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甲状腺の病気の人にオススメのセルフケア【ライオンあくび】。脳幹を刺激しよう
甲状腺ホルモンの分泌量は、多すぎても少なすぎても不具合が起こります。甲状腺ホルモンの分泌が過剰になると、バセドウ病などの甲状腺機能亢進症、不足すると橋本病などの甲状腺機能低下症を発症します。
これらの甲状腺の病気をはじめとする多くの病気や不調が起こる根本原因は、脳幹の疲れにあると考え、疲れた脳幹を自分で刺激し、活気づける「ライオンあくび」を考案した、BSセラピーKOBE院長の駒川耕司先生に話をお聞きしました。
甲状腺の病気がある人は、必ず専門病院で診断を受け、治療してもらうことが最重要です。そのうえで、記事にあるセルフケアも試してみてください。
甲状腺の病気をはじめとする多くの病気の重大原因?
私は、日々、患者さんの体に触れているうち、甲状腺の病気をはじめとする多くの病気や不調が起こる根本原因は、脳幹の疲れにあると考えています。
脳幹は大脳よりさらに奥深いところにあり、脳の中心部にある器官で、生命の維持に欠かせない脳の重要部位の一つ。脳幹は、自律神経(意志とは無関係に血管や内臓の働きを支配する神経)のコントロールや、ホルモンバランスの調整、呼吸や睡眠・食欲の管理、歩行や姿勢の制御など、まさに生命活動の中枢を担っているとされます。
ところが、偏食や過度のストレスなどの要因によって脳幹が疲れると、脳の神経伝達がスムーズに行われなくなり、体にさまざまな弊害が起こりやすくなると考えられるのです。
体にもともと備わる自然治癒力が向上する
そこで私は、疲れた脳幹を自分で刺激し、活気づける方法として「ライオンあくび(正式には『ライオンあくび健康法』という)」を考案し、約10年間、患者さんたちに指導してきました。
もちろん、脳の奥深いところにある脳幹は、手で直接刺激をすることはできません。どうしたら手の届かない脳幹に刺激を与えることができるかをずっと考えつづけた結果、口を大きく開閉させるあくびの動作を思いついたのです。
口を大きくあけると内側翼突筋(ないそくよくとっきん)という筋肉が動きます。この筋肉は、下あごから頭蓋骨の中心にある蝶形骨(ちょうけいこつ)という蝶の形に似た骨につながっています。口を大きく開閉させることでこの蝶形骨が動き、隣接する脳幹にも刺激がよく伝わります。この刺激で脳幹が活性化していけば、私たちの体にもともと備わる自然治癒力が向上し、体のさまざまな不調が取り除かれていくのです。
甲状腺ホルモンの分泌の調整役を果たしているのは、脳の視床下部と脳下垂体という器官です。視床下部は脳幹の中に存在しているため、ライオンあくびを続けると視床下部の活性化に役立つのです。
また、脳下垂体は、蝶形骨の中にあるトルコ鞍というくぼみにすっぽり収まっています。ライオンあくびで蝶形骨が動くと、その刺激が脳下垂体に伝わるのです。
このように、ライオンあくびを続けると、視床下部や脳下垂体が刺激されます。その結果、甲状腺ホルモンの分泌量が正常化し、甲状腺の不調の改善につながるのではないかと私は考えています。
ライオンあくびのやり方
❶あおむけに寝て、額とあごが横から見て水平になるようにする。バスタオルなどを頭の下に敷くといい。
❷①の姿勢から、口を半分以上開けて、頭を1〜2センチ持ち上げて、顔をゆっくり左右に回したり、あごを前後に動かすうなずきの動作を2〜3往復ずつ数回行う。首に痛みを感じたり、首を持ち上げられなかったりする場合は無理をしないようにする。
❸頭を下ろし、首を体に対してまっすぐにしたまま、口を大きく5秒開いてから閉じる。これを2回くり返し、3回めのみ口を20秒開いてから閉じる。
●行うときのポイント
・口を開いてあごが痛むときは、無理に大きく開かなくていい。
・口はライオンのあくびのように大きく開く(力まずに全開する)。
力まずに口を100%開く
ライオンあくびはとてもシンプルな体操ですが、口の開き方が大きなポイントになります。
口は力まず、ライオンのように100%開くことが大切です。開きが足りなかったり、開きすぎたりすると十分な作用が得られません。「力まずに口を100%開く」という感覚をしっかりと身につけることがポイントです。 私の患者さんの中にも、ライオンあくびを続けて甲状腺の病気の症状が改善した人が多くいます。甲状腺の不調に悩んでいる人は、ライオンあくびを試してみてください。
ただし、顎関節症などで口の開閉のさいに痛みを感じる人は、口が開きやすい方向で無理のない範囲で行うことが大切。痛みが強くなる場合はすぐに中止してください。
記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。
写真/© Fotolia ©カラダネ
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