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【専門家が実演】ばね指が改善する「指さすりマッサージ」で痛みが消え手術回避
ばね指の人にぜひ実践していただきたいのが、指さすりマッサージ。 これは、筋膜リリースの一種で自宅にあるバターナイフで実践できます。
ちなみに、ばね指を簡単にいうと腱鞘炎がひどくなった状態といいます。
この記事では、ばね指の痛みを特に和らげる指さすりマッサージのやり方を、治療家の清水真先生に聞きました。清水先生はこれまでたくさんのばね指の患者さんを治療されています。
また、腱鞘炎やばね指といった症状は、必ず整形外科の専門医に一度診てもらうことが重要です。そのうえで、セルフケアの一環で実践してみてください。
ばね指には、腕さすりに加えて指さすりを行おう
ばね指を改善させるマッサージ法は簡単です。まずは、用意するものがあります。
●用意するもの
バターナイフ…縁の部分が角ばっておらず、皮膚を傷つける心配のない丸みをおびたもの。
クリーム…ワセリンやボディオイル、ココナツオイルなど、普段使っているものでかまいません。クリームは、まずは腕に塗って、すべりをよくしてください。
●ばね指を改善するやり方
❶薬指・小指が痛む場合は、ひじから小指にかけてを、親指・人さし指・中指が痛む場合は、ひじから親指にかけてをバターナイフでていねいにさする。慣れてきたら指を動かしながら行う(各10〜20回)。
❷痛みのある指をバターナイフでていねいにさする。慣れてきたら指を曲げたり伸ばしたりしながら行う(各10〜20回)。
やり方を解説した動画もありますので、ぜひご覧ください(なお動画内では「バターナイフ健康法」となっていますが同じやり方です)。
仕事を辞めたほどの重症ばね指が軽快
実際に、私の治療院を訪れた患者さんで、守屋公一さん(55歳)の改善例を紹介します。
守谷さんは、5年ほど前、仕事で重い建築資材を持ったときに指に激痛が走りました。特に右の親指のつけ根が強く痛み、やがてほかの指にも痛みが広がるようになったそうです。
それ以降、守屋さんは茶碗も持てなくなりました。結局、仕事は辞めたそうですが、仕事を辞めて指を酷使しなくなると、指の痛みは軽くなりました。
ところがその後に再就職し、手の指を酷使するようになったところ、前以上に手が痛むようになってしまったのです。
守谷さんは、整形外科でばね指と診断されたそうです。患部に痛み止めの注射をしてもらうと一時的に治まりますが、2日もすると痛みがぶり返します。
そこで、ほかに治療法がないかと思案していたところ、知人から私を紹介されたのです。
私は、筋膜リリース専用の金属の器具で、親指のつけ根部分をさする施術をしました。すると、守屋さんはその直後からスーッと痛みが和らいだそうです。
そこで、私は指さすりマッサージを指導し、守谷さんに自宅でも実践してもらいました。自分で行う場合には、痛みのある親指のつけ根を中心に、バターナイフを使って両方向にさすります。痛みがひどいときは、1日に数回行うようにしていました。
すると、守屋さんの場合は痛みが消えて、今は仕事にも支障がないとか。
現在は、痛みが再発しないように1日1回は指さすりをしています。仕事を辞めたほどの痛みを経験している守谷さんにとって指さすりは「心強いお守りのような存在」と、笑顔で話してくれました。
・記事にあるセルフケアは安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。
・この記事は健康情報誌『わかさ』で2017年に紹介されたものをウェブ用に再編集したものです。
写真/© Fotolia ©カラダネ
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