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卵の食べすぎが肌によくないと聞いたのですが、本当ですか?【卵のギモンQ&A⑲】
解説
京都女子大学 家政学部 食物栄養学科教授 八田一
価格が安定していて、料理法も多彩、そして何よりおいしい……卵の素晴らしさはそれだけではありません。実は栄養も豊富。そうした栄養が、物忘れやメタボ、高血糖といった不調の予防や、肌・血管の健康維持に役立つのではないかと期待されています。
この特集では、身近な卵の疑問について、京都女子大学 家政学部 食物栄養学科教授、通称「卵博士」の八田一先生に回答していただきます。
今回は、卵と肌の関係性についてお聞きしました。卵の食べすぎは肌に悪影響をもたらすといううわさがありますが、はたして本当なのでしょうか。
目次
卵の白身にはビオチンの吸収を抑える成分が含まれているが、食べすぎなければ影響はない
卵の黄身には、ビタミンB群の一種であるビオチンという成分が豊富に含まれています。ビオチンには、皮膚や粘膜、毛髪などの形成を助けたりする働きがあります。
そのため、ビオチンが不足すると、肌が荒れたり、抜け毛が増えたりする可能性があると考えられています。
実は、卵の白身には、ビオチンの吸収を阻害するアビジンというたんぱく質が含まれており、白身の食べすぎはビオチンの欠乏につながり、肌荒れの原因になるという声もあります。
しかし、ビオチンは腸内細菌からも作られるため、1日2個程度の卵を毎日食べたとしても、ビオチン不足になる恐れはまずないと考えられます。ビオチンの欠乏が心配になるのは、白身だけを毎日10個以上、長期間食べつづけるというレベルの話です。
この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。
写真/© Fotolia ©カラダネ
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