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便秘が市販の風邪薬で悪化する人も!? 腸の働きを弱めない成分の薬を選ぼう
解説
新宿大腸クリニック院長 後藤利夫
みなさんは風邪を引いた時、どのように対処していますか?ご自身の判断で、市販のカゼ薬を選び服用している人も多いかと思います。
ところが、便秘に悩む人の場合、市販のカゼ薬で便秘の症状を悪化させてしまうことがあります。便秘の人に市販のカゼ薬をおすすめできない理由を専門医の後藤先生に聞きました。
もちろん、全員が悪化するわけではありません。市販のカゼ薬もとても大事なものです。ただし、薬はよく効く反面、副作用を伴う場合がある点を理解したうえで服用ください。
せき止めに含まれる成分が便秘を招く
私は、便秘で悩む人には、市販の風邪薬を安易に服用することはすすめていません。
市販の風邪薬(総合感冒薬)は、病医院で処方される薬とは違い、発熱・せき・鼻水など、カゼのあらゆる諸症状に作用する成分が含まれています。
その中で、せき止め効果のある「リン酸コデイン」「リン酸ジヒドロコデイン」と「クロルフェニラミンマレイン酸塩」などの抗ヒスタミン系の成分が含まれている薬には、消化器官の働きを鈍くする副作用の出る場合があります。
腸も消化器官の1つなので、これらの成分が含まれた風邪薬を服用すると、腸の働きが抑制され、便秘が悪化するおそれがあるのです。
したがって、もともと便秘の人が風邪薬を使う場合は、せき止め作用のある成分を含む薬を避けて選ぶのが適切です。
もし自分でわからなければ、病医院を受診して腸の働きに影響を与えない風邪薬を医師に処方してもらうようにしましょう。
この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。
写真/© Fotolia
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