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医師解説【高カカオチョコレート健康法③】骨粗鬆症や冷え症、便秘の予防にも役立つ?

解説 栗原クリニック東京・日本橋院長
栗原 毅

2月はチョコレートの季節。バレンタインもあって、消費量が1年で最も増えます。

カラダネでは、チョコレートの健康作用について記事を掲載しています。チョコレートといっても、ここで述べるのは原料にカカオ分が70%以上含まれた高カカオチョコについて。

高カカオチョコは、骨粗鬆症や認知症、冷え症についても有用な働きが期待できる場合があると医師は述べています。
栗原クリニック東京の栗原毅先生に話を聞きました。

マグネシウムがたっぷり

まず、骨粗鬆症に対しては、高カカオチョコに含まれるミネラル(無機栄養素)が大いに活躍します。

高カカオチョコには、カルシウムやリンとともに、骨を作るのに大切なマグネシウムが356ミリグラム(カカオ豆100グラム中)も含まれています。ストレスが多いと大量に消費されてしまうマグネシウムは、現代人には不足しがちなミネラルです。
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カルシウムと併せてバランスよくとれる高カカオチョコは、とても便利な補給源といえるでしょう。いずれのミネラルも日頃の食事からは摂取しにくく、骨粗鬆症が心配な中高年にも高カカオチョコがおすすめなのです。

認知機能と関連のある物質を増やす

また、高カカオチョコを食べると、血液中にあるBDNF(脳由来神経栄養因子)が上昇するという試験報告があります(下のグラフ参照)。BDNFは、神経細胞の発生や成長、維持や再生を促進する働きがある物質で、記憶や学習などの認知機能との関連があります。
BDNFは、加齢に伴って低下することが知られており、認知機能の目安になります。
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実際に、認知症の診断テストの成績がいい人ほどBDNF値が高いとされます。
チョコを食べるだけでBDNFを増やせるのですから、認知症の予防習慣として役立つ可能性があるのではないでしょうか。

冷え性や肌荒れ、便秘の人にも高カカオチョコを

カカオに関する働きはまだあります。
カカオポリフェノールが含まれるココアを飲んで、季節にかかわらず手足の体表温度が下がりにくくなったという試験結果があり、冷え症対策にも有用です。

さらに、食物繊維が豊富なチョコは、便秘の人にもおすすめです。ある試験の結果でも、食物繊維を多く含んだ高カカオチョコを食べることで、便通の回数が増えました。ほかにも、カカオポリフェノールが肌の角質水分量を保ち、紫外線から体を守るバリアとして働いてくれる可能性があるなど、女性にはうれしい働きが満載です。

しかも、チョコの主な脂肪酸はステアリン酸といって、消化吸収されにくいタイプです。もはや「チョコはダイエットの大敵」というのも、誤解といえるでしょう。実際に先にあげたで行われた試験でも、チョコを食べる量と肥満の度合いを示すBMIには相関関係がないことがわかっています。

高カカオチョコは、老若男女を問わず健康維持に役立つ可能性があるサプリメントのようなものともいえるのです。

もちろん、食べ過ぎは禁物です。また、認知症や骨粗鬆症をはじめ病気を抱えている人は専門医にかかったうえで、健康を維持するお守りのようなものとして、高カカオチョコを食べてみてください。1回5グラムを1日5回に分けて食べるのがおすすめです。

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/©カラダネ © Fotolia

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