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やせる!甘酒ダイエットQ&A(作り方・飲み方・期待できる働き・アレンジレシピなど全網羅)

解説 カラダネ編集部

甘酒を日常的に飲む人が増えています。その理由は、甘酒にダイエットや美容、血圧対策などに役立つ働きが期待できるため。

この記事では、甘酒ダイエットのやり方や期待できる働きを中心に、「そもそも甘酒とは?」という基本的なところからアレンジレシピまで、甘酒のすべてをQ&A形式で解説します。

Q.甘酒ダイエットが今大人気!その理由とは?

甘酒ダイエットが人気です。理由は甘酒を飲むだけと手軽にできるほか、やせながら美肌や美髪になる働きが期待できるため。

実践女子大学名誉教授の田島眞先生によると、甘酒の原料の米麹に含まれる麹酸には、シミやソバカスなどの原因となるメラニン色素を作り出すメラノサイトという細胞の活動を抑制する働きがあるそうです。
また、米麹にはフェルラ酸やアルブチンなどの成分が多く、強力な抗酸化作用(活性酸素の害を抑える働き)が期待できるとか。
活性酸素は体内で大量に増えるとシミ・シワ・クスミの重大原因になります。

もう一つ、甘酒ですごいのは、なんと目の下のクマに対しての改善作用があったこと。国内の食品メーカーと東京工科大学の前田憲寿教授らが共同で行った試験でわかっています(下のグラフ参照)。

s_図版)目の下のクマが改善.jpg

Q.甘酒ダイエットの作用は?

甘酒の含有成分には体重が増えるのを防ぐ成分があると考えられ、実際に動物実験でも以下のような結果が出ています。
田島先生によると、国内の酒造会社が行った以下のようなマウスの試験があります。

s_図版)甘酒の投与で肥満が抑制.jpg試験の概要は、まずはマウスを
・高脂肪食+甘酒を与える群
・高脂肪食+カゼイン(たんぱく質の一種)を与える群
に分けて、2週間飼育したそうです。その結果、甘酒を与えた群では体重の増加が抑えられていたといいます。なお、この試験では米麹が原料の甘酒が使われました。

体重の増加を防ぐ成分としては、麹で作る甘酒にはビタミンB群がたっぷり含まれているからと考えられるそうです。ビタミンB群は、食事でとった糖質や脂質を分解してエネルギーに換え、老廃物として体外に排出する働きがあるとされます。
また、米麹に含まれる酵素が作るα-エチルグリコシドには、体重増加を抑える作用があることもわかってきているといいます。 さらに、米麹に含まれるいくつかの酵素には代謝を活発にする働きがあるため、蓄積された体脂肪をエネルギーとして燃やし、太りにくくやせやすい体作りに役立つとされています。

Q.甘酒ダイエットのやり方は?

甘酒ダイエットの基本は、置き換えダイエットです。朝昼晩のどれか一食を甘酒1杯(200グラム)にするのがおすすめ。

田島先生によると、甘酒は冷やすか常温で飲むのが理想といいます。
なぜなら、温めたときよりも甘酒に含まれているペプチド(アミノ酸の結合物質)などの成分が壊れにくいからだそうです。

Q.甘酒のカロリーは低い?高い?

甘酒は100グラムが81キロカロリー(日本食品成分表より)で、カロリー量はご飯の半分以下。つまり、甘いのですが実は低カロリーといえます。これは、甘酒の甘さは発酵の過程で糖化によって生まれるため。

ちなみに、成人女性の平均的なカロリー摂取量は約2000キロカロリーですから、だいたいみなさんは1回の食事で約700キロカロリーくらいを摂取している計算になります。
甘酒ダイエットでは一食を甘酒に置き換えますから、甘酒200グラム=約160キロカロリーとすると、やせる働きが期待できるのがおわかりいただけるでしょう。

Q.そもそも甘酒ってなに?(甘酒の基礎知識)

米麹(下のコラム参照)や酒粕(酒をしぼったあとのかす)を原料に作られる日本の伝統的な甘味飲料のことです。
奈良時代に編纂された日本書紀にもその記述が(天甜酒〈あまのたむけざけ〉)があることから、約1300年前から飲まれていたと考えられます。

甘酒コラム①麹とは?
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米や麦、大豆などの穀物に麹菌という微生物を繁殖させたものをいいます。麹菌はカビの一種。蒸した米に白い麹菌が繁殖したものを米麹(上の写真)、麦なら麦麹、大豆なら豆麹となります。

Q.甘酒には種類がある?甘酒ダイエットに適した甘酒とは?

米麹で作る甘酒と酒粕で作る甘酒の2種があります。
2つの違いは、アルコールが含まれるかどうか。酒粕は、やはり日本酒を作ったあとに残るものなので、微量ですがアルコールが含まれています。

甘酒ダイエットをする場合は、米麹で作った麹甘酒がおすすめです。また、健康維持を目的に飲む場合もやはり米麹で作る甘酒がおすすめです。

Q.甘酒の作り方は?

