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医師奨励の【やせる脳ダイエット】4500人がやせた⁉︎

解説 佐藤診療所院長
佐藤周三

ダイエットを始めたはいいものの、いつも途中で挫折してしまう・・・。
一度やせることができても結局リバウンドしてしまう・・・。

そのような悩みを抱えている人は必見!スリムな体型を保ち続ける方法があるのです。
意外にもそのヒントは、脳にあります。

少しの意識改革をすることで、自然とやせられるダイエット法を医師の佐藤周三先生に聞きました。佐藤先生はこのやり方で、4500人にダイエットの指導を行ってきました。
このダイエットの肝は、食事にあります。




厳密な食事制限は長続きしにくい

若いころは細身の体型だったのに、年齢を重ねるにつれて急に太りだしたという人は多いものです。

そうした中年太りを解消するために、食事制限や運動といったダイエットに励んだことのある人は多いでしょう。しかし、その結果はといえば、途中で挫折したり、リバウンドしたりして失敗に終わる人が大多数なのではないでしょうか。

ダイエット法の中には、医学的にも効果があると認められているものもあります。とはいえ、こうした方法では、摂取する食べ物の栄養素を厳密に何カロリーとか何グラムとか、計算をしなければなりません。指示された食事量やカロリー量を厳守すれば、確かにダイエットは成功するでしょう。

しかし、このようなめんどうな方法を一生続けることができるでしょうか。どんなに優れたダイエット法でも、続かなければ体重はリバウンドしてしまいます。

もちろん、運動で減量をしようとしても同じこと。一時的に体重が減ることもありますが、運動の習慣が長続きしなければ体重はもとに戻ってしまうことになります。

実は、特別でめんどうなダイエットを行わずに、普通の食事や生活で太らずにスリムな体型を一生保てる方法があるのです。そこで、食事制限や運動をしないでやせる方法をみなさんに知っていただきたいと思います。

ダイエットの失敗は脳が「太る脳」から「やせる脳」に変わらないのが原因?

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最初に結論をいいますが、食事制限も運動も不要でやせるには、脳を満腹中枢の感受性が高い「やせる脳」に変える必要があります。

そもそも、ダイエットに失敗する最大の理由は、結局は食べすぎるからという、誰にでもわかる単純なこと。そして、私たちが食べすぎてしまうのは、私たちの脳が満腹中枢の感受性が低下した「太る脳」になっているためです。

私たちが1日に必要とするカロリーは、体重1キロにつき30キロカロリーです(重労働をせずふつうに生活している人の場合)。つまり、体重50キロの人は1500キロカロリー、60キロの人は1800キロカロリーをとっていることになります。

そして適正体重を保っている人は、50キロの人なら1日1500キロカロリー、60キロの人なら1800キロカロリーをとったら、脳の視床下部(下の図参照)にある満腹中枢のスイッチが入り、食欲がピタッと止まるようになっています。

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ところが、肥満の人は、1日の必要カロリーをとっても満腹中枢のスイッチが入らずに食べすぎてしまい、必要以上のカロリーをとってしまいます。

では、なぜ満腹中枢のスイッチが入らなくなるのでしょうか。

私たちが食事をすると、脂肪細胞から「レプチン」というホルモンが分泌されます。レプチンが分泌されると満腹中枢が刺激され、食欲が抑えられるというしくみになっています。

ところが、食べすぎてレプチンが過剰に分泌されると、満腹中枢にあるレプチンの受容体が働きすぎて壊れ、鈍感になってしまいます。そのため、必要量のカロリーを超えてもスイッチが入らなくなるのです。

これは、脳がいわば「太る脳」になっている状態といえます。太る脳になっている人は、必要なカロリーをとっていても「もっと食べたい」という欲求を抑えることができず、食べすぎてしまうのです。

