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専門家推奨の【骨粗鬆症の予防ドリンク】。豆乳にオリゴ糖を加えると骨密度の低下を防ぐ?

解説 実践女子大学名誉教授
田島眞

女性ホルモンの一種であるエストロゲンには、骨密度の低下を抑えて、骨粗鬆症(こつそしょうしょう。骨がもろく折れやすくなる病気)を予防する働きがあるといいます。

そうしたエストロゲンと似た働きをすると、期待されているのが大豆に含まれるイソフラボン。
今回は、イソフラボンの作用をさらに高める方法を実践女子大学名誉教授の田島眞先生に教えていただきました。

もちろん、骨粗鬆症をはじめとした老年症候群(日常生活に不具合をもたらす老化の総称)を予防するには、バランスのいい食事や適度な運動が大切であることを忘れないでください。

大豆のイソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをする

エストロゲンが減ると、骨からカルシウムが溶け出す

骨粗鬆症は、患者さんの約8割を女性が占めています。その主な理由は、女性が閉経を迎えると女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が減るためです。
エストロゲンには、カルシウムが骨に吸収されるのを促す働きと、カルシウムが骨から溶け出すのを抑える働きがあるといわれています。しかし、エストロゲンの分泌が減るとカルシウムが骨からも溶け出し、骨密度が低下してしまうのです。

大豆に含まれるイソフラボンはエストロゲンに似た働きをする

骨粗鬆症を予防するには、ふだんから乳製品や肉、魚などを食べてカルシウムを補給する必要がありますが、それとともに大豆製品も積極的にとるようにしてください。
大豆には、イソフラボンというフラボノイド(植物の色素成分)が豊富に含まれており、このイソフラボンが体内でエストロゲンに似た働きをしてくれるといわれているのです。

国内外で行われた複数の研究でも、イソフラボンの摂取が骨密度の改善に役立つと報告されています。
ただし、食品安全委員会では、イソフラボンの摂取目安量の上限を1日に70〜75ミリグラムに設定しており、そのうちサプリメントからの摂取量は上限が30ミリグラムです。

身近な食品に含まれるイソフラボンの量は、納豆1パックに36ミリグラム、木綿豆腐2分の1丁に42ミリグラム、豆乳200ミリリットルに41ミリグラム、みそ汁1杯に6ミリグラムです。

イソフラボンと一緒にオリゴ糖をとろう

イソフラボンから作られる「エクオール」も骨密度の低下を防ぐ

最近では、女性ホルモンの一種であるエストロゲンに近い働きをして、骨密度の低下を防ぐと考えられるのが、腸内の善玉菌がイソフラボンを代謝(体内で行われる化学反応)することで作り出す「エクオール」という物質であると考えられます。
実際に、東京農業大学のマウスを使った実験結果もあります。

実験では、卵巣を切除して閉経状態にしたマウスを、①エクオールを与えない群、②エクオールを与える群、③エストロゲンを与える群に分けて4週間後に骨密度を測定。

その結果、①は全身の骨密度が減少したのに対して、②と③は骨密度が同程度に保たれていました。この実験から、体内のエクオールを増やせば、閉経後の骨密度の低下を防ぐ働きが期待できます。

オリゴ糖をとると腸内環境がよくなる。エクオールも増やせる可能性が

体内にエクオールを増やすにはどうしたらいいのでしょうか。私は、ハチミツやバナナ、ゴボウなどに含まれる甘味成分のオリゴ糖を大豆製品と一緒にとれば、エクオールの生成に役立つと考えています。

エクオールはイソフラボンが腸内で代謝されることで作られますが、オリゴ糖をとると腸内環境がよくなると考えられ、エクオール増やしに役立つ可能性があるのです。
エクオールを増やすには、コップ1杯の豆乳に小さじ2杯程度のオリゴ糖をまぜて、1日に1〜1.5杯程度飲むのが手軽な方法です。

また、日本人の中には体質的に腸内でエクオールを作り出せない人もいるそうです。とはいえ、私はオリゴ糖入り豆乳をおすすめしています。なぜなら、エクオールがたとえ作り出せなくても、腸内環境がよくなればカルシウムをはじめとする骨強化栄養の吸収にも役立つからです。

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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