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【骨盤のゆがみ】を招く可能性がある姿勢や動作とは?改善方法も大学教授が伝授

解説 倉敷芸術科学大学客員教授
内田輝和

骨盤のゆがみは、日々の姿勢や動作が原因となって生じる可能性があると倉敷芸術科学大学教授の内田輝和先生は話します。

どのような姿勢や動作が骨盤に悪い影響を与えるおそれがあるのでしょうか。くわしいお話を聞きました。

骨盤のゆがみは、様々な病気や不調の温床となります。普段の姿勢や動作にくわえ、骨盤を支えている筋肉を鍛えるための運動も忘れないようにしてください。

体の片側のみを使う姿勢や動作は骨盤の左右のゆがみを招く

片側かみによる顔のゆがみは骨盤にも影響を及ぼす

鏡で自分の顔を見て、左右で大きく違っていることに気づく人もいるでしょう。「顔が多少ゆがんでいても別にかまわない」と思うかもしれませんが、私は今までの治療の経験から、顔のゆがみは骨盤にも影響を及ぼすことになると考えています。

顔のゆがみは、片側かみ(片側の歯ばかりでかむこと)のクセが原因である可能性が高いと私は考えます。

利きあごだけで長年かみつづけると、利きあご側のほほの筋肉が引き締まり、使わないあご側のほほがたるんできます。首の筋肉も利きあご側に引っ張られて縮み、利きあご側に傾いて、ちょうど小首をかしげるような形になります。

こうして首の骨が曲がると、それに連動して腰椎(ようつい。背骨の腰の部分)が湾曲(わんきょく)し、骨盤が左右に傾いてきます。すると、肩こりや頭痛・腰痛・ひざ痛・肥満といった、さまざまな症状が起こるようになる患者さんが多いのです。

日常生活における体の片側のみを使う姿勢や動作

ショルダーバッグをいつも同じ側の肩にかけているという人も要注意。バッグをかける側の肩甲骨が上方へ上がって背骨が弩曲し、骨盤が左右に傾いてくるおそれがあるからです。

ゴルフやテニス、野球などのスポーツも、骨盤をゆがませる原因となる可能性があります。これらのスポーツは、左右のどちらかに偏って負荷をかけるような動きが多いので、体(特に筋肉)のバランスがくずれて、骨盤が左右に傾いてしまうおそれがあるのです。

日常生活の中でも、骨盤の左右の傾きを招く可能性がある姿勢があります。その代表が、イスに足を組んで座る姿勢です。イスに腰かけたときに、例えば右足を上にして組むと、背骨が横に曲がり、骨盤の右側が上方へ上がります。すると重心は、左坐骨(ざこつ。坐骨は骨盤を形成する左右一対の骨の下部)に寄ります。この姿勢をくり返していると、背骨の横曲がり(側湾)を招くばかりか、重心が左坐骨に寄るため腰の左側の神経が圧迫され、左腰や左ひざに痛みが生じやすくなるのです。

片方の足に体重を乗せて、「休め」の姿勢で立っている人もよく見かけます。この姿勢をとると体重を乗せている側の足に負担がかかり、骨盤の左右の傾きを招く可能性があります。

そのほかにも、パソコン作業時に、画面に対してまっすぐ座らずに左右のどちらかに体をねじって操作したり、居間でいつも体をひねりながらテレビを見たりするクセも、骨盤をゆがませるおそれがあると私は考えています。

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片側動作を改善する方法

体の左右にかかる負担が同じくらいになるように心がける

骨盤のゆがみの原因となる片側動作を改善できる可能性がある方法を紹介します。

スポーツの場合は、いつも負荷をかけている側の反対側にも、負荷をかけるようにしましょう。ゴルフなら、いつも右でスイングしている人は、クラブを持ち替えて左で同じ回数スイングするのがおすすめです。

ショルダーバッグは、いつも同じ側の肩にかけるのはやめて、ときどき反対側の肩にかけるようにしてください。手提げカバンも同じ手で持たないで、反対の手でも持つようにします。

イスに座るときは、足を組まないように気をつけてください。どうしても組んでしまう人は、同じ足を上にしないで、ときどき反対の足を上にするようにしてください。

立っているときも、同じ足に体重をかけないようにすること。

パソコンやテレビは、画面に対して体の正面を向けるように注意しましょう。

片側かみはガムかみで改善することができる

片側かみで顔がゆがんでいる人は、まずロを閉じ、食べ物を左右の奥歯で均等にかむようにします。

片側かみがクセになって、なかなか直らないという人には、ガムを使って矯正する方法もあります。ガムを用意したら、利きあごに1個、反対側のあごに2個入れてかんでください。このとき、唇は閉じ、鼻呼吸をしながらかむようにします。これを続けることで、しだいに片側かみのクセが直ってくるのです。同時に、顔のゆがみや骨盤のゆがみも改善することができることを、私は今までの治療の経験から実感しています。

もちろん、姿勢や動作を改善すれば、すぐに骨盤のゆがみが治るわけではありません。しかし、日常生活ですぐに取り入れることができる方法なので、常に頭の片隅にとどめて、気長に取り組んでみてください。

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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