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【O脚】がよくなる歩き方を専門医考案。【足の親指テープ歩き】で重症例が回復

解説 ヒロ整形クリニック院長
勝野 浩

両足をそろえて立つと、両ひざの間にすき間ができる……こうなると細身のジーンズなどは足のラインがもろに出てカッコ悪いので、はきたくありませんよね。もちろん、ひざ丈のスカートなんてもってのほかです。

O脚は女性にも男性にも多いのですが、やはり見た目を気にする女性のほうが悩みは深刻です。
でも安心してください。O脚は歩き方を変えるだけで、治せる場合が多いといいます。整形外科の専門医、勝野浩先生に話を聞きました。

先生は、O脚が改善すると、ひざ痛も短期間で軽快する人も少なくないと話します。
膝痛に悩んでいる方は、医師の治療に加え、O脚の矯正を行ってみてはいかがでしょうか。

両ひざ間に指幅3本分!これが「立派なO脚」

O脚とは足の変形の一種で、直立したときに両足が外側(小指側)に湾曲し、両ひざが互いにくっつかない状態をいいます。正面から見ると、両ひざの間が開いてアルファベットのOの字に見えることから、このように呼ばれています。
O脚3.jpg
あなたがO脚かどうかは、自己診断できます。
両足をしっかり閉じて
(左右の親指側の面をくっつけて)立ってみてください。このとき、両ひざの間に手の指幅3本分以上のすきまがあれば、立派なO脚といえます。
とはいえ、指幅2本分でも放置していいわけではありません。放置すると、徐々に悪化していくのですから。

O脚になるとひざ痛を招く?
O脚の人は、足の小指側に重心がかかる外側重心になって、立つ・歩くなどの動作でひざの内側に大きな負担がかかるようになります。すると、ひざの内側の軟骨がすり減ってひざ痛が起こりやすくなるのです。
放置すると、立ったり歩いたりしたときにひざを外に開く力がかかりつづけるため、O脚の程度もどんどんひどくなり、ひざ痛は悪化の一途をたどります。
実際、ひざ痛の人の大多数にO脚が認められています。

現代人は歩くとき、重心が外側に寄っている

O脚の原因はさまざま。代表的なものを紹介します。
●着席時に足を組む人
足を組むのはたいていは、同じ側の足のはずです。こうなると足が変形し、体全体もゆがんでO脚を招きます。
●運動不足
運動不足の人は、筋力の低下に加えて、足の内側(親指側)と外側(小指側)の筋肉バランスが悪くなり、やがてO脚を招きます。
●歩き方が悪い
私は、これが一番の問題だと思っています。具体的にいうと、現代人の多くは歩くときの重心の位置が足の外側に寄っているのです。すると、どうしても足が外側に湾曲してO脚を招きます。

O脚を正すには外側重心を内側重心に

O脚を正すには、まずはふだんの歩き方を改めてください。
体重を足の内側にかける内側重心にすることです。

とはいえ、長年続けてきた習慣を変えるのは難しい人も多いでしょう。そんな人におすすめしたいのが、足の親指に伸縮する粘着テープをはって行う「親指テープ歩き」です。
原理は簡単で、親指にテープをはるとその部分に自然と意識が向き、内側重心で歩けるようになります。

親指テープ歩きを行えば、足の内側の筋肉が強まって左右の足のひざ頭どうしが近づき、やがてO脚が正されていきます。
実際に私は親指テープ歩きを患者さんにすすめていますが、O脚が改善する人が続出しています。O脚が改善すると、ひざ痛も短期間で軽快する人が少なくありません。

親指テープ歩きのやり方

s_O脚.jpg具体的なやり方を紹介しましょう。簡単です。
まず、足の親指のつけ根のくびれたところに、キネシオテープ(伸縮タイプの粘着テープ)を軽く巻きつけます。
テープを巻くと、違和感があるために意識が向いて親指で地面をしっかり踏みしめて、蹴り出せようになります。つまり、重心が親指側にかかるようになり、自然に親指重心の歩き方が身につくのです。

キネシオテープは、薬局やドラッグストアで購入できます。もし、キネシオテープがなければ、手元にある絆創膏で代用してもいいでしょう。

巻く回数はひと巻きで十分ですが、二重に巻いてもかまいません。ただし、きつく巻くと血流が滞るので注意してください。

歩くさいの姿勢とは?
背すじを伸ばし、かかとから着地してでけり出すことを意識しましょう。
ファッションモデルのように一直線上を歩くのではなく、ひざの延長線上に2本の線を思い描いてその上を歩くようなイメージで行うことも大切です。
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すると、関節・ひざ関節・足首関節が常に一直線に並ぶようになって、ひざに無理な負担がかからなくなります。

親指テープ歩きは、1日20分ほど行うことをおすすめします。
1週間程度で太ももの筋力が回復し、O脚が正されていくでしょう。親指のテープは歩くとき以外もつけていてかまいませんが、朝起きたときに巻き、夜寝る前にはずすようにしてください。

ひざの専門医がいる整形外科でも、保存療法としてO脚の矯正は大変重要視されています。
実際に、そうした整形外科では、親指重心の歩き方の指導を要手術の患者さんの保存療法(手術以外の治療法)にも取り入れ、多数の改善例のあることが報告されています。

記事にあるセルフケアは安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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