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【切れ痔を防ぐには食事が肝心】便がスルリ出て痔も便秘も改善に導く「甘酒&寒天食」

解説 平田肛門科医院院長
平田雅彦

硬い便が出る時に肛門が裂ける切れ痔は、便の水分量を増やし、やわらかくすることが大切といわれます。
そこでこの記事では、スルッと出せる便にしてくれるおすすめ食材をご紹介します。

腸内環境を良くしてくれるので、快便になるのはもちろん、お肌にも良くて美容作用も期待できるかも!?
また、排便をスムーズにする姿勢についても併せて専門医に紹介してもらいましたので、ぜひ試してみてください。

砂糖不使用の寒天ゼリーやところてんがおすすめ

切れ痔の人は多い便を硬くしないことが重要です。
そこで、おすすめしたいのが寝る前に「寒天」をとることです。

寒天は、水溶性と不溶性の両方の食物繊維が豊富な食品のうえ、たっぷりの水分を含んで腸に届きます。その結果、ちょうどいい水分量を含む便を作り出すことができ、翌朝の排便を助けます。
寝る前なので、砂糖不使用の寒天ゼリーやところてんでとるのがいいでしょう。

また、「甘酒」を就寝前に飲むのもおすすめです。
甘酒も食物繊維を豊富に含んでおり、さらに乳酸菌やオリゴ糖も豊富に含んでいます。乳酸菌は、腸内フローラ(腸内細菌の集団)の中でいい働きをしている善玉菌をサポートし、オリゴ糖は善玉菌のエサになります。
便秘の人は、腸内フローラが悪玉菌優勢になっている可能性が大きく、善玉菌の働きを助けると便通をよくする働きが期待できます。

いきまず便が出やすくなる。切れ痔を防ぐ排便姿勢とは?

便意を感じてトイレに行ったのに、なかなか便が出てこないことがあると思います。そんなとき、便座に座るポーズのとり方しだいで排便が断然らくになり、いきむ必要がなくなります。

実は、みなさんもよくご存じの「考える人」のポーズで排便すると、驚くほど便がスルリと出るのです。
「考える人」は、フランスの彫刻家・ロダンの名作で、前傾姿勢で座りながら片手の甲にあごを乗せています。ですから、このポーズで排便することを「ロダン排便」と呼ぶことにしましょう。

ロダン排便のやり方.jpg
大腸・肛門の病気を専門に診療している高野病院(熊本県)の研究チームが、ロダン排便の快便作用を実証し、イタリアの医学雑誌に掲載されて話題になりました。
この研究では、米国の病院を受診した排便障害の患者さん約50人の検査データを分析しました。このうち22人がバリウムを飲み排便する検査で、まっすぐな姿勢では便が出ず、ロダン排便を実行。すると、11人が排便できたといいます。

直腸と肛門は直角に近い角度でつながっているため、排便しようとしても壁にぶつかってしまいます。それがロダン排便では、上体が前傾になることで直腸と肛門の角度がなだらかになり、便を出しやすい配置になるのです。
同時に肛門を締めている肛門括約筋がゆるみ、腹圧によって便が出しやすくなるのです。

便がらくに出れば、いきむこともなくなり、痔の改善が期待できます。みなさんもトイレで用を足すときは、ロダン排便を行いましょう。
もちろん、症状のひどい人はまずは専門医に診てもらうことが最重要であることは忘れないでください。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/©カラダネ © Fotolia

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