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肩こりや首こり、不眠にも!?医師直伝【頭皮ヨガ】講座に潜入① 頭皮が注目される理由とは?
突然ですが、あなたの頭皮は「つっぱって」いますか?
頭に手の指の腹をおいて、頭皮をこすらずに動かしてみてください。あまり動かないようであれば、つっぱっている証拠です。
今、頭皮が緊張したりむくんだりすることで生じる「つっぱり頭皮」の人が増えています。肩がこっているとき、肩を叩いたりもんだりするかもしれません。でも、実はその原因には頭皮の「つっぱり」が関係していることも多いと、帝京平成大学教授で医師の上馬塲和夫先生(下の写真参照)は話します。
そこで、手を使って頭皮をゆるめる「頭皮ヨガ(正式名称はチャンピサージ)」を試してみませんか?
頭皮ヨガのウワサを耳にしたカラダネ編集部員S(32歳女性・眠りが浅いのが最近の悩み)が、「頭皮ヨガ講座」(L.C.I.C.I. JAPAN主催)におじゃましました。その内容を2回に分けてレポートします。第1回は理論編です。
「頭皮ヨガ」のルーツはインド古来の伝統医学
「頭皮ヨガ」とは、手で頭皮をマッサージするヘッドケアのことで、古代インドからの伝統医学「アーユルヴェーダ」の理論に基づいて考案されました。
日本アーユルヴェーダ学会の理事長で、「頭皮ヨガ」の研究も行っている上馬塲和夫先生によると、インドでは、親子や親戚同士で頭をマッサージしあう光景が日常的によく見られるのだとか。確かに、頭を優しくなでられると、それだけで安心しますよね。
事実、上馬塲先生が行ったヘッドケアの臨床実験では、「血流が促された」「目のスッキリ感がアップした」などの変化がデータ上で見られたそうです。
講座の参加者の中には、すでに頭皮ヨガを実践して変化を感じている方がいました。
参加者の長谷川さん(仮名)は、長年耳鳴りに苦しんできたそうで、鍼灸などのケアをいろいろと試したものの、いっこうによくならなかったそうです。
しかし、頭皮ヨガの存在を知って、寝る前に試しに実践してみたそうです。起床後は、いつも耳鳴りが生じるそうですが、頭皮ヨガを行った日の翌朝は耳鳴りがなく、よく聞こえるようになっていて、とても驚いたとのことでした。
それから、長谷川さんは毎日頭皮ヨガを実践しているとのこと。体験者のリアルな声を聞き、頭皮ヨガにますます興味がわきました。
頭部の静脈は「うっ血」しやすい
では、なぜ「頭皮ヨガ」は体のさまざまな部位の中でも、とくに頭皮にアプローチするのでしょうか?
その理由の一つとして考えられるのは、頭部に流れる血流は滞りやすいためと上馬塲先生はいいます。
「頭皮の中には、静脈が細かく走っています。その静脈には、血液が逆流しないようにする弁が、ほとんどついていないのです(無弁静脈)。つまり、頭部の静脈はうっ血しやすく、その結果、頭皮はむくんだり緊張したりして、つっぱりやすくなるのです(下の図参照)」
頭皮をほぐすと全身の筋肉がゆるみ、副交感神経が優位に
また、頭全体は帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)という筋膜で覆われていて、この筋膜がストレスや加齢などで衰えることで、頭皮がつっぱるそうです。
帽状腱膜は全身の筋肉とつながっているため、この部分が緊張すると、全身の筋膜も硬くなり、それが原因で肩こりや腰痛、ひざ痛を引き起こすこともあるとか。
そのため、頭皮ヨガによって帽状腱膜をほぐせば、首・肩・腰などの筋膜の緊張がゆるみ、全身のこりが改善に導かれるというのです。
また、上馬塲先生の話では、頭皮ヨガには副交感神経を優位にする働きが期待でき、全身の血流がよくなるせいか、体がポカポカと温かくなる人もいるそう。体の痛みやこりだけでなく、ストレスによる不眠や冷え症に悩んでいる人にも、頭皮ヨガはおすすめだそうです。最近眠りが浅い編集部員Sにとっては、まさに渡りに舟のメソッド!
頭皮ヨガについて学んだ後は、いよいよ実践編です。第2回のレポートをお楽しみに!
頭皮ヨガの理論については、『耳鳴り・難聴・めまい 新聴力アップ法 頭皮ヨガ』(わかさ出版より好評発売中)にて詳しく解説しています。耳鳴り、難聴、めまい、不眠など、お悩み別の頭皮ヨガのやり方についても、わかりやすく図解しています。
もちろん、体の不調がある人は、専門医の治療を受けることが最も重要です。
そのうえで、頭皮ケアをセルフケアの一環として試してみてください。
この記事は医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。
写真/©カラダネ
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