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【めまい・ふらつきは治せる】恐怖心を乗り越えて行う「めまいリハビリ体操」で延べ20万人が改善
みなさんは普段、めまいがしたり、体がふらついてしまうことはありますか?
体調が悪い時や乗り物酔いした時など誰にでもみられる症状ですが、もし頻繁に起こるようであれば、治療の必要があるかもしれません。
ひとことに「めまい」といってもその症状やタイプはさまざまですが、実は治療方法が限られており、実際に病院に行った人も薬物療法を受けたり、安静にするようにいわれた人もいらっしゃると思います。
めまいの新しい改善方法として注目を集めるのが、めまい専門医である新井基洋先生の指導するリハビリ体操を紹介します。めまいやふらつきで悩んでいる人は、病院で診てもらいつつセルフ対策としておすすめします。
めまいで入院する人の8割、通院する人の7割が改善
「私はめまいを治す! 私はめまいに負けない!」
「私はふらつきを治す! 私はふらつきに負けない!」
私が勤務している総合病院では、めまい外来の一室からこのように元気なかけ声や笑い声が絶えず聞こえてきます。室内では私やスタッフの指導のもと、めまいの患者さんたちが集団でリハビリ(機能回復訓練)体操をしたり、めまいの改善に向けた心がまえを復唱したりしているのです。
従来のめまい治療と指導は、ほどんどが薬を飲むことと安静にすることに限られていました。ところが、薬物療法と安静だけでは限界があり、そのことは患者さんばかりでなく、多くの医師も痛感しています。そこで私は、海外でめまい治療に取り入れられている理学療法(運動などによって機能回復を促す治療法)を国内でいち早く採用し、治療の柱として20年ほど前から活用してきました。
その結果、重度のめまいやふらつきでも改善率が飛躍的に向上し、これまでの治療成績でいえば、入院リハビリを行った患者さんの8割、通院でリハビリのやり方を習った患者さんの7割が、めまいやふらつきの改善を実感しているのです。その数は延べ20万人以上(2018年4月現在)になり、診療室の壁一面にはめまいを克服した人たちの手紙や写真が貼られています。これらの手紙は、私やスタッフの励みになるばかりでなく、初診の患者さんが目にとめたときも、リハビリに取り組もうと決意するきっかけになっているのです。
めまいの人は不安や恐怖心の払拭が改善の第一歩
下のグラフは、当院に入院(4泊5日)して体操などのリハビリを受けた患者さんたちの改善度をまとめたものです。
めまい症状・めまいに伴う精神症状・めまいに伴う身体機能障害のスコアがどれも治療前に比べてほぼ半減し、これはめまいの各症状が大幅に改善していることを示しています。
さらに、私が指導しているリハビリは「誰でも、どこでも、器具を用いず、お金もかからず」をモットーにしており、やり方さえわかれば自宅でも1人で行えます。
また、めまいを引き起こす病気として、良性発作性頭位めまい症・メニエール病・突発性難聴・前庭神経炎・ハント症候群などがあげられますが、耳の異常が原因になる場合は、ほとんどのめまいに役立ちます。
リハビリは平衡機能を高める体操が中心になることから、患者さんの中には「ふらついて怖いからできない」とためらう人もいます。患者さんの多くは、めまいの不安や恐怖心を抱き、ウツ状態に陥っているので、最初はためらうのも無理はありません。しかし、その不安や恐怖心を乗り越えることが、改善に向けた第一歩になるのです。
めまいリハビリ体操は声を出して行うのが大切
リハビリ体操を始めた当初はめまいが起こり、ふらつきや吐きけを伴う場合もあります。集団でリハビリ体操を行う利点は、そのようなつらい状況でも互いに励まし合い、くじけそうな気持ちを振り払って取り組めることです。
とはいえ、この記事を読んでいる人の多くは、居住地などの事情で当院に入院や通院ができないケースもあるでしょう。その場合でも、これから紹介するリハビリ体操を続けていくうちに、めまいやふらつきは着実に改善していきます。
リハビリ体操を続けてめまいを克服した先輩たちの中には、私の本を見ながら自宅で行っていた人もおおぜいいます。最初はめまいでふらついても、あきらめずに毎日続けたことが改善につながったのです。
リハビリ体操を行うときは、「いち」「に」「さん」……と声を出しながら行ってください。発声によって体操の目的や動作が明確になり、気分が落ち込んでいるときも元気になります。そして、同じ体操を行っている仲間が全国に何万人もいることを思い出しながら、連帯意識を持って取り組みましょう。
なお、めまいには耳に原因があるタイプと脳に原因があるタイプもあります。脳梗塞や脳出血など脳に原因がある場合は命にかかわるので、すぐに病医院で専門的な検査を受けて、主治医の許可を得てからリハビリ体操を行ってください。
めまいリハビリ体操のくわしいやり方については、別の記事で紹介します。
記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。
写真/©カラダネ © Fotolia
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