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年末年始は注意?【胆石】の激痛や不快感の予防に「酢ショウガ」がおすすめ

解説 イシハラクリニック副院長
石原新菜

12月に入って数日たちましたね。
年末年始は、飲み過ぎ食べ過ぎの季節。胆石症と診断され、まだ石が体内に残っている方はぜひ注意してください。脂っこいものなどを食べることが多く、急に胆石症を発症する危険もあるからです。
また、年末年始は急に痛みを発症しても病院が休みの場合も多く、対応に苦慮する場合が見受けられます。

胆石症の予防にぜひ常食していただきたい食品があります。それは、「酢ショウガ」です。
ちなみに、酢ショウガはイシハラクリニック副院長の石原新菜先生が提唱され、2016年に一大ブームになった手作り常備食です。

胆石予防の酢ショウガの作り方

先にどうしても試していただきたいので、作り方からご説明します。
料理が得意でない人でも、簡単に作れるはずです。

用意するもの

s_酢ショウガ 食材準備.jpg・ショウガ(生姜)…200グラム(根ショウガ、もしくは新ショウガ)
・酢(穀物酢)…200〜300ミリリットル(ショウガが浸る程度)
・ハチミツ…大さじ1
・ラップ、耐熱容器、密閉できる保存容器

基本の作り方

s_酢ショウガ 基本の作り方.jpgショウガをよく洗い、皮をむかずにみじん切りにする。スライスしたあと細切りにしてから行うとやりやすい。みじん切りが手軽にできるチョッパーなどを使うとらく。

刻んだショウガを耐熱容器に移し、少量の水を加えたあとラップをして、電子レンジ(600ワット)で1分30秒加熱する。

あら熱が取れたら密閉容器に移し、酢を注ぎ入れる。ショウガがすべて酢に浸るようにする。

ハチミツを加えて全体を軽くかきまぜ、冷蔵庫で1晩漬ければ出来上がり。冷蔵保存で、2〜3週間くらいで食べきる。

なぜ酢ショウガがいいのか

胆石症は、激しい痛みがわき腹からみぞおちにかけて突然起こり、その痛みが右肩から胸・背中にまで広範囲に及んでいくのが特徴です。
その痛みは、強くなったり弱くなったりをくり返しながら、数十分から1時間ほど続きます。

胆石とは、肝臓で作られる胆汁という成分が固まった結石のこと。胆汁とは、肝臓で作られ、胆嚢(たんのう)で濃縮される消化液で、文字通り、脂肪の消化を助ける働きをします。
胆汁の材料となるのは、胆汁の中に溶け込んでいる悪玉(LDL)コレステロールです。これが過剰になると、胆汁の中で結晶化して胆石(コレステロール胆石)となってしまいます。

つまり、胆石を防ぐには血液中に増えすぎた悪玉コレステロールを減らすことが肝心なのです。そして、悪玉コレステロールを減らす食品としておすすめしたいのが「酢ショウガ」です。

LDLを減らして体温をアップし、胆石を防ぐ

酢ショウガが悪玉コレステロールを減らすしくみは、酢とショウガの成分の相乗作用によるものです。

ショウガの辛み成分であるジンゲロール(加熱されるとショウガオールやジンゲロンに変化する)には、血管を拡張させて血流を改善する作用があります。ショウガが、冷え症改善の切り札といわれるのも、血流を促進して体温をアップする作用に優れているためです。

体温が1度C上がると基礎代謝(生命活動に必要な最低限のエネルギーを消費するしくみ)が12〜15%も上がるといわれ、低体温を一因とするドロドロの血液の改善に、大きく貢献しているのです。

次に、酢に含まれている酢酸は、赤血球の変形能(自由に形を変える能力)を高めて、血小板の凝集能(血液を固まらせる働き)が過剰に働くのを抑える働きがあるとされます。

さらに、酢酸はクエン酸に変化するので、脂肪や糖をエネルギーに変換する化学反応である「クエン酸回路」を活性化する働きが期待できます。酢酸の作用で、クエン酸回路がスムーズに働くようになれば、血液中の過剰な悪玉コレステロールもどんどん消費されていきます。そうなると、相対的に善玉(HDL)コレステロールが増えて、血液の浄化に役立つというわけです。

酢ショウガで胆石が消えた体験

胆石症は、「女性」「比較的元気で、肥満」の方に多いという特徴があります。

私のクリニックに来た市川さん(仮名・81歳)は、肥満こそありませんが、そうした条件にほぼ当てはまっている患者さんでした。長く外資系の企業に勤め、海外勤務もこなしていたというバイタリティーにあふれる女性です。

市川さんは、2008年10月に来院されました。
初診時には、右わき腹に鈍痛も訴えており、みぞおちを触診すると氷のように冷たいのです。東洋医学では、冷えがあると、結石や筋腫といった塊ができやすいと考えるので、右わき腹痛があることを含めて、胆石の可能性があることを伝えました。

すると案の定、その後のエコー検査で1センチ弱の胆石が見つかったのです。ところが、我慢できないほどの痛みではなかったのでしばらく様子を見ることにしました。

私は、市川さんに運動をすること、入浴時には肩までしっかり湯船に浸かること、腹巻きを着用すること、朝はニンジンジュース、昼と夜の食事には、必ず酢ショウガをとってもらうことを指導しました。
その日から、酢ショウガを手作りして食べはじめた市川さん。すると、わずか4カ月で体温が35.8度Cから、36.8度Cまでアップ。そして驚いたことに、胆石も消えていたのです。

胆石が消えるという例は非常にまれかと思いますが、酢ショウガに胆石の発症予防に役立つ可能性があると、私は考えています。ぜひ、胆石がある人は酢ショウガを試してみてください。
もちろん、病院で診てもらうことは忘れないようにしましょう。

記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/©カラダネ © Fotolia 

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