甘酒というと市販の製品を飲むのが一般的ですが、意外と簡単に手作りができます。
市販のものは、甘酒の味を調節するために糖分などが添加されている場合も多いので、ダイエット目的で飲むならむしろ手作りをおすすめします。
●材料
・米麹200グラム
・水200ミリリットル
・魔法瓶

●作り方

s_作り方1.jpg①水200mlを鍋に入れて火にかける。水温計で温度を測り、60度Cになったら、米こうじ200gを加える。

s_作り方2.jpg②全体をしゃもじでかきまぜながら、弱火で65度Cになるまで加熱し、火を止める。

s_作り方3.jpg③鍋の中身を魔法ビンに移し、フタをして8時間ほどたったら出来上がり。
手作りした麹甘酒は、あまり日持ちしません。必ず冷蔵庫で保存し、1週間以内に飲みき ってください。

甘酒コラム②米麹で作る麹甘酒の作り方は3種ある
甘酒の手作り方は3種あります。上で紹介したのは❸の「はや作り」。一般の人でも作りやすいからです。
・甘酒の作り方❶かた作り
米麹と米(炊く前の重さで換算) を1対1で混ぜ、60度Cくらいの温度を保って発酵させる作り方。
・甘酒の作り方❷うす作り
かた作りの材料(米と米麹)と60 度Cの湯を2対1の割合で合わせて発酵させる作り方。かた作りはトロッとした風味になり、うす作りは水分が多くてサラサラします。
・甘酒の作り方❸はや作り
使用するのは米麹と、同じ量の60度Cの湯を発酵させる作り方。米麹の風味を最も感じる甘酒です。

Q.甘酒に期待できるその他の働きとは?

便秘の改善が期待できる

田島先生によれば、甘酒には腸内環境を整えて便秘を改善する働きも期待できるそうです。
甘酒の原料である米麹には、腸内の善玉菌である乳酸菌が豊富です。しかも、米麹の乳酸菌は植物性乳酸菌。植物性乳酸菌は、人間の体内の胃酸や消化液といった過酷な環境をくぐり抜けて、生きて腸まで届く確率が高い乳酸菌と考えられているそうです。

また、米麹の甘酒に多く含まれるブドウ糖やオリゴ糖は、腸内の善玉菌のエサとなるため、その点からも便秘の改善に役立ちます。

高血圧の予防や対策に役立つ

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東京女子医科大学医学部主任教授の市原淳弘先生によると、血圧の上昇を抑える米麹由来のペプチドが豊富に含まれていて、高血圧の悪化防止に役立つといいます。
米麹で作った甘酒に含まれるペプチドには、血圧の上昇を抑える「ACE阻害活性」という作用があるそうです。
少しくわしく説明すると、血液中には、血圧を上げる「アンジオテンシンII」というホルモンがあり、このホルモンが増えると血圧が上昇しますが、麹甘酒に含まれているペプチドはこのホルモンが増えるのを抑える働きが期待できるそう。すると、血管の収縮を防ぐことができ血圧の上昇を防ぐ働きが期待できるわけです。

市原先生によると、高血圧の患者さんは加齢とともに血圧が上がり、服薬量を増やすことが少なくないのですが、それを防ぐのに麹甘酒のペプチドが役に立つ可能性があるといいます。実際に市原先生は、高血圧の患者さんに、麹甘酒をとることをすすめているそうです。

切れ痔の改善に役立つ

平田肛門科医院院長の平田雅彦先生は、切れ痔の予防に甘酒を就寝前に飲むのをすすめています。
前に述べたように甘酒を飲んで腸内善玉菌が優勢になれば便秘の改善に期待が持てます。そして、便の状態が整えば切れ痔の予防や改善にも役立つと考えられます。

Q.甘酒ダイエット成功のためのアレンジレシピとは?

甘酒は単体で飲むよりも、アレンジして飲むとさらにダイエットが成功しやすくなります。なぜなら、ダイエットの成功のためには飽きずに毎日続けることが重要なため。甘酒に加えることで、味にバリエーションが出るばかりか、ほかのさまざまな作用も期待できます。

甘酒アレンジレシピ① コーヒー甘酒

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●作り方

麹甘酒100mlとホットコーヒー100mlを合わせる。
●期待される健康作用
コーヒーには、脂肪の燃焼を促す働きが期待できる「カフェイン」や、高血糖を防ぐのに役立つ「クロロゲン酸」など、さまざまな成分が含まれている。

甘酒アレンジ② ショウガ甘酒

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●作り方
麹甘酒200mlに、おろしショウガ小さじ1を加えてまぜ、電子レンジで30秒程度(600W)温める。
●期待される健康作用
ショウガの辛み成分の「ジンゲロール」などには血流を促したり、血管を広げたりする働きが期待できる。また、代謝を下げる重大原因になる「冷え」の予防に役立ちます。

甘酒アレンジ③ レモン甘酒

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●作り方
麹甘酒200mlを電子レンジで30秒程度(600W)温めて、レモン汁大さじ1を加える。好みでレモンスライスを浮かべる。
●期待される健康作用
レモンは抗酸化力が大きいポリフェノールの「エリオシトリン」や「ビタミンC」が多い。

甘酒アレンジ④ トマトジュース甘酒

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●作り方
麹甘酒100mlと無塩トマトジュース100mlを合わせる。
●期待される健康作用
トマトの色素成分の「リコピン」には、善玉コレステロールを増やす作用が期待できる。ダイエットや美白にも役立つ可能性があります。

以上、甘酒ダイエットのQ & Aについてまとめました。もちろん、甘酒だけ飲みつづければ、誰もがやせるということではありませんが、「飲む点滴」とも呼ばれるほどの高栄養飲料ですので習慣にしてみてください。

このまとめ記事を作るさいに参照した専門家解説の記事が下記の関連記事にありますので、そちらもご覧ください。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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