ダイエットに成功し、リバウンドも防ぐためには、太る脳をやせる脳に変えなければなりません。

やせる脳になれば、何も意識せずに生きるために必要な量だけを食べられ、特別な食事も運動も道具も必要とせずに、理想的な体重を維持できるのです。

医師の私が「太る脳」治療を始めた理由

私は、もともとは脳神経外科医です。脳神経外科医がなぜダイエット法の話をしているのか、疑問に思う人もいるのではないでしょうか。

私は、長年、大学病院の救急救命室などで、脳卒中(脳梗塞や脳出血など)の患者さんの治療や手術を行い、多くの患者さんを救ってきました。その一方で、大切な家族を失って悲しむ人の姿や、命を取り留めてもマヒや言語障害といった後遺症に苦しむ患者さんを見てきました。

このように、脳卒中は、いったん発症すると治療に限界があります。そのため、脳卒中を発症する前に予防できないかと考えたのです。

私が思いついたのが、肥満の治療です。脳卒中や心疾患(心筋梗塞など)といった血管病は、肥満を予防することでリスク(危険度)を低くすることができます。つまり、肥満を防ぐことで、脳卒中や心筋梗塞を未然に防げる可能性が飛躍的に高まるのです。

そこで、私は大学病院をやめて自分のクリニックを開業し、肥満専門外来「肥満大学」を開設しました。肥満大学は一切の宣伝を行わず、口コミだけでおおぜいの肥満の人の治療・指導に当たってきました。そして、ほとんどの人が減量できたばかりか、その後ずっと適正な体重を維持することに成功しているのです。

満腹中枢は脳の視床下部にある

肥満大学で最も力を入れているのが、「やせる脳になる」、という点です。

やせる脳になれば、食事制限を一切せずにおいしいものを食べても、太らずにスリムな体型を保つことができます。

具体的には、体重60キロの人が10キロ減量して体重50キロになりたいのなら、体重50キロの人が必要とする1500キロカロリーをとれば満腹中枢が働き、食事量が少なくてもすむ脳になればいいのです。そのような「やせる脳」に変わることが、ダイエットの本質なのです。

従来のダイエットでは、綿密なカロリー計算によって摂取カロリーの量を減らそうとしていました。前の例に当てはめると、1800キロカロリーを1500キロカロリーに減らすために、糖質の量を減らしたり、材料を低カロリーの食品に置き換えたりしていました。

しかし、こうした摂取カロリーを制限するダイエットは、実は意味がないと私は考えています。脳がやせる脳に変わっていないかぎり、間違いなく1800キロカロリーに達するまで、食べつづけてしまうからです。

満腹中枢のある脳の視床下部は、食欲をはじめ、睡眠・生殖など、生命や種の維持をつかさどる部位です。

例えば、1日程度の徹夜なら耐えられても、3日連続で徹夜しようとしても寝てしまうのは、視床下部が「睡眠を取れ」という命令を出すからです。視床下部には、それだけ強い強制力があります。

食事の場合も同様です。1日1800キロカロリーが必要な体重60キロの人が、摂取カロリーを1500キロカロリーに抑えると、私たちの体は足りない300キロカロリー分を、体内に蓄えた脂肪をエネルギーに換えて補おうとします。すると、視床下部は、生命維持のために備蓄していた体脂肪を減らさないため、無理にでも1800キロカロリーをとる指令を出します。

例えば、ダイエットのため、400キロカロリーの食べ物を200キロカロリーのものに置き換えたとします。その場合、食べ物の量は同じだとしてもカロリーは半分に減っているため、視床下部は「カロリーが半分なので、倍の量を食べなさい」という指令を出すのです。

私たちの体は、脳の視床下部の命令に逆らうことはできません。そのため、カロリー計算で食事を減らすダイエットは、失敗しやすいのです。

太る脳からやせる脳へ。小さな意識改革でできるダイエット方法とは?

このように、ダイエットを成功に導くためには、やせる脳に変わることが一番の早道です。ですが、私が患者さんにそのように説明すると、「脳を変えるなんて難しいのではないか」「つらい訓練が必要なのでは」という感想が聞かれることがあります。

ですが、ご安心ください。太る脳をやせる脳に変えることは、実に小さな意識改革でできるのです。実際に、私は4500人を超える患者さんにやせる脳に変わるダイエット法を指導し、減量を成功させてきました。くわしいやり方については、別の記事で説明します。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。

写真/© Fotolia

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