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ピロリ菌を減らしたい、胸焼けを防ぎたい。冷やしキャベツ、はちみつなど【台所の胃腸薬】活用ガイド

解説 江田クリニック院長
江田 証

ピロリ菌が見つかったら病院での除菌が不可欠です。胃潰瘍や胃炎、胸やけに悩まされている方も病院で専門医に診てもらうことが最重要です。

そのうえで、自分でできることはないのでしょうか。専門医の江田証先生に話を聞きました。

キャベツやブロッコリーは積極的に食べたい

胃の働きをすこやかに保つには、食生活に気を配る必要があります。消化のいいものを選んで、3食きちんと食べることと、ゆっくりよくかんで食べ、腹七分を心がけることが大切です。

この記事では、胃の働きを助け、胃ガンの予防にもつながる食品を紹介しましょう。まずは、身近な野菜のキャベツから。
キャベツから発見されたビタミンUは、別名「キャベジン」といい、胃薬の商品名にも使われています。ビタミンUには、胃酸を抑えて胃の粘膜を修復し、胃ガンや胃潰瘍を予防する働きが期待されています。

ビタミンUは、熱に弱く冷やすと増える性質があるので、加熱するより生で食べるのがおすすめ。食べる前に冷蔵庫でよく冷やし、千切りにして食べるといいでしょう。切ってから水にさらすと、せっかくのビタミンUが流れ出てしまうので、先にキャベツの葉を洗ってから千切りにしてください。

次にブロッコリーについて。ブロッコリーに含まれる「スルフォラファン」という成分には、ピロリ菌の活性や増殖を抑えて細胞のがん化を防ぐ働きがあります。
1日70グラムのブロッコリースプラウト(ブロッコリーの新芽)を8週間とったところ、ピロリ菌が8分の1に減少したという報告があり、キャベツと同様、積極的に食べたい野菜です。

ダイコンは、胃もたれの予防に役立つ?

ワカメやコンブ、モズクなど、ヌメリのある海藻類には、「フコイダン」という成分が含まれています。
フコイダンには、胃の粘膜を保護して胃炎を予防するのに役立つ可能性があります。フコイダンは酢といっしょに食べると吸収がよくなるので、酢の物にして食べるのがおすすめです。

ダイコンには、デンプンを分解する「ジアスターゼ」、たんぱく質を分解する「プロテアーゼ」、発がん性物質を除去する「オキシターゼ」といった酵素(体内の化学反応を助ける物質)が含まれていて、消化を助けて胃もたれを予防する働きが期待できます。
これらも熱に弱く、空気に長く触れると効果が半減するので、ダイコンおろしにしてすぐに食べるといいでしょう。

胃の細胞の老化を防ぐ働きが期待されるのは、「タウリン」という成分です。タウリンは魚介類に多く含まれ、中でもイカ、タコ、カキなどはタウリンが豊富に含まれています。

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