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素肌美は化粧品ではなく肌自身がつくる!美肌になる働きを最大限に引き出す【リセット美容】とは
「できることなら、メイクに頼らずにキレイになりたい。素肌を健康なお肌にしたい」
その近道は、常日頃から素肌を美しく保つ方法について深く考え、医学的にも正しいプロのテクニックを盗むこと。
どうやら、メイクに頼らない素肌の美しさを手に入れるには、肌にもともと備わっている「キレイになる力(健康肌になる力)」を引き出すリセット美容が必要なのだとか。
そのためには、化粧品(基礎化粧品、メイクアップ化粧品)の選び方・使い方を見直す必要があるようで…?
皮膚科医で美容医療が専門の山口麻子先生にお話を聞きました。
メイクやスキンケアは逆効果?
はじめまして、山口麻子です。
美容医療を専門とする医師の立場から、素肌を美しく、そして若々しく保つための“表に出されないスキンケアの真実”をお話しします。
よろしければお付き合いください。
みなさんの中には、肌を美しく保つために、毎日欠かさずメイクやスキンケアをしている方が多いと思います。
それでも、努力の甲斐なく肌が乾燥したり、シミやシワがどんどん増えたり、同年代より老けて見られたりしていませんか?
それは、お肌によかれと思って一生懸命にスキンケアするさいに、肌が化粧品などで過剰な刺激を受ける、そしてため込む、いわば“お化粧肥満”が原因と考えられます。
肌の健康状態を回復させて、その人なりの美肌を取り戻すには、肌への刺激を減らすのが不可欠。それには、メイクやスキンケアに対する考え方を根本的から改める必要があるのです。
具体的には、メイクやスキンケアで肌が受ける刺激は主に2つあります。
①化粧品に含まれる化学物質による刺激
②メイクやクレンジングの摩擦など、物理的な刺激
順に説明します。
化粧品で、肌に本来備わる”健康&美肌を保つ働き”が低下!?
まず、①化粧品に含まれる化学物質による刺激について。
肌によかれと思って使ってきた人はガッカリするかもしれませんが、どんなに肌によさそうな化粧品でも、超高級化粧品であっても、肌にとって異物であることに変わりはありません。含まれている化学物質(界面活性剤やエタノールなど)は、間違いなく肌を刺激します。
刺激に強い人は問題ないのですが、乾燥やニキビなどの肌トラブルが起こっている人は、化学物質によって肌が炎症を起こしたり、肌表面の角質層に存在する皮膚常在菌、特に肌を美しく保つ働きがある表皮ブドウ球菌が減らされている可能性があります。表皮ブドウ球菌は、最近では「美肌菌」などと呼ばれて話題になっていますよね。
そもそも、肌の表面は角質層に覆われており、化粧水やパックを使っても有効成分が皮膚の深部に浸透することは考えにくいのです。基礎化粧品は、肌の表面を多少は保湿するかもしれませんが、あまり意味がないものと考えて間違いないでしょう。
「肌内部まで浸透する」と謳っている基礎化粧品もありますが、それらは角質層を破壊して成分を浸透させる可能性が高く、どちらにしろ皮膚のバリア機能を破壊し、肌が本来持っている健康を保つ働きを低下させてしまいます。
基礎化粧品の効果を過信している人は、まずはその考えから抜け出すことが素肌をキレイにする第一歩といえるでしょう。
メイクやクレンジングの物理的刺激が肌トラブルにつながる
次に、②のメイクやクレンジングの摩擦などで起こる物理的刺激について。
肌に、メイクやクレンジング、または美顔ローラーなどの物理的な刺激を与えると、角質層が薄くなったり、炎症が起こったり、シミが増えたり、赤ら顔が増強したりといったトラブルに見舞われる可能性があります。
ちなみに、シミについては、「紫外線を浴びると肌内部にメラニン色素ができて、色素の排泄がうまくいかないとシミができる」と思っている人が多いと思いますが、メラニン色素は物理的刺激でも作られます。
例えば、アイメイクをよくする人は目のまわりが黒ずむことがあります。これは毎日のクレンジングでアイメイクを落とすさいに目のまわりをこすることで、メラニン色素が過剰に作られるのが重大原因と考えられます。
目の周囲は皮膚が薄いので、刺激は大敵なのです。
リセット美容で肌本来の保湿力を引き出そう
いかがでしょうか。
お肌の健康を保つには、この記事で述べた2つの刺激を極力減らすことが必要。すると、傷んだお肌もある程度は修復されていきます。この刺激を極力減らすリセット美容で健康なお肌を手に入れてください。
何も難しいことはありません。私たちの肌は、超高級化粧品に勝る美容成分を、自分でも分泌できるのです!肌トラブルで悩んでいる人にリセット美容を試してもらうと、私の経験上、1カ月前後で問題なく化粧品を減らせる方がおおぜいいらっしゃいます。
リセット美容は、お肌が本来持っている「健康になろうとする力」を引き出します。下の写真はリセット美容を実践し、治療もされた患者さんの例。
実年齢は37歳ですが、この肌解析機では肌年齢が28歳と出ています(写真中央の数値)この機器では実年齢と肌年齢の差が-9歳だと最高評価)。くわしい解説は省きますが、シミやシワについても、同年代と比べても圧倒的に少ないという結果が出ました。
リセット美容では、まず初めに化粧品や基礎化粧品の選び方・使い方を改める必要があります。具体的なやり方について、今後の連載で紹介していきますね。
正しく行えば素肌から健康になれるリセット美容ですが、中にはリセット美容をしても効果を発揮しにくいタイプの人がいます。
●20代でオイリー肌の人
このタイプの人は、肌への物理的刺激を防ごうとしてきちんと洗顔を行わなかった場合、皮脂が毛穴につまって肌トラブルにつながるケースがあります。
毛穴に皮脂をつまらせないように洗顔してください(洗顔のやり方については、この連載の第3回の記事をご覧ください)。
そのうえでリセット美容を継続すれば、オイリー肌の改善も期待できるはずです。
●60代以上で皮脂の分泌量が少ない人
このタイプの人は、皮脂をみずから分泌する力が弱いため、基礎化粧品を使うことで肌の潤いが保たれている可能性が高く、無理にリセット美容を行う必要はありません。
さて、この記事を含めて合計10回にわたりリセット美容について話をしますが、その中で化粧品のデメリットについてもふれていきます。
とはいえ、化粧品は本来は嗜好品であり、みなさんが使って楽しいと感じるなら無理にやめる必要はないと私は考えています。
私は、みなさんには「化粧品が”肌にとっていいもの”や”素肌を美しくするもの”ではない」点をご理解いただいたうえで、正しい知識を持って使ってもらいたいと考えています。
更新情報はこちら→@カラダネ美容部
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記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。 写真/© カラダネ © Fotolia
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