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【逆流性食道炎】をツボで改善!胃腸の働きをよくする「逆流止めツボ押し」のやり方。わずか5日で改善した人も
逆流性食道炎でお悩みの方に朗報です。腕に胃腸の働きを整えて逆流性食道炎を改善するといわれるツボがあるのです。
東京中医学研究所所長の孫 維良先生にお話を聞きました。
ツボ押しは一人でも手軽にできるセルフ治療法です。逆流性食道炎に悩んでいる人は、必ず消化器科や胃腸科での治療とあわせて試してみてください。
胃痛に胃もたれ…逆流性食道炎の症状を改善するツボは腕にある!
ストレスの多い環境で生きる現代人には、胃がキリキリ痛んだり、逆流性食道炎に悩んだりする人が少なくありません。そうした人たちに、私は、中国の伝統医学(中医学)である「推拿(すいな)療法」に基づく施術を行っています。
東洋医学では、生体のエネルギーである「気」の状態が健康を左右すると考えます。病気とは、気が不足したりスムーズに走行できずに停滞したりする状態のこと。推拿療法は、気の通り道である経絡(けいらく)やツボ(経穴)を手指で押圧(おうあつ)して刺激し、滞った気の流れを改善する手技療法です。
私たちの体には、数多くのツボや経絡があります。その中で特に重視されるのが「心包経(しんぽうけい)」という経絡にある「内関(ないかん)」というツボ。手首から5センチほど下の前腕内側の中央部に、左右の腕に1つずつあります。
推拿療法で内関のツボが重要視されるのは、悪い気の侵入を防ぐ要所だからです。内関は、その名のとおり体の内側の関所として働き、ここで健康に悪影響を及ぼす「邪気」の侵入を防いで心身の健康を保ちます。
さらに、内関は、胃腸の働きをよくするツボとして知られています。内関を押すと胃痛や胃もたれ、吐きけ、逆流性食道炎といった消化器の不快症状や便秘・下痢の改善に作用を発揮するとされます。
「逆流止めツボ押し」はツボと経絡を同時に刺激できるため作用が高まる
とはいえ、ツボの位置は人によって少しずつ違ううえ、気は常に動いているため、正確にとらえるのは専門家でも簡単ではありません。さらに、慣れない人が指で押すと、指を傷めてしまうことが少なくありません。
そこで私は、一般の人でも簡単に間違いなくツボや経絡を刺激できる「逆流止めツボ押し(孫先生は『腕もみ』という名称で指導している。以下、腕もみと呼ぶ)」を考案しました。
腕もみは、右ひじで左の腕を、左ひじで右の腕を押していくという簡単なセルフケア法。使う道具は自分のひじだけなので、お金がかからないばかりか、いつでもどこでも行うことができます。
おそらく、みなさんは「胃腸の不調を改善するのに、なぜ腕を刺激するのか」という疑問を持つことでしょう。
東洋医学では、胃腸を健康の要として重要視します。その胃腸にトラブルが生じているサインは、腕に顕著に現れます。実際に、私の研究所に相談にくる人たちの腕を押していくと、多くの人が痛みを訴えます。そうした人は、慢性的に胃が痛む、おなかが弱くて下痢ぎみである、胃がムカムカして吐きけがするなどの症状があるようです。逆流性食道炎の人も例外ではありません。
腕もみは、ひじの広い面を使って腕の広範囲を刺激できるので、胃腸のツボである内関も確実に押すことができます。
そればかりか、内関以外に腕にある「尺沢(しゃくたく)」「手三里(てさんり)」「曲池(きょくち)」といったツボや、内関の属する心包経以外の経絡(肺経、心経など)も同時に刺激できるので、その作用が高まると考えています。
逆流性食道炎を改善する「逆流止めツボ押し」のやり方
「逆流止めツボ押し」のやり方
逆流性食道炎を改善すると考えられる腕もみのやり方は、下の図のとおり。左右の腕を、反対側のひじを使って、30秒かけて「イタ気持ちいい」と感じる程度に押してください。
東洋医学では、逆流性食道炎のことを「胃脘痛(いかんつう)」と呼び、本来は体の上から下へ下りていく気が下から上へ逆流し、胃酸が逆流する状態と考えます。その逆流した気が正常に流れるように、腕もみでは、ひじから指先のほうに向かって腕を押していきます。
※右ひじの外側を使って面で押す
❶イスに座り、両足を肩幅より開いてリラックスする。その状態から、左手の前腕を、手のひらを上に向けて太ももに乗せる。
❷右腕のひじの外側で、グーッと下向きに体重をかけて左腕を5秒間押す。強さの目安は「痛気持ちいい」と感じる程度。
❸左腕を徐々に動かしながら、押す位置を少しずつ、左手のひじのしわができる位置から手首までずらしながら30秒かけて押していく。
❹②〜③と同様の動きで、反対の右腕も計30秒押す。
「胃腸を整えるマッサージ」のやり方
さらに、腕もみをする前に「胃腸を整えるマッサージ」(やり方は下の図を参照)を行えば、胃の不調や逆流性食道炎の改善作用がより高まります。
❶腕の前で両手の甲を合わせる。
❷そこから4本の指をそろえたまま助骨に沿って脇まで押しなで、同じ軌道を戻りながら元の位置まで押しなでる。往復10回を目安に行う。
※息を吐きながら手を下ろし、息を吸いながら元の位置に戻すと、より作用が高くなる。
腕もみをやった人の中には、逆流性食道炎が5日で改善に向かった人もいます。ぜひ試してみてください。
記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。
写真/© カラダネ © Fotolia
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