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【子宮筋腫・子宮内膜症・子宮頸部異形成のセルフ対策】人さし指の「子宮のツボ」刺激がおすすめと中医師が奨励

解説 東京中医学研究所所長・中医師
孫 維良

子宮筋腫・子宮内膜症・子宮頸部異形成(子宮頸がんの前段階)などの婦人病は、下腹部痛や腰痛、排便痛を引き起こすケースが非常に多いといわれています。実は、そんな子宮から起こる痛みを緩和するためにおすすめの「ツボ」があるといいます。ツボの場所や正しい押し方について、東京中医学研究所所長の孫 維良先生にくわしいお話を聞きました。

子宮筋腫・子宮内膜症・子宮頸部異形成をはじめとする婦人病の可能性がある人は、婦人科で診てもらうことが大切です。そのうえで、記事で紹介するセルフケアも試してみてください。

婦人病はツボ押しで血の停滞を改善するのがおすすめ

子宮内にコブができる子宮筋腫や、子宮内膜と同じ粘膜組織が子宮以外の場所にできる子宮内膜症は、とてもよく知られる婦人病です。子宮頸がんの前段階とされる子宮頸部異形成についても、近年、よく耳にするようになりました。

人の体をさまざまな臓器の集合体と考える西洋医学では、子宮内にできたコブや病巣部を手術で取り除いて病気を治療しようとします。

一方、東洋医学では、病気は全身のバランスの乱れと考えます。子宮筋腫や子宮内膜症によって起こる月経痛や不正出血、月経過多などの症状を和らげることで、生体のバランスは整えられるのです。

東洋医学で症状を和らげる方法には、私が専門とする推拿(すいな)療法があります。指圧や按摩(あんま)など、道具を使わない手技で行う治療法です。押す、さする、もむ、たたくといった方法によって、気(生体エネルギー)の停滞を改善し、痛みや便秘、月経時の不調といった症状に作用を発揮するのです。

東洋医学ではすべての病気は、気の停滞から始まると考えますが、婦人病の場合には、気に血(けつ)がからんできます。気は経絡(けいらく)という通路を一定方向に循環していますが、血も気に伴って経絡内を循環しています。血が停滞してつまってしまうのが瘀血(おけつ)という状態で、子宮筋腫や子宮内膜症といった婦人病の治療は、瘀血の改善が中心になります。

推拿療法の基本となるのは、経絡上にあるツボを手がかりに、気や血が停滞している場所を探し、つまりを改善することです。ツボは経絡上の気の出入り口であり、トラブルの発生ポイントを知らせる圧痛点でもあります。ここを正しく刺激すれば、人によってはすぐに作用が出る可能性が高い鎮痛法となります。

「子宮のツボ」の場所

子宮筋腫や子宮内膜症で特に深刻なのは、月経痛や、骨盤痛といわれる月経時以外の下腹部痛・腰痛・排便痛でしょう。こうした子宮から起こる痛みの緩和には、人さし指の根もとにある「子宮のツボ」への刺激が特におすすめです。

子宮のツボは、第2中手骨という、両手の人さし指のつけ根から手首に向かって位置する骨にあるツボのこと。正確にいうと、人さし指のつけ根の膨らんだ部分(拳頭)から、親指のつけ根の骨(第1中手骨)とぶつかるところまで、第2中手骨が通っています。人さし指の根もとから手首に向かって、親指側の側面をなでていくと、ゆるやかにへこんだ骨が感じられますが、それが第2中手骨です。

そして、その最もへこんでいる部分に、子宮のツボがあります(下の図を参照)
s_子宮のツボ.jpg

第2中手骨の子宮のツボは日本ではまだあまり知られていませんが、中国では1970年代に発表されてから40年、子宮の痛みに高い作用があると評判になっています。

「子宮のツボ」の押し方

第2中手骨の子宮ツボを刺激するときは、反対の手の親指の腹で3分ほど押しもみましょう。

ただし、子宮病による月経痛や骨盤痛がひどい場合は、第2中手骨の子宮ツボに電気が走ったような痛みが生じます。この痛みは、押しもんでいくと徐々に和らいでくるので、3分の目安を気にせず、痛みがなくなるまでじっくり時間をかけて押しもんでください。

左右どちらの手の子宮ツボを先に押しもんでもかまいませんが、痛みを強く感じた側の手から指圧するといいでしょう。

また、第2中手骨は人体の縮図と考えられています。拳頭が頭に、第1中手骨とぶつかる部分が足に対応するというように、全身のツボが密集しているのです(下の図を参照)

s_子宮のツボ2.jpg

そのため、第2中手骨をまんべんなく押しもんでいくと、子宮の痛みにかぎらず、全身の不調を改善するのに役立つと考えられています。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© カラダネ © Fotolia

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