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痔を改善に導く【温水洗浄便座の使い方】水流が強すぎると逆に悪化の可能性!
痔を改善させるためには、排便後の肛門を清潔に保つことが重要です。そこで、温水洗浄式便座は、清潔にするという点においてはとても役立ちます。
ところが、誤った使い方をしていると、肛門の機能を低下させてしまう恐れがあります。
痔の方はもちろん、痔ではない人も温水洗浄便座の使い方を今一度、確認してみてください。
専門医の平田雅彦先生に話を聞きました。
水圧は一番弱い設定で20秒洗うのが理想
痔を改善するためには、トイレで排便したあとに肛門を清潔に保つことが大切です。
正しい排便習慣がある人は、肛門まわりに便が残りにくく、また局所免疫という体を守る機能があるので、菌の感染や炎症が起こりにくくなっています。
しかし、痔や便秘、下痢のある人は、便が付着しやすいのです。すると、便の菌に感染する可能性があります。さらに、便はアルカリ性のため粘膜や皮膚に対して刺激が強く、肛門に便が付着したまま放置すると炎症が起こります。
最近は、温水洗浄式便座が普及し、日常的に温水シャワーで肛門を洗う人が増えています。温水シャワーで肛門を洗うのは大変いいことですが、気をつけてほしい点があります。それは、強い水圧で温水シャワーを肛門に当ててはいけないということです。
肛門の粘膜は薄く、その厚みは目の粘膜(結膜)とほぼ同じです。そのため、強い水圧で温水シャワーを肛門に当てると、肛門の粘膜がただれて、炎症がひどくなることがあります。
また、肛門を少し開いて温水シャワーを入れ、「水浣腸」をやる人もいますが、これは絶対にやめてください。
水浣腸を頻繁にやると、水圧の刺激がないと便意が起こらない「シャワートイレ症候群」に陥るおそれがあります。
ですから、排便後に温水シャワーを使う場合は、必ず水圧を一番弱い設定で、20秒を目安にしてください。ビデ機能がある人は、ビデの弱い設定がいいでしょう。
外出時など温水シャワーを使えない場合は、携帯式のシャワー洗浄器やノンアルコールのお尻用ウエットティッシュなどを携行するのがおすすめです。
余裕がある人は、排便後に入浴か座浴をするのがおすすめです。肛門の洗浄のほかに、温熱作用で肛門やその周囲の血行がよくなる場合が期待できます。なお、痔ろうの人は、肛門を温めると化膿がひどくなる場合があるので行わないでください。
痔の人が肛門を清潔に保つことは重要ですが、神経質になりすぎる必要はありません。
そもそも、肛門には、強力な局所免疫があるので、念入りに洗わなくても大丈夫なのです。肛門を清潔に保ちつつも、局所免疫が低下しないように健康状態をよくすることがポイントといえます。
そして、必ず肛門内科の専門医に痔を治療してもらうことが何より重要です。
記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。
写真/©カラダネ © Fotolia
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