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【食べる米ぬか】期待できる健康作用とは?美肌やダイエット、便秘、物忘れ対策に

解説 カラダネ編集部

食べる米ぬか、テレビで放映されたこともあって静かにブームです。なぜなら、食べる米ぬかには実に多彩な健康作用が期待できるから。
まずは、「米ぬかを食べる」という点に疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
大丈夫です。炒って食べます。
香ばしくておいしいのが特徴です。

食べる米ぬかに含まれる主な栄養と、その栄養から期待できる働きを調べました。

米ぬかとは?食べる米ぬかとは?多い栄養とは?

米ぬかとは、玄米の果皮や胚芽のこと

そもそも米ぬかとは何か?
知らない方がいらっしゃるかもしれません。

米ぬかとは、玄米から白米に精米したときに出る、はがされた果皮や胚芽などの部分のこと(くわしくは下のコラムを参照)。
米ぬかというと、漬物を漬けるぬか床に使うイメージが強いのですが、昔は洗剤代わりや美肌パックにも使われていました。また、油を搾り取ったり、畑仕事の肥料にしたりもしていたそうです。

食べる米ぬかは、こうした米ぬかを炒って食べられるようにした手作り食品です。

米ぬかコラム①

s_ Rice bran1.jpg稲についているる籾(もみ)から、籾殻を取り去ったのが玄米。玄米は果皮、種皮、糊粉層に覆われており、これらの層と胚芽を削り取った(精米)ものが白米(精白米)。
米ヌカは、この精米の工程ではがされた果皮、種皮、糊粉層、胚芽のこと。食べられることは今まで少なかった。

あらゆる栄養素をバランスよく含む。注目の栄養も!

米ぬかには、たんぱく質や糖質、脂質、食物繊維、ビタミン・ミネラルといった栄養素が豊富で、しかもバランスよく含まれています。中でも、
●フェルラ酸
ギャバ(GABA、正式名はγ-アミノ酪酸)
●ビタミンB群
●食物繊維
といった成分には特に注目すべき働きがあります。いったいどんな働きでしょうか

米ぬかコラム②
s_ Rice bran2.jpg米ぬかには栄養成分が多く、それが健康作りに役立つことは、昔の人が考えた「漢字」からも見受けられます。
「ぬか」は漢字で「糠」と書きますが、これは米偏に健康の「康」を加えたもの。つまり、米(コメ)の健康作用(と栄養成分)は「糠(ぬか)」にあると考えられていたようです。
精米して米ぬかを取った状態、つまり健康作用が取られた状態が、普通の米(白米)になるというわけです(実際には、白米にも栄養はありますのでご安心ください)。

特に注目はフェルラ酸

フェルラ酸は、米ぬか特有のポリフェノール(色素成分)の一種です。
ちなみに、米ぬかは、ガンマオリザノールという栄養も有名ですが、フェルラ酸はこのガンマオリザノールから抽出される物質です。

フェルラ酸は、米ぬかがついたままの玄米や発芽玄米には含まれていますが、精米した白米には含まれていません。
フェルラ酸が注目を集めている、期待されている働きは主に2つ。1つは肌への働き、2つめは脳への働きです。順番に解説しましょう。

メラニン色素の生成を抑えて、シミやくすみを防ぐ

Whitening effect.jpgフェルラ酸は、肌のシミの元となるメラニン色素の生成を抑える働きがあるとされています。そのため、最近では、美肌化粧品の原材料として配合されるようになってきました。
シミやくすみ、もちろんシワも含めて、美肌になりたいという方には注目の成分といえます。

アルツハイマーを招く[アミロイドβ]を防ぐ

米ぬかに多いフェルラ酸には、アルツハイマー型認知症(以下、アルツハイマーと略す)の原因といわれているアミロイド(異常なたんぱく質)の沈着を抑える働きがあるといいます。
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そもそもアルツハイマーは、大脳皮質(脳の最も外側の部分で前頭葉・頭頂葉・後頭葉・側頭葉からなる)や海馬などにアミロイドβが沈着・蓄積して起こるとされています。
フェルラ酸は、アミロイドβを不安定にして凝集できなくする働きがあります。このことを実験で突き止めたのは、金沢大学教授の山田正巳博士です。

その後に行われた、名城大学農学部と大手食品メーカーによる実験では、マウスの脳内にアミロイドβを注入してアルツハイマーのマウスを作り、フェルラ酸の作用を調べています。
その結果、フェルラ酸を与えたマウスは、与えなかったマウスに比べて、脳の神経細胞が正常に保たれ、記憶力や学習力が低下しにくいことがわかったそうです。

最近では米ぬかのフェルラ酸を抽出した食品が医療機関で使われ、アルツハイマーの治療に役立ったという報告もされるようになってきました。

ギャバやビタミンB群も注目の的

食べる米ぬかにはギャバが多く含まれています。

ギャバは、アミノ酸の一つ。脳の神経細胞の新陳代謝を活発にする働きがあり、記憶障害が改善されて認知症の予防・改善に役立つと期待されています。
また、自律神経の乱れを整える働きも期待でき、自律神経失調症の人もぜひとりたい栄養といえるでしょう。

さらに、米ぬかにはビタミンB群も豊富です。例えば、ビタミンは100グラム中2.5ミリグラムで、含有量が多いといわれるゴマ(100グラム中、約1ミリグラム)や豚肉(同0.6〜1.22ミリグラム)よりも多いのです。

ビタミンB群は、神経と関係の深いビタミンで、ビタミンB1には中枢神経や神経を正常に保つ働きがあり、ビタミンB6はギャバをはじめとする神経伝達物質の合成に役立ちます。
また抗酸化作用が強く、動脈硬化を防ぐビタミンEが多いのも米ぬかの特徴の一つです。

不溶性の食物繊維が多い

Nutrition and effect of avocado1.jpg当然のことながら、食物繊維も豊富です。特に水には溶けない不溶性の食物繊維が多く、便秘の改善に役立つとされています。
最近になって、腸は全身の若さを担う重要な臓器であるとわかってきており、脳の働きとも深くつながっているそうです。さらに、腸内で善玉菌が優勢になるため、脂肪が燃えやすくなります。

つまり、便秘や物忘れ、おなか太りなどで悩む人にもこの食べる米ぬかはおすすめの食品というわけです。

食べる米ぬかの「作り方」と「期待できる働き」まとめ

食べる米ぬかは、市販の米ぬかから手作りすることができます。
Rice bran.jpg市販の米ぬかには2種類あります。一つは「漬物用」。もう一つは「いりぬか」です。
必ず「いりぬか」を購入し、フライパンで7〜8分空炒りしたら完成です。

また、市販の米ぬかは、必ず有機農法か低農薬のものを選んでください。
食べる米ぬかの手作り法と活用法は下記の関連記事をごらんください。

いかがでしたでしょうか。食べる米ぬかは、非常に高栄養で、期待できる作用も多彩です。便秘や美肌、ダイエット、物忘れ、認知症などの対策に試してみてください。

最後に食べる米ぬかは、あくまでも食品ですので食べただけで体の不調が治るわけではありません。体に不調がある方は、専門医の治療を受けた
上で、食べる米ぬかを日々の食事の中で取り入れることが何より肝心です。
また、食べる米ぬかをとって体に合わないと感じた人は、必ず食べるのを控えてください。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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