひざ痛であまり歩けない人はこれから紹介する「目の濁り取り足踏み」を行ってください。

やり方は簡単です。イスに座って、左右の足を交互に上げては下ろす足踏みをするだけです。
ひざ関節がゆるやかに動くイメージで、リズミカルに行います。足を高く上げすぎたり、一度にたくさんやりすぎたりすると、腰痛を引き起こす場合もあるので注意してください。

目の濁り取り足踏みを行って歩数を補い、1万3000歩をめざしてみましょう。ただし、目の濁り取り足踏みも続けるのが大変な人は、目安として片足につき10〜20回を1セットとして、1度につき2セット程度を1日に最低でも3〜4回行ってみてください。

白内障の予防には目の毛細血管を促す食事も重要

目の濁り取り足踏みを患者さんが習慣にすると、目の病気が顕著に改善します。
白内障をはじめ緑内障や糖尿病網膜症、加齢変性変性症などが、3カ月もすると好転する例を私は何度も目の当たりにしてきました。

ただし、目の病気の改善において1万3000歩歩く目の濁り取り歩きと同じくらい重要になのが、食生活の改善です。毎日の食事は目の毛細血管の血流アップと大きく関係しているのです。
私が行っている食事指導は単純明快。少食を心がけて主食と副食の割合は5対5、特に玄米と野菜、海藻を中心にした玄米菜食を実践してもらいます。
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つまり、白内障などを目の局所の病気としてとらえずに、全身の健康状態を改善して治していく病気と考えることが肝心なのです。

白内障の視力が改善し手術も回避できた

実際に目の濁り取り歩きを行って、白内障が改善した患者さんの体験を紹介しましょう(以下は、2015年にわかさ夢MOOK15『目の濁り取り速攻クリニック]』で紹介されたものをウェブ用に再編集したものです)。

谷山省吾さん(仮名・55歳)は、49歳のときに視力低下が早く進むタイプの白内障を発症しました。

その1年後、私のもとに初めて訪れたときの谷山さんの視力は右目が0.5、左目が0.4でした。仕事や日常生活で不便なため、ほかの病院では手術をすすめられたものの、なかなか踏み切れなかったそうです。

当時の谷山さんは、夜遅くまでパソコンを使って仕事しており、常に睡眠不足でストレスを抱えていました。さらに、暴飲暴食で食事をとる時間も不規則だったため、数年で体重が10キロも増えたのです。

私は、適切な治療に加えて、谷山さんに目の濁り取り歩きと食生活の改善を指導しました。谷山さんは、もともとダンスを習っていたこともあり、運動すること自体は大好きだったため熱心に歩いてくれました。1日数回に分けて徐々に歩数を増やしていき、数カ月後には毎日1万3000歩を歩いたのです。

また、食事は野菜中心にして間食を控え、水分を積極的にとって夜10時に寝るようにしました。すると、水晶体の濁りの進行が止まり、日を追うごとに目のかすみがなくなってきました。1年後には、両目の視力が1.0まで改善したのです。もちろん、白内障の手術を回避できました。

そのうえ、クシャミや鼻水、鼻づまりなどのアレルギー症状や、息切れ、めまい、耳鳴り、首こり、肩こり、手足の冷えや痛み・しびれ、ほてり、むくみなど、来院当初にあった不定愁訴(原因不明の体調不良)のほとんどが消えていたのです。
今では来院当初よりも10キロやせて、存分にダンスを楽しんでいます。
白内障の心配がある人は、眼科医の治療とともに目の濁り取り歩きを実践してみてください。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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