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ゆで卵を作ったら黄身の表面が黒っぽかった。食べても大丈夫?【卵のギモンQ&A⑦】
解説
京都女子大学 家政学部 食物栄養学科教授 八田一
物忘れやメタボ、高血糖をはじめとする体の不調の予防や、肌や血管の衰え防止に役立つと、卵が注目を集めています。私たちにとって身近な存在の卵ですが、知らないことも意外と多いのではないでしょうか。
この特集では、身近な卵の疑問について、京都女子大学 家政学部 食物栄養学科教授、通称「卵博士」の八田一先生に回答していただきます。
今回は、ゆで卵の黄身の表面が黒っぽくなる理由について教えていただきました。表面が黒っぽくなったゆで卵は食べてしまっても大丈夫なのでしょうか。
目次
卵を15分以上ゆでるとなりやすい。食べても問題ない
たんぱく質を構成するアミノ酸の中で、硫黄を含んでいるアミノ酸を「含硫アミノ酸」といいます。
黄身の表面が暗緑色になるのは、白身に含まれる含硫アミノ酸が加熱によって分解されて微量の硫化水素という気体に変化し、それが黄身の鉄分と結合して硫化鉄となり、白身と黄身の間に沈着して起こる現象です。なお、食べても全く問題はありません。
これは、高い温度で長時間加熱するほど起こりやすく、卵を15分以上ゆでると生じるとされる現象なので、ゆですぎないことが防止策となります。また、硫化鉄は、急冷すると殻のほうに拡散しやすくなるため、ゆでた卵は、すぐに氷水などで冷やすのも防ぐポイントです。
この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。
写真/© Fotolia ©カラダネ
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