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ノビレチンだけじゃない!【シークワーサーの栄養と働き】〜老けや疲労を気にする人に〜
シークワーサーの栄養で特に注目されているのがノビレチン。ノビレチンはポリフェノール(色素や苦みの成分)の一種です。
とはいえ、シークワーサーがすごいのはノビレチンだけではありません!栄養学の専門家で横浜創英短期大学名誉教授の則岡孝子先生に話を聞きました。
シークワーサーはあくまでも食品ですので「食べれば体の不調がよくなる」ということはありません。食事の中で上手に取り入れることで、健康維持をめざしてください。
抗酸化力の強いビタミンCが、老化予防に役立つ
シークワーサーの直径はわずか3~4センチと、柑橘類の中では小さな果物です。でも、その小ささからは想像できないほど、たくさんの栄養を秘めているのです。
ノビレチン以外にどのような栄養が含まれているのでしょうか。
「ビタミンCやクエン酸、ビタミンB群、カリウム、レシチン、リモネンなど。それぞれの働きについて見ていきましょう」(則岡先生)
●ビタミンC……さまざまな作用がありますが、特に活性酸素(攻撃力の強い酸素)を消す働き(抗酸化力)が強い点が知られます。体内で大量に発生した活性酸素を消すことができれば、老化予防に役立つとされます。
また、強力な美白作用も注目されています。
活性酸素は、呼吸によって体内に取り込んだ酸素が変化したもので、もともとは体内で細菌やウイルスを撃退する役目をしています。ところが、増えすぎると正常な細胞まで攻撃(酸化)し、傷つけてしまう場合があり、これが老化やあらゆる病気の原因になるとされます。
ダイエットに役立つビタミンB群も含む
●ビタミンB群……体内でエネルギーを生み出すのに欠かせない栄養素、それがビタミンB群です。
ほかにも神経の働きを正常に保つ、糖質や脂質を分解してダイエットに役立つなどの働きがあります。ビタミンB1やビタミンB2など数種あり、単体では作用を発揮しにくいビタミンB群ですが、シークワーサーには複数が含まれています。複数の成分がお互いが助け合いながら働きます。
食品成分表2016によると、シークワーサーには、ビタミンB12とビオチン以外の6種が含まれています。
レモンよりクエン酸が多い。疲れやすい人に
●クエン酸……シークワーサーの酸味成分で、体内でエネルギーを生み出し疲労回復にも役立つことが知られています。
クエン酸というと、レモンなどにも多く含まれていることで知られますが、下記のグラフのようにシークワーサーの方が断然豊富です。
体内のクエン酸サイクルを活気づけると考えられています。
カリウムやレシチン、リモネンも含まれる
●カリウム……体内で余分な塩分を排出し、降圧作用に役立つ。血管を若々しく保つのにも役立つとされます。
●レシチン……脳の神経伝達物質の材料になるとされます。脳の若さを保つのに役立つとされます。
●リモネン……シークワーサーには数種類の精油成分が含まれます。中でもさわやかな香りのもとになっているのがリモネン。リモネンは、ストレスの解消や食欲増進、ダイエットにも役立つとされています。
シークワーサーの栄養まとめ
いかがでしょうか。上記の則岡先生の解説でシークワーサーにはノビレチン以外にも多彩な成分が含まれていることがおわかりいただけたでしょう。
シークワーサーはもちろん薬ではないため効果はありませんが、普段から食事に取り入れることで、健康づくりに役立つ可能性はあります。とはいえ、そうした期待よりも、何よりおいしいことがおすすめしたい点です。
生のシークワーサー、皮も実もたっぷり入った100%ジュースなど、食事の中でぜひお試しください。
最近では、沖縄シークワーサーをブランド化して売り出そうとする動きもあり、今後はますます目が離せないフルーツとなるはずです。
記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。
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