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【口内フローラを改善する対策❷】食前食後の「舌回し」で歯周病・虫歯・口臭・ドライマウスも改善

解説 竹屋町森歯科クリニック院長
森昭

バランスのくずれた口内フローラ(口腔内細菌叢)を整える口腔ケアとして、デンタルフロスを使った歯垢除去がまず大切になります。歯垢の除去についてくわしくは、下の記事をご覧ください。

歯垢除去に加えて大切になるのが、「唾液増やし」です。唾液を増やすことは、食べ物の消化を助けるだけではなく、全身病を防ぐことにつながり、私たちの健康にとって大いにプラスになります。

そんな唾液増やしの方法や、唾液の作用について竹屋町森歯科クリニック院長の森昭先生に話をお聞きしました。

歯周病の疑いがある方は、歯周病科や歯科、口腔外科などを受診することが重要です。そのうえで「唾液増やし」に取り組んでみてください。

唾液こそ口内フローラ改善の万能薬

特に、注目すべきは唾液の殺菌作用です。唾液にはラクトフェリンという糖たんぱく質が含まれており、歯周病菌やウイルス(細菌より小さな病原体)を退ける優れた働きをします。また、ラクトフェリンには免疫力を高める作用があるので、炎症や傷が治りやすくなります。

つまり、唾液がふんだんに分泌されると、悪玉菌の増殖が抑えられ、歯ぐきの炎症や傷の回復が早まり、歯周病菌が血管内に侵入することの阻止につながります。それにより、全身病を未然に防ぐ働きが期待できます。

また、唾液の分泌が増えると口の中が潤い、酸性に傾きがちなpH(水素イオン指数)を中性に戻す中和作用が働きます。口内の悪玉菌は酸性になるほど増えるので、中性を保つと自然に口内フローラのバランスが整えられ、歯周病や虫歯、口臭、ドライマウスの改善に役立つのです。

ちなみに、唾液の中和作用は、水に比べて約1000〜10万倍も強いことが国内の試験で明らかになっています。

道具なし、短時間でできる1分「舌回し」

では、唾液の分泌を増やすためには、どうすればいいのでしょうか。私は、誰でも簡単にできる「1分舌回し」を推奨しています。

1分舌回しは、口を閉じて歯ぐきと唇の間に舌を置き、上下の歯ぐきに沿ってグルグルと動かす運動法です。この1分舌回しを行うと、口の中にある唾液腺が刺激され、唾液が盛んに分泌されます。

舌回しのやり方

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歯ぐきと唇の間に舌を置き、歯ぐきに沿って1周当たり3秒を目安として、右回りと左回りをそれぞれ10回ずつ行ってください。
コツは、舌を根もとから伸ばし、ほおを少しふくらませて、舌先で歯の表面の汚れを落とすように回すことです。

唾液の主な役割

  1. 殺菌作用…唾液に含まれる「ラクトフェリン」が、歯周病菌などの悪玉菌を退ける
  2. pHの調整作用…口内の酸性を中和して、口内フローラを整え、虫歯・口臭・ドライマウスを改善する
  3. 溶解作用
  4. 洗浄作用…唾液の水分で、口内の食べカスや細菌を洗い流す。食後に舌回しを行うのがおすすめ

舌回しを行うタイミングは食前か食後がいいでしょう。食前に行えば、消化が助けられて、吸収がよくなると、満腹感が得られやすくなります。また、食後に行えば、食べカスを唾液で洗い流せる洗浄作用がアップします。

記事にあるセルフケアは安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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