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股関節痛の人が「立ち上がる」「座る」とき痛みを防ぐコツ【曲げる角度を90度以下に】
股関節痛は、「イスから立つとき」「イスに座るとき」など、関節を曲げ伸ばすときにどうしても痛みが走ります。これは、曲げ伸ばすと股関節に負担がかかるため。
とはいえ、イスに座る・立つといった動作を、生活の中でしないわけにはいきません。
優れた自力対策がないか、整形外科の専門医に話を聞いてきました。股関節痛の人は自力対策だけでなく、医師の治療を受けることを忘れないでください。
股関節痛の人は、股関節の曲げる角度を90度以下に
股関節痛の人は、立つ・座るといった動作の始めに痛みを感じる場合が多々あります。これは、動作時痛と呼ばれるものです。この動作時痛は、イスに座る洋式生活でも少なからず現れます。
そこで、股関節痛の人がイスに座る場合、身長にもよりますが、一般的には座面の高さが床から50センチ以上のイスを使うと股関節にかかる負担がずいぶんと軽くなります。これは、関節を曲げ伸ばす角度が小さくなるためです。
座面の高さが50センチ程度のイスに座れば、ひざの位置が股関節よりも高くならず、股関節の屈曲(足のつけ根をおなかに向けて曲げる動き)の角度は90度以下に抑えられます。
これなら股関節への負担が軽くすむので、痛みはさほど現れません。
とはいえ、イスから立ったり座ったりする行動そのものがなくなるわけではないので、上半身を前かがみにしたさいは股関節の屈曲の角度は90度をゆうに超えます。すると、股関節にかかる負担が大きくなり、動作時痛が起こるのです。
股関節痛が防げる!【立つ座る】のやり方
イスからの立ち座りによる動作時痛を軽減させるには、股関節をできるだけ屈曲させないことがポイント。
具体的には痛みの強い側の足を伸ばし、痛みのない側の足をイスの下に引いて体重をかけ、ひじかけに両手をつきながら立つ座るを実践してください。
やり方にはコツがあります。まずイスに座る場合は浅く座面に腰かけ、そのあとにお尻を引いて座る位置を調整します。次にイスから立つ場合は、座面の前面にお尻を移動させます。深く座った姿勢で立ち上がろうとすると、股関節の屈曲の角度が大きくなるので注意してください。
畳から立ち上がるときに股関節痛を防ぐコツ
日ごろはイスを使った洋式生活を送っていても、冠婚葬祭などで畳に座る機会は意外に多いものです。
畳の上でしゃがんだり、立ち上がったりするときに現れる動作時痛は、両手をついておじぎをし、四つんばいになって行えば軽減できます。
四つんばいの姿勢を取ることによって、上半身の重みを両手で支えられ、股関節に過度な負担をかけることなく、立ち座りができるのです。
このやり方も、股関節をあまり屈曲させないことがポイントになります。腰椎(ようつい。背骨の腰の部分)を支点に上半身を前屈させて畳に手をつけば、股関節の屈曲の角度をゆるやかに保てるでしょう。
記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。
写真/© Fotolia ©カラダネ
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