「大人のぬり絵」ブームや写経、座禅体験などの人気にみられるように、忙しい現代では、心や頭のなかを空っぽにして何かに一心に取り組む時間が求められています。

ゼンタングルは、まさにそんな体験を叶えてくれるもの。名前のとおり、根底にあるのは「禅」の精神や哲学です。人と比べたり、何かに心がとらわれたりせず、「今・ここ」に生きる自分や、周囲に感謝する心を大切にしています。

パターンを一筆一筆、ていねいに描いていく中で、「気づき」を促し、集中力を高めるマインドフルネスの効果があるといわれています。すでにアメリカでは医療分野で評価され、病院や介護施設でのリラクゼーションに活用されているそうです。

ゼンタングルを描くときにまず用意したいのは、

①ホワイトタイル
②黒ペン
③鉛筆
④擦筆（さっぴつ）

この４点です。①は、ゼンタングル社が販売する創作に最適な紙です。適度な厚みと凹凸が描きやすく、裏側には日付・名前を記入するスペースがあります。
インターネットや文具店で購入できますが、もちろん他の用紙でもOK。描きやすいのは、画用紙以上の厚みのある紙です。

ゼンタングルのペンは耐水性のあるものを。太さ0.3ミリがおすすめ

②は、にじまないよう耐水性のあるものを。初めての方には、サクラクレパスのピグマ03番（太さ0.3ミリ）がおすすめです。
③は、HBの濃さがあるとよいでしょう。④は、鉛筆で描いた影をぼかすときに使います。綿棒でもよいのですが、先のとがった擦筆は細かい部分のぼかしに便利です。

それでは、上の動画を見ながら描いてみましょう。

STEP１：きれいに片付けた机に向かって、まずは「感謝」の時間。道具やアートに向き合い、集中するため心を落ち着かせる。

STEP２：まずタイルの四隅に鉛筆で、うっすらと点をつける。

STEP３：鉛筆で四隅の点を薄く軽くつなぐ。枠となる「ボーダー」という線で、真っ直ぐ描く必要はない。のびのびと自由に。

STEP４：枠の中を区切る線「ストリング」を鉛筆で描く。薄く、軽く。初心者は「Z」を描くと取り組みやすい。

STEP５：好きなパターンを選ぶ。黒ペンで、好きな場所から埋めていく。

STEP６：描き終えたらタイルをぐるぐる回して眺める。上下を決めて、好きな場所にイニシャルを記入。

STEP７：裏面に日付とサインを入れる。使用したパターンをメモするのもよい。

STEP８：最後にもう一度「感謝」の時間。描き終わらなければ、別の日に続けてもOK。

ゼンタングルのパターンについて

パターンについては、パターンを紹介しているサイト（英語になります）をご覧いただくか、下記にあるわかさ出版刊行のムック『ゼンタングル 脳活アートブック』（2018年4月25日より全国書店で発売）でも紹介しています。

できあがった作品を見ると、こんなに簡単に描けるんだ！と感動するかと思います。絵心がなくても、細かい作業が苦手でも大丈夫。きっと描き始めたら、いつの間にか集中して「マインドフルネス」の状態になれるはず！

『ゼンタングル 脳活アートブック』では、アメリカで学んだゼンタングル認定講師の著者が、知っておくと便利な用語や、さまざまな図案のパターン、初心者でも真似して簡単に描けるお手本をたくさん紹介します。
「生活のなかでちょっと立ち止まる時間を持ちたい」「新しいアートに興味がある」「私にもできそう」という方、ぜひご一読ください。

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/©カラダネ