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アルツハイマー予防には便秘対策が重要?乾物ヨーグルトで便をスッキリ出そう

解説 実践女子大学名誉教授
田島 眞

今、便秘で悩んでいる方、多いと思います。
生活習慣が乱れて腸内細菌のバランスが変化すると、悪玉菌が腸内で増えてしまうことがあります。
一説によれば悪玉菌が増えるとアルツハイマー病の発症リスクを上げる可能性があるとか!?

なぜ腸の環境が、脳に影響を与えるのでしょうか。
悪玉菌の性質と、腸内環境をよくするのに役立つ善玉菌を増やすために、「乾物ヨーグルト」の作り方をご紹介します。

腸内細菌は3種に大別できる

私たちが口にした食べ物は、胃で消化・吸収されやすい形に変えられます。
続く小腸では食べ物の栄養分、大腸では食べ物の水分が吸収され、最終的に食べ物のカスが便として排出されます。
こうした一連の消化活動に深くかかわっているのが、大腸にいる腸内細菌でしょう。

腸内細菌は、一般的に善玉菌と悪玉菌、日和見菌の3種に大別されるといいます。善玉菌は私たちにとって有益な働きをするビフィズス菌や乳酸菌で、悪玉菌は大腸菌やウェルシュ菌を指します。悪玉菌は増えすぎると、健康を損なう可能性があります。
日和見菌は、状況によっては善玉菌にも悪玉菌にもなりうる腸内細菌です。

これらは、通常はバランスを保ちつつ、お互いが共存しています。腸内細菌のバランスは、食生活や運動習慣、ストレスの有無などで日々変わります。
平たくいえば、バランスのいい食生活や運動を心がけている人は善玉菌が優勢になり、そうでないと悪玉菌が優勢になるとされます。
善玉菌が優勢な人は、胃腸の働きがよく、口にした食べ物の消化・吸収がしっかり行われます。

腸と脳は深いつながりがある

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ところが、悪玉菌が優勢な人は、食べ物の消化・吸収がうまく行われず、結果的に脳の神経伝達物質の合成にかかわるビタミンB群や鉄分が不足することがあります。
また、悪玉菌が優勢だと、全身に活性酸素 (悪玉の酸素)が増えやすくなります。もしもそうした活性酸素が巡り巡って脳に増えた場合、脳細胞が損傷する可能性もあります。

なぜこんな話をするのかといえば、実際にアルツハイマー病の患者さんを調べたら、腸内に悪玉菌が多かったという研究があるからです。つまり、悪玉菌が多くて便秘の人は、もしかしたらアルツハイマー病のリスクを高めているかもしれないのです。
脳と腸は、ホルモンやサイトカインといった情報伝達物質によって深いつながりがあるとされます。実際、腸は「第二の脳」と呼ばれており、司令塔のような働きもしていると考えられているのです。

アルツハイマー病のリスクを高めているにせよ、もしかしたら関係が全くないにせよ、便秘はほかにも体の不調の原因になっている可能性が指摘されます。
「たかが便秘」と軽くは思わずに、改善の努力を続けていただきたいと思います。

乾物ヨーグルトの作り方

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便秘の改善には、腸の善玉菌を優勢にすることが肝心です。その方法としておすすめなのが、「乾物ヨーグルト」を食べることです。
乾物ヨーグルトとは、切り干し大根などの乾物をプレーンヨーグルトで戻し、そのヨーグルトと一緒に食べる方法。

乾物ヨーグルトを食べれば、ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌が腸の善玉菌を直接増やしてくれます。
一方、乾物に多く含まれる食物繊維が腸の善玉菌のエサになってくれます。そのため、腸の善玉菌増やしに役立つのです。
みなさんも、ぜひ乾物ヨーグルトを試してみてください。

【材料】

・市販のプレーンヨーグルト 150~200グラム
・切り干しダイコンなら10グラム
・干しワカメなら10グラム
・棒寒天なら10グラム
・干しブドウなら75グラム
・ドライマンゴーなら50グラム

【作り方】
①乾物を食べやすい大きさに切り、器に入れる。
②器にプレーンヨーグルトを①にかけてよくまぜ合わせ、ラップをする。
③冷蔵庫に入れて一晩(8時間以上)たったら出来上がり。

乾物ヨーグルトが誰の便秘にもいい結果をもたらすわけではありませんし、アルツハイマー病を防ぐとはっきりわかっているわけではありません。
とはいえ、健康維持に役立つはずですし何よりおいしいので、ぜひ試してみてください。
もちろん、認知症の心配がある人は、まずは必ず脳神経外科や心療内科、精神科、神経内科などを受診することを忘れないでください。

記事にあるセルフケアは安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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