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【医師解説】アルツハイマー予防には人づきあいが重要。週一ではリスクが1.4倍

解説 阿部メディカルクリニック院長
阿部聡

最近は「一人で外食なんて当たり前」「一人ででもレジャースポットに遊びに行ける」なんていう、一人でなんでも楽しめる人が多いですよね。

一人で楽しめることは決して悪いことではありませんが、一人でなんでも完結する生活をずっと続けていると、将来、アルツハイマー病などの認知症を招く可能性があることをみなさんはご存じでしょうか。

この記事で紹介するのは、人づきあいがもたらす脳への影響です。阿部メディカルクリニック院長の阿部聡先生に話を聞きました。

人づきあいが少ないと認知症リスクが1.5倍増

私たちは、社会とのかかわりや人間関係の中に幸福感や生きがいを見出すことが多いものです。そのため、認知症予防の観点からも、人づきあいの有無はとても大切です。

人づきあいがあれば、必然的に会話をしたり、手紙やメールの文章を考えたり、いろいろな気配りをしたりする機会が増えます。すると、脳のさまざまな領域が刺激され、脳の健康を維持することにつながります。

逆に、人づきあいが少なく閉じこもりがちになると、脳を使う機会も減るので、認知症の危険が一段と高まってしまいます。実際、人づきあいが苦手な人や孤独を好む人は、人づきあいが多い人よりも認知症になりやすいことが、次の研究で確認されています。

日本福祉大学教授の斉藤雅茂博士らは、愛知県内の健康な65歳以上の高齢者約12,000人を対象に、2003年10月から10年間、健康状態について追跡調査を実施しました。
そのさいに、別居している家族・親族や友達と会ったり、手紙・電話・メールのやり取りをしたりした頻度など、人づきあいの状態も調べたのです。

その結果、人との交流が週1回未満の人は、毎日交流している人に比べ、アルツハイマー病など認知症になるリスクが約1.4倍も高かったのです。また、人と交流する頻度が月1回未満と極端に少ない高齢者では、認知症のリスクが約1.5倍に増えることも明らかになりました。

相手と心地いい時間を過ごすコツ

とはいえ、人づきあいが苦手な人にとっては、人と接することがかえってストレスになることも少なくありません。そうした場合、人の話をよく聞くことを心がけてみてください。

人づきあいでは、互いに心地いい時間を共有することが大切です。相槌(あいづち)を打ち、よく相手の話を聞けば、自然にいい時間が共有できます。新しい情報を知ったり、好奇心が刺激されたりして、知らない世界が広がることもあるでしょう。

また、相手のいいところを探し、ほめることも大切です。相手の性格や物腰、服装などを観察し、いいと思う点があったら口に出してほめてみてください。

ほめられれば誰でもうれしいものですし、相手との関係もより良好になります。しかも、相手をよく観察し、いいところを見つけることは、脳を大いに使います。すると脳が活性化して認知症予防にもつながるはずです。

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もちろんアルツハイマー病の予防には、運動に加え適度な食事も重要です。また、物忘れや認知症の可能性があると考えられる場合は、必ず医師に診てもらうようにしてください。

記事にあるセルフケアは安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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