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ぬか床と暮らそう|おいしく漬けるためのQ&A①
ぬか床作りは〝子育て〟に似ています。
ぬか床を育てていく中で思わぬ事態が起こっても、慌てず、焦らず、あきらめないで対処すれば、必ずもとの元気な状態に戻ります。
本記事では、ぬか床ビギナーが直面しやすいトラブルをまとめているので、参考にしてください。
↓「ぬか床って何?」と、いう人はこちらをチェック↓
https://www.karadane.jp/articles/news/43271/
↓「ぬか床の栄養」に関してはこちらをチェック↓
https://www.karadane.jp/articles/news/43276/
解説:医師・料理研究家 河埜玲子
米ぬかはどこで手に入れればいい?
ANSWER: 新鮮な生ぬかを選ぶならお米屋さんです
米ぬかには、精米したばかりの「生ぬか」と、あらかじめ炒ってある「炒りぬか」の2種類があります。生ぬかは栄養が豊富で風味がよく、甘味もありますが、精米してから数日たつと酸化して変質しやすいので、お米屋さんで精米したての新鮮なぬかを入手し、できるだけ早くぬか床作りを始めてください。
スーパーでも売られている炒りぬかは、炒ることでビタミンなどの栄養が失われ、発酵が遅いという難点はあるものの、雑菌の繁殖が抑えられるので保存しやすく、香ばしさも増すという長所があります。
栄養と風味を重視するなら生ぬか、入手と保存の手軽さ、香ばしさを重視するなら炒りぬかとなりますが、いずれにしても、できるだけ無農薬栽培の米から精米したぬかを選ぶようにしましょう。
ぬか漬けがすっぱすぎる場合の対処法は?
ANSWER: 米ぬかを追加するか、卵の殻を加えてぬか床を中和します
すっぱすぎる原因は、ぬか床の乳酸菌が繁殖して乳酸を大量に作り出すためです。
米ぬかを追加するか、ぬかみそ辛子、または煮沸した卵の殻を細かく砕いて加えれば、酸性度が強くなったぬか床を中和でき、乳酸菌の繁殖も抑えられます。それでもすっぱいときは、ぬか床の3分の1くらいを取り除き、新しい米ぬかに入れ替えてください。
また、乳酸菌は酸素が苦手な性質なので、繁殖を抑えるには、ふだんからぬか床の表面と底を入れ替えるように、しっかりとかき混ぜて空気を入れること。
夏場などの気温が高い時期は、冷蔵庫の野菜室で保管してぬか床の温度を下げてあげることでも酸味が和らぎます。
ぬか漬けがしょっぱすぎる場合の対処法は?
ANSWER:塩分が多すぎるので米ぬかを足しましょう
しょっぱいのは、ぬか床の塩分が多すぎるのが原因です。米ぬかを追加してよくかき混ぜ、塩分をぬか床全体にいきわたらせるようにしてください。
塩分が過剰なぬか床では、乳酸菌などの微生物が活動を弱めるので漬かりも悪くなり、うま味が出ません。米ぬかを追加する際に、昆布や唐辛子もいっしょに入れてもいいでしょう。
野菜を漬ける前の塩もみで、塩を振りすぎていることもしょっぱい原因の一つかもしれません。いつもより塩の量を減らしてみたり、葉物野菜やアクの少ないにんじん、セロリなどは、水洗いしてから水気を取るだけで、そのまま漬けてもいいでしょう。
まとめると、
①ぬか床に塩を入れすぎ
ぬかを追加してよくかき混ぜ、ぬか床全体の塩分濃度を下げましょう。
②塩もみで塩を振りすぎ
野菜に振る塩の量を減らしたり、野菜によっては塩もみをしないで漬けてみましょう。
今回のQ&Aはここまで。
次も、ぬか床を美味しく漬けるためのQ&Aをお届けします。
写真:©️カラダネ/©︎AdobeStock
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