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女性ホルモン不足による不快症状が改善できるかも。治療家考案【骨盤のゆがみ】を正す体操のやり方
アピア均整院代表、身体均整師会常任理事副会長の松岡博子先生は、骨盤の傾きは、重い更年期障害や生理痛・冷え症などを引き起こす女性ホルモン不足の一因になる可能性があると述べています。
それでは、骨盤の傾きを改善し、女性ホルモン不足による不快症状を少しでも和らげるには、どうしたらいいのでしょうか。
この記事では、松岡先生が考案した「骨盤温め体操」を紹介します。
女性ホルモン不足と思われる症状で悩んでいる方は、婦人科で診てもらうことを忘れないでください。専門医による適切な診断と治療を受けたうえで、記事で紹介する体操も試してみてください。
骨盤の傾きを正せば女性ホルモン不足を改善できる可能性がある?
女性の骨盤は、子宮や卵巣を包み込むとともに、女性ホルモンの分泌にかかわる神経が通っていることから、女性らしさを保つ場所であると私は考えています。私の経験上、骨盤が傾いた女性は重い更年期障害(40代後半以降の女性に起こるさまざまな不快症状)や生理痛・冷え症がみられることが多く、傾きを正せばそれらの症状を改善できる可能性があるのです。
そこで私は、更年期障害・生理痛で長年悩む人や、若くても更年期障害と似た症状を訴える患者さんのために、傾いた骨盤を正す体操を考案しました。それが「骨盤温め体操」です。
骨盤温め体操を行うと、その名のとおり、すぐに下腹部がポカポカと温かくなってくるのを実感できる人がいると思います。これは、骨盤の周囲の筋肉が動いて血流がよくなったからだと私は考えます。
同時に、骨盤の傾きが正されることで子宮や卵巣の圧迫もなくなり、神経も正常に働くので、女性ホルモンの分泌が活発化して更年期障害や生理痛が軽くなる可能性も期待できます。
もちろん、女性ホルモンの量が増えたことを確認はできていませんが、実践した人の体調がよくなり、女性らしさも増すことから、私は自信を持ってすすめています。
個人差はありますが、早い人なら数日で変化を実感できるのではないでしょうか。
骨盤温め体操のやり方
骨盤温め体操は、下の図の①~⑤を、1日に1回行ってください。起床時または就寝前に行うことがおすすめです。運動量が大きいため、やりすぎには注意してください。
なお、力の入りにくい空腹時や、血液が胃腸に集まっている食事の直後は、体操を行うことを避けてください。入浴の直後も骨盤が緩んでいて、呼吸によって骨盤を刺激する作用が十分に得られないので、避けるようにしてください。その他、生理中や腰痛・股関節痛がある場合にも行わないようにしてください。
骨盤温め体操のポイント
骨盤温め体操を行うさい、大切なのは、呼吸法を正しく行うこと。図の②では腰を持ち上げた状態で息を止め、苦しくなったら③の動作に移って、一気に息を吐き出し、全身の力を抜きます。
その理由は、息を止めるときに力を入れ、その後、息を吐いて力を抜くことにより、骨盤が一種の緊張状態になるからです。そのようにして骨盤を刺激することがゆがみの矯正につながると私は考えています。⑤の動作も、仙骨を刺激してゆがみを除く働きがあると考えられます。
さらに、③の動作で全身の力を抜いたら、呼吸が整うまで待つことを忘れないでください。次の動作に早く進むと、体に過大な負担をかけることになります。
女性ホルモン不足による不快症状が改善した人はおおぜいいる
私の治療院では、これまで20代から50代まで、幅広い世代の女性に骨盤温め体操を指導してきました。その結果、女性特有の不快症状が改善した人がたくさんいます。中には、「つらい生理痛や吐きけがなくなった」「生理が規則正しくなった」という声も聞かれます。
もちろん、骨盤温め体操を行うだけで、全員が必ず不調を改善できるわけではありません。栄養不足やストレスも女性ホルモンの分泌を乱す一因となるので、睡眠をしっかりとる、偏食をさけるなど、生活習慣を改めることに加えて、体操も毎日の習慣として取り入れてみてください。
・記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、記事にある体験はあくまでも個人的な感想であり、効果効能を保証するものではありません。
写真/© Fotolia ©カラダネ
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