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【熱中症対策に】塩レモンジュースの作り方。さらにおいしい飲み方レシピも
熱中症対策には、水分だけでなく、塩分もいっしょにとることが大切です。この2つを同時にとることができるのが、この記事で紹介する「塩レモンジュース」です。
「塩レモンジュース」はおいしいばかりか、疲労の蓄積や夏バテの予防に役立つとされるクエン酸も含まれているため、熱中症対策にぴったりなのだとか。
横浜創英短期大学名誉教授(栄養学)の則岡孝子先生にくわしいお話を聞きました。
高齢になるほど熱中症への警戒心が低くなる
最近、室内で過ごしているのに熱中症に陥る人が増えています。
特に深刻なのが高齢者の熱中症です。室内で過ごしているのに熱中症に陥る人のほとんどが60代以上で、熱中症による死者の4分の3は70歳以上の人たちだというのです。
冷房をかけなかったり、水分補給を怠ったりすれば、熱中症の危険度が増すということは、今やほとんどの人が知っています。そうした知識はあっても、まさか自分の身に振りかかるとは思っていないのかもしれません。
それを裏付けるようなデータがあります。全国規模で行われた調査によると、熱中症への警戒心は若い人ほど強く、60代70代と高齢になるほど、「自分は大丈夫」と思っていて、警戒心の低い人が多いとわかったのです(下の図参照)。
これはとても危険なことです。というのも、実際には高齢になるほど気温の変化に気づきにくく、症状も重症化しやすいからです。
高齢になるほど熱中症になりやすく、重症化しやすい理由の一つは、年齢とともに体の中の水分の割合が減ってしまうことだといいます。幼児は体重の4分の3近くが水分ですが、高齢者では2分の1程度にまで減ってしまいます。
加えて、年を取ると暑さやのどの渇きに鈍感になるので、水分をとる量が減り、脱水状態になりやすいそうです。
塩レモンは熱中症対策に必要な塩分を水分と同時にとれる
では、熱中症を予防するためにはどのような方法を取ればいいのでしょうか。
室温の調節は、温度計をしっかり見て温度変化に注意し、エアコンを利用することが大切です。
次に、水分補給ですが、これについては注意しなければならないことがあります。真夏の水分補給は、ただ単に水を飲むだけでなく、汗とともに失われるミネラルや塩分の補給も大切です。大量の汗をかいたあとは、それに見合った水分を補給しなければいけませんが、水ばかり飲んでいると、血液中のナトリウム(塩分)濃度が下がるため、体が水を飲まないようにしてしまうのです。
これを自発的脱水といいます。こうした状態になると、知らず知らずのうちに水分摂取が減って、熱中症を招きやすくなります。
これを避けるには、水分といっしょに塩分をとる必要があります。私がすすめる塩分摂取法は、「塩レモン」のジュースです。
塩レモンとは、カットしたレモンを皮ごと塩漬けにしたもので、北アフリカのモロッコでは調味料としておなじみのものです。レモンの風味が楽しめるだけでなく、レモンの成分も丸ごととれる優れもので、調味料として便利なうえ、熱中症対策にも活用できるそうです。
塩分を補給しようとして塩を飲めば、のどが渇くばかりです。第一おいしくありません。ところが、塩レモンであれば、塩分とともに美肌作用があるとされるビタミンCやクエン酸なども補給でき、のどが渇くことなく、必要な塩分をおいしくとることができます。
クエン酸は、レモンをはじめ柑橘(かんきつ)類に多く含まれる酸味成分で、摂取した食べ物をエネルギーに変える働き(クエン酸サイクル)を活性化するそうです。
この働きが落ちると、乳酸などの疲労物質がたまりやすくなったり、食べ物をエネルギーに変えることができなくなるので、体内に脂肪がたまりやすくなったりするといいます。
つまり、クエン酸をとることで、夏バテを防いだり、肥満を予防したりできる可能性もあるというわけです。
塩レモンの作り方
塩レモンは、通常、1カ月ほど漬け込まなければいけないといわれています。しかし、それではこの夏の熱中症対策は間に合いそうにもありません。
そこで、超特急で作ることができる取って置きの方法を紹介しましょう。下の図を参照してください。
この作り方では、レモンを粗いみじん切りにすることが特徴です。そうすることで、3時間程度で塩レモンが完成します。そして、塩レモンをお好みの量の水で割れば「熱中症予防ジュース」のできあがり。炭酸水を少し加えるとさらにおいしくなります。くわしくは、下の図をご覧ください。
さらにおいしく飲む方法として、牛乳で割るというレシピもあります。塩レモンは塩けと酸味が濃厚なので、牛乳で割るととてもまろやかで味わい深くなります。
しかも、牛乳には熱中症の予防作用があります。牛乳は肝臓で合成されるアルブミンという物質の原料になるからです。アルブミンには体内の水分を保持する働きがあるうえ、汗をかきやすくしたり、皮膚から熱を逃しやすくしたりする働きがあり、体温を上がりにくくしてくれます。速歩などの運動をしてから1時間以内に飲むのがおすすめです。
なお、塩レモンを作る際は、農薬やワックスが多く使われている輸入品はさけて(一部無農薬のものもある)、国産のものを使うほうが安心です。最近は、無農薬やノーワックスのレモンも出回っているので、そうしたものを選ぶようにしてください。ワックスを使っているかどうかわからないときは、レモン1個につき小さじ1杯の塩で、もみ洗いするといいでしょう。
もちろん、これだけで熱中症対策が万全ということはありません。しかしながら、役に立つはずですので、塩レモンをうまく活用して暑い夏を乗り切ってください。
記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。
写真/©カラダネ © Fotolia
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