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【胆石予防に役立つ?】大豆食品や柑橘類、有酸素運動がおすすめ。胆石ができにくい体に変えよう
胆石ができやすい、いわば「胆石体質」の方に、積極的にとってもらいたい食べ物があります。それは、食物繊維の豊富な豆菜類とビタミンCです。特に食物繊維の豊富な食材は胆石予防が期待できるそうです。
食物繊維とビタミンCの働きについて、かなまち慈優クリニック院長の高山哲朗先生に話をお聞きしました。
胆石の人は、必ず専門医に診てもらい、適切な治療を受けることが何よりも肝心であることは忘れないでください。
胆石予防の食事は食物繊維がおすすめ
野菜や大豆食品に豊富に含まれる食物繊維は、胆汁酸とコレステロールの排出を促して、胆石症・胆のう炎の予防に役立つと考えられます。
そもそも、肝臓はコレステロールを原料に胆汁酸を作り、それを主成分とする胆汁が十二指腸に流れ、消化液として働きます。そして、十二指腸で働きを終えた胆汁酸は、腸管から吸収され、肝臓に戻って再利用されています。
一方、食物繊維は、腸内で胆汁酸やコレステロールを包み込み、便といっしょに排泄させる働きがあります。すると、肝臓は胆汁酸を再利用できなくなり、胆汁酸を生成するために、新たにコレステロールを消費します。
つまり、食物繊維はコレステロールのサイクルを円滑に促す重要な役割を果たすのです。肝臓がきちんと新たな胆汁酸を作り、古い胆汁を排泄できれば、胆石の形成を防ぐことができるでしょう。
便秘が胆石の発作を招く要因にも
食物繊維にはもう一つ、重要な働きがあります。それは、便秘の改善です。便秘は、胆石の人にとっても見逃せない問題です。なぜなら、便秘は胆石症の発作を引き起こす要因になるといわれているからです。
食物繊維は、胆石の予防だけでなく、食後の血糖値の上昇を抑えて糖尿病を防ぐなど、ほかの病気の予防にも作用するので、まず第一にとりたい栄養素です。
厚生労働省が定める野菜の目標摂取量は、1日350グラム以上、おおよそ両手1杯分なので、その中で食物繊維の多い野菜を選ぶといいでしょう。
ビタミンCは胆汁酸を作るのに必要
胆汁酸には、コレステロールの消化を助ける働きがあります。しかし、なんらかの理由で、胆汁酸が不足すると、コレステロールの消化がうまくできず、胆汁が固まって胆石になってしまいます。胆石ができるのを防ぐためには、胆汁酸の生成を促すことが大切です。
実は、肝臓が胆汁酸を作るにはビタミンCが不可欠で、ビタミンCが不足すれば、胆汁酸も不足してしまいます。つまり、ビタミンCは、胆石の予防・改善に必須の栄養素なのです。ですから、ビタミンCが不足しがちな喫煙者やお酒を多く飲む人は、積極的にビタミンCをとる必要があります。
ただし、食物繊維とビタミンCが豊富な食材の中には、シュウ酸カルシウム結石の原因となるシュウ酸が多い食材も含まれているので注意が必要です。
胆石の予防に役立つ運動習慣とは
食事以外に、胆石ができるのを防ぐ生活習慣の改善法も3つご紹介します。
❶1日30分程度の有酸素運動
体を動かすと体脂肪が燃焼され、肥満の予防・改善になるだけでなく、胆のうも含めた消化器官の活性化にも役立ちます。おすすめは、体の負担が少ない有酸素運動です。ウォーキングやゆっくりとした水泳などを1日30分程度は行うといいでしょう。胆石は、肥満の人ほどなりやすいことがわかっています。
❷短めの時間で半身浴
入浴では熱い湯に全身で漬かると血圧が上がり胆のうにも負担をかけます。短めの半身浴なら、胆のうに負担をかけずに、疲れを取ることができます。
❸禁煙する
タバコに含まれる有害物質は、胆のうに負担をかけます。米国の大学の調査で、喫煙者は胆石・胆のう炎のリスクが増加する、という報告もされています。
とにかく、生活習慣を正すことが胆石の予防につながります。
この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。
写真/©カラダネ © Fotolia
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