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食品に潜む「隠れ塩分」に要注意!腎臓を傷める食品リスト一覧

解説 日本医科大学名誉教授
飯野靖彦

厚生労働省が発表した「平成28年国民健康・栄養調査結果の概要」によると、成人の1日当たりの塩分平均摂取量は男性で10.8グラム・女性で9.2グラムと報告されています。

厚生労働省は、成人の1日当たりの食塩相当量の目標値を男性で8.0グラム・女性で7.5グラムに設定しているので、ふだんの生活の中でいかに摂取量が多いのかがわかります。

気をつけていても知らず知らずのうちに塩分摂取量が増えることもあります。今回は、慢性腎臓病(CKD)の方々のために、食品に潜む隠れ塩分について、日本医科大学名誉教授の飯野靖彦先生に話をお聞きしました。

慢性腎臓病の疑いがある方は、腎臓内科、内科、泌尿器科などで診てもらうことが大切です。おそらく、専門医から食事の指導があるかと思いますが、その指導を守りつつ、記事を参考に隠れ塩分対策にも取り組んでみてください。

腎臓を傷めない塩分量は1日3〜6グラム

ふだんの食生活は、塩分と水分の排出を管理する腎臓に大きな影響を与えます。特に、塩分のとりすぎは腎臓に負担をかけるだけでなく、高血圧を招いて腎臓の血管を傷める原因にもなります。ですから、腎機能の低下を防ぐには、まず塩分の摂取量を考える必要があります。

厚生労働省は、成人の1日当たりの食塩相当量の目標値を男性で8.0グラム・女性で7.5グラムに設定していますが、これはあくまで健常な方を対象にしています。腎機能を守るためには、1日当たりの塩分摂取量を3〜6グラムに抑えるのが適切です。

意外な食材に潜む隠れ塩分

塩分の量を適切に保つためには、まず自分がふだん食べている食品の塩分量を知るのが先決です。意外な食品に多くの塩分が入っていることに驚くと思います。

例えば、食パンなどは塩分とは無縁のようですが、意外と塩分が含まれています。さらに、体によさそうな魚のすり身や、和食のつけ合わせの漬物など毎日の食生活の中でそれほど気にせず食べているものでも、多くの塩分を含んでいます。

調理が手軽な肉の加工品なども塩分が多く含まれるので注意が必要です。また、調味料にも塩分が多く含まれています。

隠れ塩分に注意すべき食品リスト

●魚のすり身・練り製品
・ちくわ(1本・60グラム)→塩分量1.6グラム
・かまぼこ(ひと切れ・10グラム)→塩分量0.3グラム
・魚肉ソーセージ(1本・90グラム)→塩分量1.9グラム

●肉の加工品
・ハム(1枚・20グラム)→塩分量0.5グラム
・ウインナー(1本・20グラム)→塩分量0.4グラム
・ベーコン(1枚・20グラム)→塩分量0.4グラム

●漬物
・ザーサイ(10グラム)→塩分量1.1グラム
・梅干し(1個・10グラム)→塩分量2.2グラム
・たくあん(ひと切れ・10グラム)→塩分量0.4グラム

●パン
・食パン(6枚切り1枚・60グラム)→塩分量0.8グラム
・ロールパン(2個・60グラム)→塩分量0.8グラム
・フランスパン(1/4本・60グラム)→塩分量1.0グラム

●調味料
・合成だし(1グラム・味噌汁1杯分)→塩分量0.4グラム
・ポン酢(小さじ)→塩分量0.5グラム
・コンソメ(1個)→塩分量2.5グラム

調味料を減らす!減塩アイデア
❶酸味を加える
焼き物・和え物・サラダには、レモン・すだち・ゆずなどの柑橘類、それに酢を使えば味が引き締まり、塩分も少量ですむ。
❷スパイスやハーブを使う
洋風料理にはニンニク・各種ハーブスパイス、和風料理にはシソ・ショウガ・ミョウガ・ミツバなどの香味野菜で薄味を補う。
❸だしのうまみを利かせる
煮物やスープでは、昆布・シイタケ・鰹節・煮干しを多めに使ってだしをきかせると、コクが出て醤油や塩を減らせる。
❹香ばしさや食感を出す
料理の仕上げにオリーブ油やゴマ油などを少量加えたり、ナッツ類やゴマをトッピングしたりすると、風味や歯ざわりがよくなる。

加工食品の食塩相当量を知る方法

加工食品の塩分量は、パッケージの栄養成分表示を見て確かめてください。

ただし、塩分量の記載が「ナトリウム(ミリグラム)」になっている場合は、下の変換式に当てはめれば、ナトリウム量から食塩相当量を割り出せます。ナトリウム量の表示が「グラム」なら2.45倍で計算すれば、おおよその食塩量がわかるので覚えておくといいでしょう。
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記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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