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【専門医解説】痛風の予防に「コーヒーとビタミンC」が役立つ?尿酸値を下げる働きが期待できる

解説 東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター教授
谷口敦夫

尿酸値が高くなると、痛風のリスクが高まります。
当然ですが、痛風の予防には尿酸値を下げることが何より肝心。そのためには、病院で専門医の治療を受けつつ、自分でも生活習慣を見直すことが重要です。

この記事では、尿酸値を下げる可能性があり、痛風のリスクを減らすと注目されている食品や成分、具体的にはコーヒーとビタミンCについて、東京女子医科大学の谷口敦夫先生に話を聞きました。



コーヒーで尿酸値が下がり痛風のリスクが低くなる?1日4杯以上がおすすめ

近年ではある意外な食品が痛風のリスクを下げると確認され、密かに注目を集めています。その食品が「コーヒー」です。

アメリカで行われた調査によると、コーヒーを1日4〜5杯飲む人は、ほとんど飲まない人に比べて痛風の発症リスクが約4割下がっており、コーヒーを1日当たり6杯以上飲む人は約6割も下がっていたそうです(くわしくは下のグラフ参照)。

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こうした作用がコーヒーのどの成分によるものなのか、くわしいことはわかっていませんが、カフェインによるものではないことは確かです。なぜならデカフェ(カフェインレスのコーヒー)でも同様の作用があるといわれているからです。
おそらくは尿酸値を下げる働きが、コーヒーのカフェイン以外の成分に期待できるということではないでしょうか。

コーヒーは、痛風リスクを高める砂糖を入れないブラックで飲むといいでしょう。ブラックコーヒーが苦手な人は、低脂肪牛乳を加えてみてください(牛乳が尿酸値を下げる可能性がある点についてくわしくは、一番下の関連記事をご覧ください)。

ただし、痛風や高尿酸血症ですでに結石ができたことがある人に、コーヒーはおすすめできません。というのも、コーヒーに含まれるシュウ酸という成分は、体内のカルシウムと結合してシュウ酸カルシウムになり、これが腎臓で大きくなると腎結石になるからです。
痛風や高尿酸血症の人に生じる腎結石には尿酸結石とともにシュウ酸カルシウム結石も多いのです。

一方、紅茶には尿酸値を下げたり、痛風を予防したりする作用はないものの、痛風や高尿酸血症の人に重要な水分補給の一環としておすすめできる食品です。

ビタミンCは尿酸値を下げる働きが期待できる

そのほか、尿酸値を下げる成分としてビタミンCがあげられます。
高尿酸や痛風に対するビタミンCの働きは、一般的な食品からとっても栄養補助食品からとっても同様の作用が期待できるとされています。

ビタミンCには尿酸の排泄を促進する作用や生成を抑制する作用が報告されており、このために痛風のリスクや尿酸値を下げると考えられています(グラフ参照)。

グラフ2.jpg

ただし、ビタミンCは代謝のさいに一部がシュウ酸になるので、コーヒーと同様に、腎結石ができたことがある人にはおすすめできません。

このように尿酸値を下げて痛風を予防するには、食生活の改善がとても大切です。
摂取を控える食品(プリン体の多い食品や脂肪の多い食品など)、摂取してよい食品(プリン体が少ない食品やアルカリ性食品など)をうまく組み合わせて、みなさん自身で生活習慣を改めるようにしましょう。

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/©カラダネ

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