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【耳スクワット+内耳を刺激する音】で耳鳴り・難聴を改善しよう
季節の変わりめは、自律神経(意志とは無関係に血管や内臓の働きを支配する神経)のバランスが乱れ、耳鳴り・難聴・めまいが悪化しやすいといわれています。
健康情報誌『わかさ』2019年3月号では、そんな耳の不快症状を退ける方法として、耳鼻咽喉科専門医の坂田英明先生が、脳を刺激して耳の奥にある内耳の細胞を活気づけるやり方を解説しています。
「テレビの音声が聞き取りにくい」「会話中に聞きもらすことが増えた」といった症状に悩んでいる人は、ぜひ試してみてください。
音を聞いて、内耳の細胞を活気づけよう
内耳の細胞を活気づける音を、まずはお聞きください。
高音が美しいハープの響きを楽しんでいただけたでしょうか。
実際に音を聞き取る脳を鍛える
音が聞こえるしくみをご存じでしょうか。
音は耳の中の器官で電気信号に変わり、脳に伝わって初めて聞こえます。つまり、耳で音が聞こえるわけではなく、耳は音を伝える伝達器官で、実際に音を聞いているのは脳です。
年齢を重ねることで増える難聴は、耳の内耳や聴神経のほか、大脳や脳幹といった脳の障害も重大原因。中でも脳幹は、耳から入ってきた音の情報を大脳の聴覚野に中継する重要な組織とされます。
先に紹介したハープの響きを聞くことで脳幹が刺激されるとともに、内耳の細胞も刺激され、音を聞き取る力が高まる可能性があるそうです。
耳スクワット=30分に一度立ち上がるだけ
もう一つおすすめなのが、耳スクワット。やり方は、「30分に一度立ち上がるだけ」。
これだけで難聴のほかに耳鳴りやめまいの改善に役立つ可能性があります。
私たちの内耳には蝸牛と三半規管という組織があります。音については蝸牛、体のバランスをとる平衡感覚は三半規管が担当しています。そして、三半規管の根元にあたる前庭では、炭酸カルシウムの結晶である耳石(じせき)が層をなして存在しています。
体が傾いたり、水平方向・垂直方向の動きが加わったりすると、耳石が動いて内耳の細胞に伝わります。それによって、私たちは自分の頭がどこを向いて、どのように動いているのかを感じることができるのです。
立ち上がれば耳石が刺激され老化を防ぐ
NASA(アメリカ航空宇宙局)でも、耳石は老化のカギを握る重要器官として注目しています。宇宙空間では、地上の10倍の速さで骨や筋肉、血管などの老化が進みます。無重力の状態では、耳石が浮いたままで動かないことが老化の大きな要因と解明されたのです。
地上でも座りっぱなしを続けると、無重力空間と同じように耳石が動かない状態になります。そこでNASAでは耳石を適度に刺激して老化を防ぐ方法として、30分に一度は立ち上がることを推奨しています。
立ち上がると、頭が上下や斜めに動きます。すると耳石も動いて内耳の細胞が刺激され、耳の不快症状を退けることが期待できるのです。
日本人は、ほかの国の人たちと比べても、座っている時間が長いとされています。座りっぱなしの状態が続いたら立ち上がることも意識することが、耳鳴りや難聴の予防につながります。
記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。
写真/©カラダネ
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出典:『わかさ』2019年3月号(詳細はわかさ出版ホームページにて)
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