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【O脚でひざ痛がある】O脚を矯正する「親指重心歩き」でひざ痛もラクに改善
変形性膝関節症の治療では、運動療法や薬物療法などの保存療法を行うのが一般的です。しかし、そうした治療を続けても病状の悪化を食い止められず、徐々に痛みが強くなってしまう人が少なくありません。保存療法を続けても、ひざ痛が改善しない人は、O(オー)脚に原因があるかもしれません。
まずは、O脚を矯正してひざ痛を改善に導く、ヒロ整形クリニック院長の勝野浩先生が考案した歩き方を紹介します。なぜ、O脚がひざ痛と関係するのか、そのしくみについても、くわしく解説していただきます。
ひざ痛の人は医師の治療を受けることが重要です。そのうえで、セルフケアを実践してください。
親指重心歩きのやり方
親指重心歩きは、足の親指にテープを巻くのが特徴です。一度歩き方を身につければ、簡単に意識して歩けるようになります。
親指重心歩きのやり方
●親指重心歩きの準備(親指にテープを巻く)
絆創膏もしくは伸縮タイプの粘着テープ(キネシオテープなど)を用意し、足の親指のくびれた部分に巻きつける。一巻きで十分だが、取れやすい場合は二重に巻いてもいい。ただし、きつく巻くと血流が滞る場合があるので注意する
※キネシオテープは、薬局やドラッグストアで購入できます。
●親指重心歩き(2直線上を歩く)
背すじを伸ばした正しい姿勢で足をまっすぐ前に出す。ひざの延長線上に2本の線を思い描き、その上を歩く。かかとから着地して、爪先(つまさき)でけり出すことを意識して歩く
※足をまっすぐに出すと、股関節・ひざ関節・足首関節が常に一直線上に並ぶようになり、関節に負担がかからなくなります。
親指重心歩きは、屋内や外で1日20分ほど行うことをおすすめします。ちなみに、親指のテープは、歩くとき以外もつけていてかまいませんが、朝起きたときに巻き、夜寝る前に外すようにしてください。
【知ってますか?】O脚になると、ひざが痛む理由
O脚とは足の変形の一種で、直立したときに両足が外側(小指側)に弯曲(弓形に曲がること)し、両ひざが互いにくっつかない状態をいいます。
正面から見ると、両ひざの間が開いてアルファベットのOの字の形に見えることから、このように呼ばれています。
外側重心になると、ひざに負担がかかる
O脚になると、足の小指側に重心がかかる外側重心になり、立つ・歩くなどの動作でひざの内側に過剰な負担がかかるようになります。すると、ひざの内側の軟骨がすり減り、ひざ痛が起こりやすくなるのです。
その状態を放置すると、立ったり歩いたりしたときにひざを外に開く力がかかりつづけるため、O脚の程度もどんどんひどくなり、ひざ痛は悪化の一途をたどってしまうのです。
「O脚」のセルフチェック
O脚かどうかを自分で判定するには、両足をしっかり閉じて(左右の親指側の面をくっつけて)立ってみてください。このとき、両ひざの間に手の指幅三本以上のすきまがあれば、O脚と推測できます。
実際、ひざ痛に悩む人の大多数にO脚が認められます。特に、女性は男性に比べて筋肉が弱く、O脚を招きやすい傾向があります。なお、O脚は、肥満の人や足組みなどの悪い姿勢が習慣になっている人、運動不足の人に特に多く見られます。
「歩かない」という選択はNG
ひざ痛に悩む人の中には、「痛みが強くて歩けない」といって歩くことを躊躇する声が少なくありません。確かに、ひざが炎症を起こし、熱を持ってジンジン痛むような急性期は安静にするべきです。しかし、必要以上に安静にしていると、太ももの筋肉や腱(けん)などが硬くなってひざ関節を支えられなくなってしまいます。
その結果、ひざにかかる負担が増し、O脚が進んでひざ痛が悪化してしまいます。ですから、急性期を過ぎたら、できるだけ歩いたほうがひざ痛の改善にはいいのです。
親指重心歩きの作用
では、親指重心歩きがなぜO脚の改善、最終的にはひざ痛の改善につながるのか、その理由を説明しましょう。
親指重心歩きでは、親指にテープをはりますが、これがポイントです。テープをはると、それが違和感となって意識が向き、親指で地面をしっかり踏みしめて重心が自然に親指にかかるようになるのです。
親指に重心がかかる歩き方になると、太ももの筋肉が強まり、左右の足のひざ頭どうしが近づいてO脚が正され、膝にかかる負担が軽減していきます。また、歩くときに足にかかる衝撃を和らげる足裏のアーチも回復していく作用も期待できます。その結果、ひざ痛の改善にも大いに役立つのです。
ひざの専門医がいる整形外科でも、保存療法としてO脚の矯正は大変重要視されています。実際に、そうした整形外科では、親指重心の歩き方の指導を要手術の患者さんの保存療法(手術以外の治療法)にも取り入れ、多数の回復例のあることが報告されているのです。
実際に私も親指重心歩きを膝痛の患者さんにすすめていますが、O脚が改善し、軽いひざ痛なら短期間で軽快する人も少なくありません。
記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。
写真/© Fotolia ©カラダネ
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