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【痛風の予防食】尿酸値を下げるには低脂肪の牛乳かヨーグルトがおすすめ
健康診断を受けたさい、尿酸値が基準値(1デシリットル当たり7.0mg/dL)を越えると高尿酸血症の疑いがあるとされます。
いわゆる、痛風の初期段階です。
本格的な痛風の発作を防ぐためには、尿酸値を下げることが何より肝心。必ず専門医に診てもらい治療を受けてください。
尿酸値を下げるには病院での治療に加えて、自分自身でも生活習慣の改善が必要です。この記事では尿酸値を下げる可能性がある食品について、専門医の谷口敦夫先生に話を聞きました。
ここでは、乳製品を取り上げていますが、もちろん乳製品だけをとれば必ず尿酸値が下がるわけではないので、その点はご理解をください。
尿酸値を下げるには、プリン体の「多い食品」「少ない食品」を理解しよう
尿酸を減らすための基本はなんといっても食生活です。中でも気をつけるべきは、尿酸を増やす原因として有名なプリン体の摂取でしょう。プリン体の多い食品と少ない食品については、下の表を参考にしてください。
実は、食事で体内に吸収されるプリン体は食品全体の10〜20%であり、体内で生成される分量より少ないことがわかっています。そのため、過度に神経質になる必要はありませんが、尿酸を減らすためにはやはりプリン体のとりすぎはいけません。
上の表を参考に、食品ごとに含まれる量を把握して1日の摂取量が400ミリグラム以下になるように気をつけましょう(日本痛風・核酸代謝学会「高尿酸血症・痛風のガイドライン第2版」より)。
尿酸値を下げるには大豆食品や海藻、キノコなどアルカリ性食品がおすすめ
尿酸値を下げるには、尿をアルカリ化してくれる食品の積極的な摂取も大切です。
健康な人の尿はpH6.0付近の弱酸性に保たれています(ph7が中性)。しかし、体内に尿酸が多く、高尿酸血症・痛風腎・尿路結石などを患っている人はph5.5以下の酸性になりやすい傾向があるのです。
尿酸は、尿が酸性の状態では溶けにくく、かたまりやすくなります。そのため、尿酸値が高い人は、アルカリ性の食品をとって尿を弱酸性の状態へ戻すのがすすめられます。
尿酸値を下げるためにおすすめの、代表的なアルカリ性食品には、ヒジキやワカメ、コンブといった海藻類や大豆、ゴボウ、サツマイモ、サトイモ、キノコ類があげられます。
これらの食品には、プリン体の含有量も少ないため、まさに尿酸値を下げたい人にもってこいといえるでしょう。
尿酸値を上げやすい食品はプリン体が多い酸性食品。レバーは要注意
一方で、尿酸値を上げる食品として、レバーや肉、魚介類、干物といった動物性たんぱく質が豊富な食品群は、酸性の食品でプリン体も多くなっているため注意が必要です。
とはいえ、これらの食品は貴重なたんぱく源です。痛風はこれらの食品を好んで食べがちな働き盛りの男性に多い病気です。
レバーなどの内臓類は、プリン体が特に多いためすすめられませんが、ほかの食品は1人前を超えないように量に注意して食べるようにしてください。
尿酸値を下げる食品として牛乳がすすめられる理由。痛風のリスクも低くなる?
尿酸値を下げる食品としておすすめしたいのが、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品です。これらの食品は、プリン体が少ない点からもすすめられます。
アメリカのマサチューセッツ総合病院リウマチ科のヒョン・コワ博士らが行った調査によると、牛乳とチーズなら1日当たり計量カップ1杯(200ミリリットル)以上、ヨーグルトなら0.5杯(100ミリリットル分)以上摂取していた人は、尿酸値が有意に低いことがわかりました(下のグラフ参照)。
また、乳製品をよくとっていた人は、痛風の発症リスクも低減していました。牛乳はカゼインとラクトアルブミンなどの豊富なたんぱく質を有しており、しかもプリン体の含有量も少なくなっています。このことが尿酸値を下げるために役立ち、尿酸の排出をスムーズにしてくれるのではないでしょうか。
尿酸値を下げる食品として、低脂肪牛乳を200ミリリットルとろう
このように、尿酸値を下げる可能性がある乳製品ではありますが、カロリーや脂肪分が気になる人もいるかもしれません。実際、肥満と尿酸値との間には密接な関係があり、太っている人ほど尿酸値が高く、減量するにつれて尿酸値が低くなることが知られています。
そのため、毎日とる乳製品としておすすめなのは、低脂肪乳です。低脂肪乳でも通常の牛乳と同様、あるいはそれ以上の作用が得られると考えられます。1日当たり200ミリリットル以上を目安に毎日とりましょう。
なお、牛乳を飲むとおなかがゴロゴロして下痢が起こる乳糖不耐症の人は、牛乳や低脂肪乳ではなく、乳糖が分解されている低脂肪ヨーグルトであれば大丈夫な場合があります。
いずれにせよ、高尿酸の人、痛風の人は病院で適切な治療を受けつつ、尿酸値を下げる食品を意識的にとるようにしてください。
この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。
写真/©カラダネ
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