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【眠り方で防げる】逆流性食道炎の人は「左向き寝」がおすすめ。胸やけや呑酸を予防
逆流性食道炎で最も困るのが、「就寝中に胸やけや呑酸(すっぱい胃液がのどまでこみ上げてくる感覚)が起こること」だという患者さんはおおぜいいます。胸やけがして寝つけなかったり、目が覚めたりするためです。実際、逆流性食道炎の症状によって、不眠を訴える人は少なくありません。
睡眠時に症状が出やすい理由と改善方法について、野村消化器内科院長の野村喜重郎先生にお話を聞きました。
逆流性食道炎の疑いがある方は、胃腸科や消化器科の受診とあわせて参考にしてみてください。
睡眠時に逆流性食道炎の胸やけや呑酸が起こりやすい理由
まず、睡眠中に逆流性食道炎の症状が出やすくなる理由について解説します。
眠ろうと体を横にすると、食道も縦の状態から横になるため、重力の影響がなくなり、胃酸は逆流しやすくなります。また、逆流した胃酸が胃に戻りにくく、食道に長くとどまってしまうため、炎症を招きやすいのです。
また、就寝時は胃酸を中和したり、食道を洗い流してくれたりする唾液の量が減るのも、症状が出やすい理由の一つです。
逆流性食道炎を防ぐ寝方。ポイントは2つ
そこで、就寝時の逆流性食道炎の症状に悩んでいる人たちには、まずは上半身を少し上げて眠ることをおすすめします。
頭の位置が20〜30センチほど高くなるようにするといいでしょう。上半身を上げることで食道から胃へ傾斜ができます。その結果、胃酸が逆流しづらくなり、逆流した場合でも胃酸が胃に戻りやすくなります。
そしてもう一つ重要なのは、左半身が下になるように横を向いて眠ること。胃は噴門(食道と胃のつなぎめ)から体の左側に大きく膨らんでいる形をしています。そのため、左側を下にすると、噴門の位置が胃の大部分より上にくるので、胃液をためる場所が多く、胃酸が逆流しづらくなります」
寝方での注意点
頭を高くして眠るときは、枕だけ高くすると首を傷めるので、クッションや座布団などを重ねておき、背中から頭までなだらかな傾斜になるようにしましょう。
また、寝返りを打ったときにクッションなどがずれ、朝には傾斜がなくなってしまう場合もあります。そのようなとき、布団を敷いている人は、布団の下にもう一枚布団をたたんで入れ、傾斜を作ってみてください。ベッドの人は、頭側のベッドの足をレンガや頑丈な台などに乗せて、ベッド全体を傾斜させるのもいいでしょう。
逆流性食道炎で悩んでいる人は、いろいろ工夫をして、自分で症状が起こりにくい寝方を模索するのも重要です。
記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。
写真/© カラダネ © Fotolia
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