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【尿路結石】の痛みはわき腹や下腹部に多発。原因は肉好きで牛乳や果物嫌いの食事?

解説 順天堂大学医学部泌尿器科学講座准教授
磯谷周治

尿路結石症は、人間ドックなどの検査でわかることもありますが、多くは何の前ぶれもなく背中に激烈な疝痛(せんつう。激しい腹痛)が現れ、病院に駆け込んだときにわかる場合が多いといわれます。

そんな疝痛が現れるのは、結石が尿管につまったとき。実は、腎臓の中に結石があるときに自覚症状はありません。
尿路結石の症状や種類など基本的な知識については、本記事下部にある関連記事をご覧ください。
この記事では、尿路結石症の痛みや原因、かかりやすい人について順天堂大学医学部泌尿器科学講座准教授の磯谷周治先生に話をお聞きしました。



結石体質診断シートであなたもセルフチェック

まずは、下の表(結石体質診断シート)を見て、自身に当てはまる項目がいくつあるかお考えください。s_診断シート結石.jpg

チェック数が多ければ多いほど結石ができやすい「結石体質」である可能性があります。

痛む場所は結石の位置によって変わる

尿管に結石がつまると、行き場を失った尿が腎臓に逆流し、腎盂(腎臓と尿管の接続部)の内圧が急上昇します。すると、腎被膜(腎臓を覆っている膜)が緊張したり、尿管がけいれんを起こしたりして疝痛が生じるのです。

ですから、結石のつまった部分ではなく、尿の逆流で内圧が高まった腎臓やその近くの尿管が痛みます。体の部位でいうと背中のところです。s_結石部位.jpg

尿管につまった結石は移動することがあり、それによって痛みが生じる部位も背中→わき腹→下腹部→そけい部と変化します。また、尿管につまった結石が膀胱に落ちると痛みは消失し、尿道でつまると頻尿・排尿障害が現れます。

このように、結石の位置で症状が変化するのが尿路結石症の特徴といえるでしょう。

高齢者の尿路結石も増加している

尿路結石症は、なんの前兆もなく急に起こる病気ですが、かかりやすいタイプ・体質がいくつかあります。
まず、性別でいうと男性のほうがかかりやすく、30〜50代の人に多発します。最近は、60〜70代の患者さんも珍しくありません。女性の場合は、閉経後の更年期から発症しやすくなり、50〜70代の人に多く見られます。

いずれにせよ、男女ともに中高年以降は尿路結石症が起こりやすくなるので、注意しなければなりません。

尿路結石は、肥満・高尿酸血症(痛風)の人ほど要注意‼︎

次に、尿路結石症は肥満と密接なかかわりがあります。尿路結石症の患者さんの肥満率は、男性が約40%、女性が約25%と報告されており、どの年齢層も健康な人に比べて明らかに高いのです。

実際に、メタボリックシンドローム(代謝異常症候群。以下、メタボと略す)の人は、尿路結石症の発症率が2倍になることが判明しています。メタボの人は、食事の内容が偏っているため、脂質異常症や高尿酸血症の発生に伴って結石ができやすいのでしょう。

さらに、アルコール飲料にはシュウ酸やリン酸、プリン体が含まれており、結石の形成を促進します。また、飲酒後はアルコールの代謝(体内で行われる化学反応)で脱水状態に陥りやすく、尿が濃くなって結石の原因になります。

プリン体の多い食品やアルコール好きの人は、高尿酸血症、いわゆる痛風にかかりやすいのも問題です。血液中の尿酸値が高いと尿酸結石になりやすくなっています。すでに、高尿酸血症で痛風発作が起こっている人は、いつ尿路結石症を発症しても不思議ではないでしょう。

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カルシウムと柑橘類のクエン酸は、尿路結石予防に役立つ!?

ほかにも、尿路結石症を招く食生活として、牛乳嫌い、果物嫌いがあげられます。

結石を予防するためには、牛乳や乳製品などから適度にカルシウムをとることが必要です。結石の大部分を占めるカルシウム結石は、尿中のシュウ酸とカルシウムが結合して生じます。腸にある段階でシュウ酸とカルシウムが結合して便とともに排泄されれば、尿中のシュウ酸が減って結石を予防できるのです。

また、果物の柑橘類に多く含まれているクエン酸は、尿中でシュウ酸とカルシウムの結合を防ぎます。ですから、果物をあまり食べない人は、結石ができやすいのです。

どちらもとりすぎは禁物ですが、適切にとれば結石を防ぐのに役立つと考えられます。
最後に、尿路結石の人は病院で治療をきちんと受けることが何よりも重要です。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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