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胃潰瘍の原因は薬の服用?鎮痛薬や血液サラサラの薬に要注意
胃潰瘍に悩んでいる人がおおぜいいます。胃潰瘍は、ピロリ菌が原因のことも多いのですが、ピロリ菌に感染していなくても、発症する人がいます。
実は、薬の服用が胃潰瘍の原因になる場合があるといいます。
専門医の江田証先生に話を聞きました。
ロキソニン、ボルタレン、アスピリンなどで胃潰瘍になる人もいる
ピロリ菌は、胃がんや胃潰瘍、胃炎の原因になります。
ところが、ピロリ菌がいないのに胃潰瘍になる人もいます。その原因として見過ごせないのが、痛み止めなどの胃を荒らす薬の服用です。
頭痛や関節痛などの痛みを抑え、熱を下げる解熱鎮痛薬のうち、商品名でいうとロキソニンやボルタレンなどのNSAIDs(エヌセイズ。非ステロイド性消炎鎮痛薬)は、腹痛や吐き気、胃潰瘍、吐血などの副作用を伴うことがあります。
特に、片頭痛の持病があったり腰痛やひざ関節痛があったりして鎮痛薬を長期間常用している人は、鎮痛作用のために自覚症状が現れにくく、ある日突然に吐血することもあるのです。
また、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞など血管に病気のある人が、血液をサラサラにする目的で使用するアスピリンも、胃を荒らす原因です。
しかも、日本人は他民族よりもアスピリンによって出血性の胃・十二指腸潰瘍になりやすいことがわかっています。
薬への理解が足りないままに処方する医師もいる
日本消化器学会をはじめとするさまざまな学会では、胃を荒らす薬の服用による「薬物性潰瘍」の危険性に警鐘を鳴らしています。そして、鎮痛薬を服用するさいには、胃酸を強力に抑える「プロトンポンプ阻害薬(略してPPI。製品名は、パリエット、タケプロン、ネキシウム)」もしくは「ピーキャブ(PCAB。製品名はタケキャブ)」を同時に服用しなければならないというガイドラインを設けています。
ところが、それを知らずに、胃を荒らす鎮痛薬などとともに「H2ブロッカー」という胃薬を処方する医師がいます。H2ブロッカー自体は、胃酸の出すぎによる不快な症状(胸焼け、ムカつき、胃痛など)を抑える優れた薬ですが、鎮痛薬による胃・十二指腸潰瘍を予防する効果はありません。
長期に鎮痛薬を服用するなら、H2ブロッカーではなく、PPIにしてもらうように医師に伝えてください。いいづらいとためらうことはありません。
自分の胃は、自分で守ることが大切です。
この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。
写真/© Fotolia ©カラダネ
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