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寝ている間にやせる!3万人がヤセ体質に一変した肥満外来推奨の【337睡眠】ダイエット
左藤桂子
ダイエット中のみなさん、「ヤセ体質」になりたくありませんか??
ヤセ体質とは、文字通り「やせやすい体質」のこと。やせやすい体質になると、太りにくくなるためにリバウンドを防ぐのにも役立ちます。
実は、眠り方を変えればヤセ体質になりやすいとわかってきました。その眠り方とは、「337睡眠」。ダイエット専門医が推奨する眠り方です。
左藤桂子先生にお話をお聞きしました。
ヤセ体質になる鍵は「質のいい睡眠」にある
気になるおなか太りを改善し、効率よく体重を減らすには脂肪が燃えやすい「ヤセ体質」になることがとても重要です。
実をいえば、ヤセ体質になるのはとても簡単。例えば、眠り方を変えるだけでもやせやすくなります。
実際、私は肥満外来の医師として、これまで3万人以上の肥満の悩みを抱えた患者さんを診察してきました。その中で、質のいい睡眠を指導したところ、食事制限をしなくても1年で10キロ程度やせた人が続出したのです。
そのため、私はヤセ体質になるためのカギが「質のいい睡眠」にあるのではないかと考えました。では、ヤセ体質に導く質のいい睡眠をとるにはどうしたらいいのでしょうか。その前に、まずは睡眠とヤセ体質の関係から説明していきます。
質のいい睡眠で分泌される成長ホルモンが、ヤセ体質に導く
私たちは、寝ている間に脳下垂体という器官から、成長ホルモンが分泌されます。
成長ホルモンは、筋肉や肌細胞などを増強・修復したり、代謝(体内で起こるエネルギー反応)を促したりする重要な働きをしている物質です。
成長ホルモンは、若いときほどではありませんが中高年になっても分泌されます。疲労回復や肌などの組織の若返りに役立つことから、最近は「若返りホルモン」とも呼ばれているので、ご存じの人も多いでしょう。
なんといっても、注目すべきなのは成長ホルモンのダイエット作用。成長ホルモンが十分に分泌されれば、脂肪の代謝が促されるため、やせやすくなるのです。
成長ホルモンが脂肪を分解し、1年で15キロ減!
成長ホルモンには強力な脂肪分解力があり、ひと晩の分泌量で約300キロカロリー(ご飯1.5杯分、食パン2枚分)の脂肪を分解し、燃焼させるといわれています。
単純計算で、これがもし1カ月続けば燃やされる脂肪は約9000キロカロリーになり、体重に換算すると1.25キロ、12カ月(1年)で15キロ相当になります。
つまり、誤解をおそれずにいうなら、成長ホルモンがきちんと分泌されていれば1年で15キロやせる可能性もあるのです。
ただし、眠り方が悪いと成長ホルモンが分泌されにくくなるため、ヤセ体質にはなれません。
睡眠時間が短かったり眠りが浅かったりする場合には、睡眠の質がいい場合と比べて、成長ホルモンの分泌量が30%程度まで減るとわかっています。
こうなると、単純計算で一晩当たりの脂肪燃焼量がかなり減って、体重が落ちないばかりか増える可能性があります。
そこでみなさんにおすすめしたいのが、「337睡眠」です。
成長ホルモンの分泌を促す【337睡眠】のやり方
眠りはじめの3時間は続けて眠ろう
337睡眠という名称の最初の「3」は、「眠りはじめの3時間は続けて眠ること」を表しています。
成長ホルモンは、眠り出した直後の3時間にまとめて分泌され、そのはほとんど分泌されないことがわかっています。
眠りはじめの3時間は途中で起きることなく眠りつづけましょう。
午前3時までに熟睡しよう
337の真ん中の3は、「午前3時までに熟睡していること」を表しています。成長ホルモンは、午後10時から午前3時までの間に最も分泌されやすいことがわかっているからです。
加えて、成長ホルモンは眠りが深いほど分泌量も増えますが、午前3時は私たちが最も眠りやすい時間帯でもあります。つまり、午前3時までに熟睡すれば、成長ホルモンの十分な分泌に間に合うというわけです。
毎日合計7時間は寝よう
最後の「7」は、「1日に合計7時間は眠ること」を表しています。
米国コロンビア大学の調査では、睡眠時間が7時間の人に比べて、睡眠時間が5時間の人は肥満率が52%、4時間の人は73%も高くなっていました。睡眠時間が短くなると、太りやすくなることがわかったのです。
こうした調査はほかにもあり、やはり睡眠時間を十分に確保することは、ヤセ体質になる上で欠かせないとわかります。
ヤセ体質になれる337睡眠まとめ
337睡眠、おさらいします。
・眠りはじめの3時間は続けて眠ること
・午前3時までに眠ること
・1日合計7時間以上は眠ること
覚えていただけましたでしょうか。この337睡眠を身につけることが、ヤセ体質になる第一歩です。
体重がなかなか減らない人、下腹太りに悩んでいる人はぜひ337睡眠を毎日の習慣にしてみてください。
また、ダイエットに挑戦するもいつも失敗続きの人がまわりにいらっしゃるなら、ぜひその方に教えてあげてください。
記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。
写真/© Fotolia ©カラダネ
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